※この作品はR-18です。

産めよ増やせよ地に満ちよ   作:かりん2022

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一部表現にフィルターが掛かっております

それは複数人での呪霊退治の任務の時だった。

突如日本の上空に現れた天空都市マギカテラ。

それに対する恐怖が蔓延したが故の、都市型の領域を持つ呪霊の対応だ。

呪霊や呪力だけでも大変なのに、数年後に魔獣と呼ばれる怪獣と魔力の問題が起こるらしい。全く勘弁してほしい。

 

魔力についての説明の要領が得ず、魔力を受け入れますか、受け入れませんかと問われても困る。

しかも、呪力や呪霊とどんな反応を起こすかわからないなんて……。

魔法がある世界の宗教団体がサポートをするそうだが、そいつらも信用などできるはずがない。そいつらのせいではないとわからない。

どちらを選んでもサポートはするそうだが、罠があるのではと疑っている。

彼らのせいで、呪力の事まで公になりそうで頭が痛い。

 

面倒だからさっさと済ませようと集中しながら見ると、滅茶苦茶可愛い子がいて二度見した。仕事中にそんな事、初めてだった。

 

思わず凝視する。

ピンク色の髪に染めた、多分同世代の……男の子。

目が大きくキラキラと輝いていて、女の子のような顔立ち。

着膨れてるけど、それでもスラリとした体型だとわかる。

むしろ大きな服を着る事で、決して低くない背なのにちっちゃく見える。

そしてひたすらエロい。

可愛さが天元突破していて、男であることに落胆する事すらない。

頭の中がエッロとかっわで埋まる。

こんな衝撃、初めてだった。

 

あ、こっち見た。ちょっと目を見開いて、頬を染めた? 両想い!???

 

俺はまっすぐそいつの近くへと寄った。

 

「名前は?」

「狭霧 トワ♡ 狭い霧に永遠って書いてトワだよ♡ 君は?」

 

 声までエロ可愛い!!!

 

「聞いたことの無い家だな。俺は夜神 燈矢。一般出?」

「んっと、お母さんは見えるだけの一般人で、お父さんは有名な家の人っぽい。お母さん、夜の人で」

「だろうな! あっ いや、その、すげーありえないくらい可愛いなって。これで一般人はありえないっていうか」

 

 どう見ても母親似だな。色気ダダ漏れてんだろ。

 えっ このクラスとやれるって事? ちょっと勤めてるお店紹介して欲しい。

 才能ありすぎだろ。てっぺんとれるわ。

 

「え、そうかな? 私可愛い?」

「可愛い。アイドルより可愛いの初めて見たわ。自覚あるだろ」

「私、地味だからさ。可愛いって言われたの初めてだよ♡ 初めて貰われちゃった♡」

 

 あ、あざてー!!!!!!! こんなあざとい奴初めて!!!!

 

「嘘言うな。こんな死人が出るレベルの可愛さで自覚ないなんてないだろ」

「死人て♡ 君も格好いいよ♡ アイドルみたい♡」

 

 キャラキャラと笑う。可愛すぎか。可愛すぎか!!

 そこに、兄貴が近づいてくる。

 

「燈矢、どうした?」

「蒼矢。いや、こいつめっちゃ可愛いなって」

「ん? そうだね。よく見ると可愛い顔してる」

「よく見なくても可愛いだろ、目ん玉ついてんのか」

 

 俺は思わず食ってかかった。こんな可愛い奴他にいないだろ。

 地球でテッペン狙えるわ。

 

「嬉しいな♡ 私は狭霧 永遠♡ よろしく♡」

「狭霧 永遠……。中学三年生だっけ。名簿見て燈矢と同じ歳だなって思ってたんだ」

「あ、燈矢同い年なんだ♡ 学校行ったらよろしくね♡ いろいろ教えて♡」

「わかった」

 

 ほっそりとした手が差し出される。

 ぎゅっと握った。暖かい可愛い。

 

