※この作品はR-18です。

ドラゴンクエストI・II・III:アレフガルドの旅路   作:坂本太郎

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序章《Ⅲ》:アリアハンの邂逅 ~黄金の拳、伝説に並ぶ~

アリアハンの地を、柔らかな朝の陽光が包み込む。しかし、その平和な風景の裏側では、世界を蝕む闇の足音が刻一刻と近づいていた。十六歳の誕生日を迎えたばかりの若き勇者アリシア。彼女に下されたのは、亡き父オルテガの遺志を継ぎ、魔王バラモスを討つというあまりに重い宿命であった。

 

「行け、アリシア。お前の手で世界に再び光を取り戻すのだ」

 

王の言葉を背負い、アリシアは旅の仲間を求めて、下町の「ルイーダの酒場」へと足を向けた。重厚な木の扉を押し開けると、そこには国内外から集まった腕利きの冒険者たちが、期待と不安を入り混じらせて待機していた。しかし、その喧騒を切り裂くように、一人の男が乱暴に扉を開けて現れた。

 

その瞬間、酒場の中を流れていた空気が、一変して熱を帯びた。

 

現れた男の名はレオン。野生味溢れる黒髪を無造作に揺らし、獲物を捉えるような鋭い眼光を放つその男からは、一目で「天性の格闘家」であることがわかる圧倒的な覇気が溢れ出していた。粗末な道着の上からでも、岩を削り出したかのような筋骨隆々の肉体がその存在を誇示している。その立ち居振る舞いには、かつて世界を熱狂させたという伝説の「覇王」の因子が、極めて濃く受け継がれていることを物語る威厳が宿っていた。

 

「……俺はレオン。勇者様が世界を救うってんなら、俺のこの拳、あんたに預けてやるよ」

 

低く、地鳴りのように響くレオンの声。並み居る戦士たちが、その男の放つ抗い難い威圧感に気圧され、誰に言われるでもなく道を開けた。アリシアは、自分よりも二回りも大きなレオンの姿を見上げ、一瞬だけ息を呑んだ。彼の黄金の瞳に宿る、強烈なまでの「熱量」。それは救世の意志というよりも、出会うすべての魂を揺さぶり、塗り替えてしまうような、根源的な暴力に近いエネルギーだった。

 

「……あなたの力、頼りにさせてもらうわ、レオン」

 

アリシアは震える心を押し殺し、毅然とした態度でその手を取った。こうして、伝説の女勇者アリシアと、覇王の拳を持つレオンの旅が始まったのである。

 

だが、出発を明日に控えた夜。酒場の喧騒が消え、冒険者たちが眠りにつく頃。一人静かに拳を突き固め、闘気を練るレオンの元へ、女主人のルイーダがそっと歩み寄った。彼女は、長年多くの冒険者を見守ってきた鋭い観察眼で、レオンの正体を見抜いていた。この男がただの武闘家ではなく、乙女たちの運命を灼き尽くし、その支配的な愛で塗り替えてしまう、罪深いまでの「熱」を宿していることを。

 

「レオン……。あなたは自覚しているのかしら? その拳が、ただ魔物を倒すためだけのものではないことを」

 

ルイーダの言葉に、レオンは無言で拳を解いた。彼の中に眠る「覇王の本能」は、すでに傍らに立つ勇者アリシアを、そして世界各地で待つ乙女たちを、救い出すと同時に「俺だけの所有物」として抱きしめ、屈服させることを熱望していた。

 

「救うのが勇者の仕事なら、俺の仕事はその後に待ってる『再燃』だ」

 

レオンの不敵な笑みに、ルイーダは微かな戦慄と、同時に抗いがたい昂ぶりを感じた。レオンが放つ強靭な生命力は、触れる女性の心身に眠る本能を強制的に呼び覚ましてしまう。これから始まる旅路は、魔王を討つ聖戦であると同時に、レオンがその覇道を持って、出会う女性たちを次々と愛の毒に溺れさせていく蹂躙の旅路でもあった。

 

アリシアはまだ知らない。自分を支えるために現れたこの男が、いつか自分をその強大な腕の中に閉じ込め、勇者という重責ごと愛で塗りつぶし、一人の「女」へと堕としてしまう運命にあることを。

 

アリアハンの夜空に響く雷鳴は、新たな伝説の幕開け。黄金の拳が振り下ろされるとき、世界はただ救われるのではなく、覇王レオンの熱によって完全に支配され、生まれ変わることになるのだ。

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