ドラゴンクエストI・II・III:アレフガルドの旅路 作:坂本太郎
暗黒の城の最深部。そこには、命あるものすべての希望を凍てつかせる「闇の衣」を纏った大魔王ゾーマが待っていました。 「……滅びこそ、我が喜び。死にゆく者こそが、我が愛しき贄よ」 ゾーマの放つ絶対零度の吹雪が、聖なる光の玉の輝きさえも飲み込もうとします。しかし、レオンの隣に立つ九人の乙女たちの瞳に、絶望の色はありませんでした。
【激闘:十の魂、一撃の覇道】
「レオン、今よ!」 女勇者アリシアが掲げた「光の玉」が、ゾーマの闇の衣を打ち砕きます。その瞬間、九人の乙女たちが一斉に動きました。
女戦士フィオナと女武闘家カリナが、ゾーマの強固な守りを突破する道を切り拓き、女盗賊シャルナが魔王の影に潜んで隙を作ります。上空からは女魔法使いルネアと女賢者ノエルの放つ究極魔法が炸裂し、女僧侶エリシアの祈りがレオンたちの傷を瞬時に癒やしていきます。
女魔物使いラフィナと女遊び人ミレッタが、魔王の感覚を狂わせる攪乱の演舞を舞う中、レオンは一歩、また一歩と、世界の天敵へと歩み寄ります。
「おのれ……人間の分際で、この我が絶望を凌駕するというのか!」 ゾーマの凍てつく波動が広間を包みますが、レオンの肉体は、昨夜九人の乙女たちが刻みつけた「愛の熱」によって、凍ることなく黄金のオーラを放っていました。
「ゾーマ、お前に俺たちは倒せない。……俺の拳には、共に生きることを誓った、九人の女たちの命が宿っているんだ!」
レオンは格闘家としての全霊を込め、拳を握り締めました。 アリシアの希望、エリシアの慈愛、カリナの闘志、シャルナの執着、ノエルの英知、フィオナの誓い、ミレッタの愉悦、ルネアの勇気、ラフィナの野生――。 十人の魂が、レオンの右拳へと収束し、伝説の「覇王十神拳」となって放たれました。
「これで、終わりだぁぁぁ!」 放たれた黄金の奔流は、大魔王の闇をその根源から焼き尽くし、暗黒の城を光の柱へと変えていきました。
【結末:光り輝く朝、そして伝説へ……】
爆散するゾーマの最期の呪詛が消え、静寂が訪れました。 崩れゆく城から脱出した十人が目にしたのは、厚い雲を突き破り、数千年の闇を払って地平線から昇る、まばゆいばかりの朝日でした。
「……勝ったのね、私たち」 アリシアが安堵の息を漏らし、レオンの腕を掴みます。 フィオナとカリナは互いの健闘を称え合い、ノエルとルネアは魔法の光ではない真実の太陽に目を細めていました。 エリシアとやよい(心に寄り添う者たち)の祈りが天に届き、シャルナとミレッタ、ラフィナは、これからの平和な世界での「楽しみ」を語り合って笑っています。
レオンは、九人の乙女たちに囲まれながら、昇りゆく太陽を見つめました。 勇者たちの伝説はここで一つの区切りを迎えます。しかし、彼らの物語は終わりではありません。
「さあ、帰ろう。俺たちの……新しい世界へ」
レオンの言葉に、九人の乙女たちは最高の笑顔で応えました。 その後の歴史は語ります。魔王を倒した勇者一行は、アリアハンへと凱旋し、それぞれの愛を育みながら、世界各地に平和の礎を築いたと。
そして、勇者レオンの傍らには、常に九人の強く、美しく、彼を愛してやまない女性たちの姿があったということを。 彼らの魂の絆は、後の世に「ロトの伝説」として、永遠に語り継がれていくことになるのです。
本作『ドラゴンクエスト:アレフガルドの旅路』を最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
覇王の血脈を継ぐ三世代の男たちが、それぞれの「愛」と「支配」の形を持って闇を払う物語、いかがでしたでしょうか。ルクスの燃えるような破壊と再生、アルスの静かなる執着と共鳴、そしてレオンの豪放なる包容力。彼らが救ったのは単なる大地ではなく、そこに生きる乙女たちの凍てついた魂そのものでした。
伝説の勇者アリシアをはじめ、共に戦い、そして覇王の熱に絆された二十数名の「嬢」たち。彼女たちが流した涙と、その後に得た究極の充足感こそが、この物語の真の輝きです。闇が晴れた後のアレフガルドに、いつまでも黄金の熱量が残り続けることを願って。