「学校行かないんじゃなかったの?」

「入学申請しておいて」

「ええ……。もう1週間後だよ」

「あいつの入学式見れないとかありえないから頑張って」

 

 兄貴に無理難題を押し付け、俺は未だかつてないほど依頼を張り切った。

 

「すっごぉい♡ 名家の人なのでしょ♡ さすがぁ♡ 格好いい♡」

「俺に任せろ!!!!!」

「ふむ。夜神家の次期当主の趣味は変わっているの」

「は? あんな可愛いのに応援されたら誰でも張り切るだろ」

 

 

 それから、任務があからさまに重なった。

 永遠で釣ろうとしてんのは丸わかりだったけど、それでも良かった。むしろ一緒にいれるからオールオッケーだった。

 

「変わってんなー。悪い奴じゃないけどさ。言うほど可愛いか?」

 

 会う人会う人、地味だっていう。髪色ピンクでこんなド派手なやつ他にいないだろ。脳みそ腐ってんのか。でも俺以外の奴、みんな言ってんだよなぁ。これが恋って奴なのだろうか。そんなバカな。魅了の術でも掛けられてんのか。いや、でも可愛い。ぜってー客観的に見ても可愛い。

 

 3年間はあっという間に過ぎた。

 永遠はイケメン好きだし、強い人が好きだし、情報通だと興味津々で話を聞いてくれる。俺は身だしなみにマナー以上に気合いを入れ、訓練と勉強を頑張った。

 

 永遠は勉強出来るし、強いし、大人だし、可愛いのに不思議なほど評価されない。

 俺があんまり褒めるもんだから、手出ししようとした馬鹿が萎えて手出しをやめるほどだ。

 

 そして、そんな人間が何人かいる事に気づいた。

 集中しないとわからないけれど、異様な美形が混じっている。

 どうやら、妙な呪いが蔓延しているらしい。美貌による好印象をフラットにする呪い。ただ、永遠の件でわかるように、護身に大いに貢献しているので、俺は黙っておく事にした。様子を見た感じ、彼らに何かを企む様子は見られないし。

 俺は永遠さえ側にいてくれれば良かった。

 

 

 

 

 

 

「好きだ、永遠」

 

 高校卒業まで、頑張って我慢したと思う。

 家の調整もして、婚約者を受け入れる代わりに男の側室を迎え入れる事も承諾させた。なのに。

 

「ごめんなさい! 私には燈矢は相応しくないよ」

 

 断られて、目の前が真っ暗になる。

 その上、兄貴に相談された。永遠にワンナイトして欲しいと強請られたが、どうする? と。同情に満ちた視線だった。俺は兄貴のお情けに縋った……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 永遠とは、ロマンチックなあれこれを想像してた。

 でも実際は兄貴との3Pだったし、ラブホでエッグいエッチだった。 

 兄貴からは、蕩けさせて惚れさせちゃえといろいろ房中術を教わってたのに、全然いかせなかった。俺は永遠の心を得られなかった……。

 ウジウジして、あいつのマンションの周りをウロウロして1週間。

 大人用オムツ買ってた時は、エロいと思いつつも、申し訳なく思った。

 今度は優しくしてあげよう……。

 

 ちょっとはお尻戻ったかなと思って、勇気を出して呼び出す事にする。

 えっちな本で勉強した。撮った写真をネタにすれば、永遠はおとなしく抱かれに来てくれるはずだ。ラブラブな恋人になるはずだったのに、スッゲー惨めだ……。何やってるんだろう、俺。

 

『月詠? もう動けなぁい、立てない……。お腹痛ぁい。漏らした。ドア開けんの無理ぃ。植木鉢の下に鍵入れてある……助けて♡』

 

 本当に具合悪そうな声。

 月詠とかいういつの間にか作ってた彼氏に腹を立てつつ、俺は即座にマンションに向かった。

 

 鍵を開けて中に入る。

 部屋は食事の後のゴミでいっぱいで、布団の中で永遠は震えていた。

 ダンボールの山? 赤ちゃん用品?

