感謝してます。
腐っても勇者軍なのでまともないい子もいるかもしれない。
いないかもしれない。
「天空都市マギカテラって結局どうなの? 実験体になった事、お母さん恨んでる?」
「この髪、可愛いって言ってくれたよね。ピンク色」
私は髪を指差す。するとサラサラと髪を撫でられる。心地いい。
「うん、すげー可愛い」
「これをくれたのがマギカテラだよ? 憎むわけないだろ」
「そうなのか?」
「えっとね。私、可愛いだろ? 体だって細身だけど力あるだろ? 自分で言うのもだけど、頭だっていいだろ? 魔力って力も使える。男とも女とも恋愛できる体だし、認識阻害で大人になるまで守ってもらえる。天空都市に家だって貰えるし、日本円じゃないけど、実験協力費だって貰ってる。呪力強化については自信ないらしいけど……おかげで、燈矢みたいに凄い人に可愛いって言って貰える。感謝しかないよ」
「そっか。俺の事、嫌じゃない? だって振ったのに」
私は考えた。でも、だいたいばれてるのだし、燈矢を悲しませるのは本意ではない。正直に行こう。
「あのね。燈矢は一途で家庭的な人で。俺の任務には合わないかな」
「任務って?」
「私達、前世があるんだ。前世で、勇者軍として魔王を倒して、世界を救ってるの。ルーファって世界なんだけど」
「魔王を?」
「平和になったルーファは順当に発展して、体外魔力っていうのを操るようになって、勇者軍なんて問題ないくらい強くなった。ただ、魔力操作を機械に頼るようになって、魔力系統の能力が減って、社会問題化してるんだ。でも、魔力の素養をもう持ってる人間に魔力の素を埋め込むと拒否反応を起こすから、強い魔力の持ち主と交わらせてテコ入れするしかなくて。かといって、勇者軍をそのまま持って行ったら影響が大きすぎるから、バカンスぐらいがちょうど良くて」
そう、あくまでも孕み袋ではなくバカンスが主体なのだ。褒美なのだ。ただもうちょっと繁栄に手を貸してねってだけで。
「は?」
「こっちの世界では、ルーファが接近した事による強力な魔力災害を防ぐ為に、とりあえずこっちの世界に入りこんだ魔力を一つに固めて魔獣にして、それをぶちのめして穏やかに魔力を拡散させるか、なんとか取り除くかしないといけなくて、これに大勢の強力な魔法使い、つまり勇者軍が必要で、この世界には呪力っていう見えない力もあるからその調査と調整も必要で、これは腰を据えてかからないといけなくて。あっ ルーファの接近は女神様のせいじゃないからね。純然たる自然現象。銀河と銀河が衝突する事もあるみたいに、ニアミスしただけ」
「それって……」
燈矢が困惑する。
「女神様は、勇者軍をとりあえずこっちの呪力持ちに転生させて、魔力の素を胎児に埋め込んで、色々調整をして、大人になったらルーファでバカンスを楽しみつつ、一生懸命こちらの世界が平和になるようお仕事してね、ついでにルーファでいっぱい子作りしてね、こっちの世界でも魔法使い量産が決定したら、いっぱい子作りしてねって。とりあえず、魔法文明選択前に不用意に子供出来ないように地味だと思わせる認識阻害を掛けてもらってて」
「何だよそれ」
「母体になれば、強力な魔法使いを生み出せるし、女の子を孕ませれば、魔力の素養のない体でも産める程度の安全な量の魔法使い……弱めの魔法使いを孕ませられるし、とにかくお仕事しつつも楽しく子作りしてねってのが任務なんだけど」
「それマジで言ってる?」
「マジで言ってる。更に言えば、魔力は慣れ親しんでるけど呪力は全くノータッチで、どうなるかほんとわからなくて、だから魔法文明を選んでくれればいいなって思ってるし、それ前提で調査しちゃってる。魔力を全部消して魔法使いを穏便に絶滅させるって、難易度めちゃくちゃ高いし寂しいし大変だから、皆、魔力文明解禁の子作り解禁待ち望んでる。呪力って未知の物質をルーファに持ち込むわけにもいかないし」
「もう子作りしちゃったじゃん」
そうなんだよなぁ。
「私、初めては素敵な人がいいなぁって、魔法文明選択前にフライングで作っちゃって。今に至るんだ。だから、マギカテラは本当に世界平和の為の団体で、善意しかないんだよ。私の場合はフライングだから出てないけど、孕んだり孕ませたりする度に女神様から子供手当が出るし、魔王倒した褒賞も貰ってるし、魔獣退治すれば更に褒賞もらえるし、女神様にも、お家があって仲間の運営する天空都市マギカテラにも、産んでくれた母さんにも感謝しかないんだよ。むしろ弟達が魔力を持っちゃってるのが申し訳なく思うくらいで。魔力持ちは魔法文明選択されなかったら結婚しちゃダメになるからね」
「……。永遠は、魔法文明が認可されたら……いや。向こうの世界でバカンスするの?」
「当たり前だろ? ルーファってめちゃくちゃイケメン多いんだよ! 今世ではちょっと苦労したしさ、豪遊凄く興味ある! ハーレム作りたいし、イケメンと子作りエッチしたい!」
「俺がいるだろ!?」
「ま、魔法使いの血をばら撒くには遺伝情報の多彩さがですね」
「勇者いっぱいいるんだから、俺といっぱい作れば問題ないだろ!? 男側に回ると子供の魔力小さくなるなら、母体としていっぱい作った方がいいじゃん! 大体、女の子だって子供作ったら結婚しなきゃだろ!」
「そこは魔法の使える子供と天空都市の私が持つ家の権利と女神様から貰った褒賞で満足してもらってですね……。あっ 無理やりは女神様から禁じられてるから安心して欲しい!」
ぶっちゃけ養育費で済ませる気満々です。だって種をばら撒くのが使命だもの。というか、魔法使いが生まれるなら養育費なしでも良くない? 国が援助するでしょ。
「……というか、魔法文明を選択したら、その魔法の素とやらを配るのは駄目なのか?」
「そこに気づいてしまわれましたか……。でもまあ流石に高価だし、地球人全員分はないので、ある程度は繁殖で賄って欲しいらしい」
「はぁ。つまり、魔法文明を選べば、マギカテラの綺麗どころが抱き放題ということか?」
「抱き放題ではない。最悪、魔法の素を配るんで、こっち側も選択肢は欲しいかなと。勇者であって子作り機ではないので。まあ普通のお見合いと同じだよね。紹介されて面会して、片方が嫌がったら諦める」
「嫌がらなかったら子作りOKなの? 子供は? 僕と永遠の子はかなり強化されてるみたいだったけど、養育権は?」
「嫌がらないならOKだろ。養育は魔法文明さえGOサイン出てたなら、相手が求めたら相手が育てるのが通常処理のはず。そっちの方が面倒見てもらえそうだし。でも相手が求めない限り、普通は自分で育てるよ。それ(育児特化)系統の召喚魔法もあるし。」
「ありがとう。色々わかったから、病室に戻ろうか。君にも栄養剤があるんだ」
それから数日。
呪術界は急激にマギカテラを受け入れる方向で動いた。
エロは偉大である。
マシュマロ
https://marshmallow-qa.com/lucaluca
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