 そんなことはどうでもいい。永遠だ。頬を叩くが意識はない。

 すぐに救急車を呼ぶ。

 お腹が膨れている。なんかこの前のせいでお腹がおかしくなったのかも。

 

 救急車を呼んだ後、兄貴を頼る。

 

 救急車が来ると、顔立ちの整った少年が慌てて駆け寄ってきた。

 こいつが月詠か。顔立ちから剣城家っぽいな。あそこのジジイ、前に俺への嫌がらせで永遠に手を出そうとしてたな……。で、永遠と同じ呪い持ち、ねぇ? 殺すか。

 

「兄さん! 兄さんに何かあったんですか!?」

「月詠か? 永遠から聴いてる。俺は燈矢。お兄さんから具合悪いって電話が来て、助けに来たんだ」

「えっ その、僕は看病で呼ばれて。でも、大袈裟にするのは……」

「呪術関係の病院だから大丈夫。お兄さんから病状について何か聞いてる?」

 

 セーフだ。俺は月詠くんの肩に手を置き、優しく話しかけた。

 

「あの、救急車には帰ってもらいたいです。自分達でどうにかするので……。ただの栄養失調だと思うんです。ただの栄養失調です」

「素人判断は困りますね。栄養失調でもありますが、明らかにそれだけじゃありません。すぐに病院で検査を」

「え、えーと。帰ります!」

 

 そして、何故か月詠は逃げ帰った。月詠が永遠に何かしたのではないか。

 心配だったが、今は永遠が優先だ。俺は救急車に乗った。

 

 

 永遠は検査を受けた。

 しばらくして、バタバタして、術師の医師も呼ばれた。

 

「夜神様。あなた様にも見ていただきたく……」

「呪い?」

「の、一種かと思われますが、前例がなくて……」

「気づかなかったな、くそ。いいよ、見る。どうなってるの?」

「その、妊娠しているかと思われます。肉体もあるかと思われますので、本当に生まれるかと……。呪霊の子供でしょうか?」

「は?」

 

 頭の中に赤ちゃんのグッズがよぎる。

 すぐに永遠を見た。確かに、腹に違う呪力の塊がある。

 

「呪いではないね。両性具有とか? でもそういうのって、穴が二つあるものじゃないの?」

「調べてみます」

 

 それから、検査をする。

 

「結腸の手前に、弁がありますね。そこに子宮と似たような機能を持つ臓器があるようです。卵管のような物も見受けられます」

「みたことありますね、これ。マギカテラの人との交流の時にありました、こんな臓器」

「マギカテラ……? 天空都市マギカテラ?」

「はい。彼らは両性ですから」

 

 医師が大使館に連絡してくれる。

 

「やはり妊娠で間違いないそうです。妊娠期間は1ヶ月で、急速に胎児が大きくなるので、とにかく栄養を摂らせて欲しいそうです。出産後の胎児は地球の胎児より小さいですが、事前に十分に拡張をするか手術をするしかないそうです。再妊娠が可能となるまでは一年ほど掛かるらしいです」

「お尻から? いくら胎児が地球より小さいって言っても、そんな広がる?」

「お腹を切っても魔法で癒せるそうで……。出産直後から急速に成長するので、栄養剤の提供も申し出てくれました」

「永遠がマギカテラの……?」

 

 永遠の携帯のパスコードを知っていたため、そこから月詠に連絡する。

 月詠は諦めて会うのを承諾してくれた。妊娠については、相談を受けていたらしい。父親は間違いなく、俺達兄弟。

 そうか……そうか。

 

 永遠がマギカテラのスパイだった事はとりあえずいい。

 大事なのは一つだけ。

 

 永遠が俺の子を産むことだ。

 早速、永遠の家族を呼び出す。

 

 永遠のお母さんは美人だが、永遠ほどではなかったし髪の色が違った。

 お母さんは可愛い女の子という感じで、髪も普通に黒だ。

 月詠と刹那という永遠の弟2人は、やはり呪いを受けていた。

 一通り挨拶をして、説明を求める。

 

「私は、天空都市マギカテラと契約をして、子供の改造を受け入れました」

「改造?」

「魔力災害に向けて、呪力持ちの魔力受入実験はどうしても必要だったんです。その際に、両性にする処置もしています」

「へぇ。醜く見える呪いもマギカテラ? かなりいるよね」

「はい。魔力文明が選択されない場合、魔法使いの血が拡散されると困るので、それまで性行為をする事のないよう処置がされています。18歳になったら4月1日を境に解けるようになってます」

「ふぅん……。永遠もちゃんと話してくれれば良かったのに。お義母さん、俺も永遠と子供を作った以上は、しっかり責任を取ります。永遠は守るし、永遠の子は夜神家でちゃんと責任を持って育てます」

「そ、それはぁ……。永遠の選択に任せます」

「月詠くん、引っ越し手伝ってくれるかな」

「ひっ 兄さんの意向を全く考慮しないムーブ! ああまあ、従います……」

 

 当たり前だろ、逃すわけないだろ、子供だっているんだぞ。

 永遠の家族は赤ちゃんにあげる栄養剤などを持ってきてくれた。

 とても助かる。

 

 永遠は殆ど意識がない様子で、心配だ。

 食べては眠るを繰り返している。点滴と食事をさせつつ、拡張を続ける。

 その間にも家を説得する。

 家中の者は子供が兄貴の子かもしれないのと子供にどんな影響があるかわからないのもあり、兄貴と結婚させる事を推してきたが、俺は自らが娶ると説得した。

 俺が次期当主ではあるのだが、なかなか意見が通らない。不甲斐ない……。

 

 

 

 

 

 永遠が目覚めた。

 俺は再度振られた。

 永遠は俺のことが好きじゃないのか……?

 俺の顔、好きだって言ってくれたじゃん!

 

 とても辛い。

 

 そうこうしている間に4月1日が過ぎ、呪術界はちょっとした騒ぎになった。

 呪いが解けて、かなりの数の術師が実は美貌の持ち主と知れたり、姿を消したりしたのである。

 兄貴も完全に呪いを打ち破っていたわけではないらしく、永遠を見てびっくりしていた。

 なんと初日に性暴力未遂の事件が複数起きて、行方不明者はどっと増えた。

 マギカテラへの引き抜きである。永遠が動揺するから教えないけど。

 呪術界としては、かなりの数の術師がマギカテラに引き抜かれるようなもので、厳重に抗議をした。すると、依頼リストを渡せばマギカテラの方から呪霊退治に人員を派遣するという話となった。

 マギカテラは断固としてスカウトしたメンバーを守るとのこと。

 呪術界は絶対に呪術師の血を繋いでいかなければならない事、閉じられたコミュニティである事から、性暴力の被害者は多い。

 この宣言は、逆に守ってもらえない立場的に弱い術師達、そして性暴力をする側の強い立場の術師達、双方の顰蹙を買った。

 本来、美貌とその高い実力で注目を集めていただろう術師達は、出る杭が打たれるような事にはならなかった代わりに、認識阻害の影響を引きずり、軽んじられてしまった。

 かなりの数がスパイだったこと、それらが引き抜かれた弊害も決して小さなものではなく、ついに呪術界に残るマギカテラ関係者は永遠1人となった。

 赤ちゃんも産まれたので、永遠には色々と話してもらわなければならない。

 

 永遠は赤ちゃんに栄養を吸われて、げっそりしてしまってるので、ゆっくり静養して欲しいのだが……。

 赤ちゃんに初乳を与えさせて、あとは看護師さんに貰った栄養剤を与えるようにお願いし、永遠と話す事にした。永遠はやつれててもほんと可愛い。

 

 疲れた様子で、痩せた永遠に栄養ゼリーを与え、俺と永遠は並んでベッドに座った。




マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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https://odaibako.net/u/karin2022v
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