結論から言ってしまえば中間テストは無事、退学者を出さずに乗り越えた。
あくまで参考止まりだと思っていた過去問の問題がまさかそっくりそのまま出題されるとは思わなかったのか、テスト中にやや困惑気味な雰囲気になったものの難易度自体はガクッと下がったわけで。
全教科100点満点続出という不良品クラスとは思えない好成績を残す事が出来た。
原作では英語で赤点を取った須藤ですら82点という高得点を取っており、盛大なガッツポーズを決めていたのが印象的である。
「過去問様々だぜっ! これも全部櫛田ちゃんのお陰だな!!」
「いやいや、勉強会を主催した平田くんのおかげだって!!」
「とにかく、二人ともありがとう!! 流石Dクラスの顔役だよね!!」
中間テストの必勝法である過去問をクラスに配った櫛田さんや、勉強会を主催していた平田くんを褒め称える声がクラス中から沸き起こる。
「そう言えば松下さんも櫛田さんに協力してたんだっけ? ありがとー!」
「ホントホント。過去問無かったら退学してた奴とかいたかも知れないしね」
「千秋ちゃんサイコー!!」
そんな中にもチラホラと松下さんを評価する声が混じっている。
ぼっちである僕からすれば女子のクラスカーストなんて全く未知の世界ではあるけれど、少なくとも今回の大手柄もあって松下さんのクラス内での地位は少しは上がったようだった。
「……」
時たま、隣の席の堀北さんが松下さんと櫛田さん。それから無事に生き残った三馬鹿達に意味深な視線を送っていたのが、僕はちょっとだけ気になったけど。
「んっ……あっ……ふうっ……!」
すっかり見慣れた生徒指導室にやけに艶っぽい吐息の音が漏れている。
これが目の前の女性の口から零れていたなら格好がつくと言うのに、残念ながら声の発生源は僕だった。
声変わりを何処かに忘れて来たようなボーイソプラノが勝手に漏れでる。男が喘ぐだなんて気持悪いだけなのに、どうしても我慢が出来ない。
クチュクチュと水音が鳴る。身長差の関係で先生に見下される形で僕達は口付けを交わしている。
「んっ……んぁっ……」
前世から性交渉の経験はおろか、異性との交際経験も無い。初恋らしきものも明確に自覚した事が無かった僕と言えど、セックス以外にもしてみたい事は山程あった。
その中で最も興味があったのがキスだった。
「……舌先で軽く擽っただけだと言うのに何て顔をしてるんだ、お前」
「……ふぇ? あの、顔?」
互いの舌と舌が絡まり合い、やがて離れていく。
唾液の糸が橋のように伸びてやがてプツリと切れ落ちる。
僕を見下ろす茶柱先生の顔は相変わらずの冷めたものだったけど、心なしかその頬は色付いて見えた。
「チッ。生意気にも私を煽っているつもりか?」
「あの、ええと……んちゅっ!?」
何やら苛立った様子の茶柱先生に惚けたままに僕が小首を傾げた瞬間、まるで齧り付くかのような勢いで先生の朱唇が再び僕のソレと重なった。
肉厚の舌先がまるで槍のような勢い僕の口腔内に侵入したかと思えば、蛇のように這いずり回ってはあっというまに僕の中を蹂躙していく。
舌背が絡まり合って蕩け合い理性を溶かす様な卑猥な音が口内で鳴り響いては、エコーのように何度も何度も繰り返す。
「ふぅ……んぅっ……!」
自分の声とは思えないような無駄に甘ったるくて鼻にかかったような喘ぎが止められない。
唇と唇。舌と舌。肉と肉。それらが接触して絡まり合っているだけの筈なのに、まるで自分の舌が、口が、身体が。
それから脳の髄まで蕩けてしまうような酩酊感にも似たふわふわとした錯覚を覚える。
以前に味わった手淫のような直接的な快楽は無い。無いのだけれど、それ以上に胸の奥が満たされるようなウットリとした多幸感が湧き起こる。
先生の柔らかな唇がむにゅむにゅと形を変えては僕に吸い付く度に。その舌先がまるで捕食するかのように僕の口腔内を凌辱する度に。
まるで宙に浮いてしまったかのような幸福感と生々しい肉欲を煽る官能的な快感にすっかり夢中になっていた。
「……ふんっ。満足したか?」
何秒か。何分か。それとも何十分か。
貪るようにして僕の中を這い回っていたピンク色の舌を引き抜いた先生は、てらてらと滑るように唇を汚していた唾液を手で拭いながら頭を上げた。
吐き捨てる様な台詞から察せる程にその表情は無愛想なものだった。
けれど明らかに息は荒く、そして頬は赤い。何処となく目も潤んでみえた。
僕が味わった快感と幸福感の何十分の一とは言え、先生も共感したのでは無いか? そんな無粋な推測が浮かぶような、『女の顔』をしていた。
「全く……直接的な性処理を要求されるかと思えば、キスがしたいなどと要求された時は呆れたものだ。そんなにしたかったのか?」
「えぇと、はい。その……先生としたかったんです」
「……チッ」
甘い唾液と煙草の残り香を僕に残した先生は、何故か再び舌打ちすると目を逸らした。
ほんのりと汗ばんだ
下着の中でガチガチに反り返っている己の肉棒がますます硬度と熱を増していくのが分かった。
「あの、先生。できれば、そのぉ……」
「おい。まさかこれ以上要求する気か」
「ご、ごめんなさい。でも、かなり我慢してて、辛くて」
「欲深いエロガキが。また手で処理してやればいいのか?」
白い目で僕を見下ろす先生の圧にドギマギしつつ、以前味わった柔らかな手淫の快感を思い出す。
確かにアレは素晴らしかった。けれど叶うのならば、それ以上の快感を味わってみたい。
「あの、口で。とか、ダメですか? ……って痛っ!?」
恐る恐るリクエストをしてみた結果、帰って来たのは拳骨と怒りのお言葉だった。
「調子に乗るな。幾ら中間テストを退学者無しで乗り越えたとは言え、まだ0ポイントのままなんだぞ。キスと手コキ。それだけでも過分だろうが」
「ごっ、ごめんなさい」
僕は思わず身体を縮こませながら何度も頭を下げた。
ついさっきまで、ほんのりとした艷やかな熱に火照っていた先生の顔はすっかりいつもの色の無い侮蔑の表情に変わっていた。
「はぁ……期末だ。期末試験を無事に乗り越えたら成績次第で考えておいてやる」
「ほ、本当ですか?」
「あくまで考えるだけだ。退学者を出さないのは最低ライン。少なくとも平均点でCクラス以上の成績を取る事。条件はここら辺だな」
「それは……割と無茶な気もするんですけど」
今回の中間テストはDクラスが学年で一番の平均点を出した。だがそれはあくまで過去問ありきの話。
純粋な学力が問われる上に範囲難易度も上昇するであろう期末テストで他クラスを上回る好成績を出せるとは思えない。
「真白、お前が本気を出せば可能だろう。松下だったか? あいつみたいな駒を地道に増やして使えるモノ全てを使えば不可能では無いだろう。前にも言っただろう? 気持ちイイことをして欲しければ本気でAクラスを目指せ。とな」
ナチュラルに松下さんを駒扱いしている茶柱先生の畜生ぶりはともかく。
実は期末の前にイベントが控えている。原作知識を持っている僕にしか分かりようがない事だけど、月末になれば須藤の暴力事件が発生する。
「分かりました……頑張ってみます」
期末テスト云々ははっきり言って絶望的だけど、須藤事件を原作通りに解決すれば新たな『ご褒美』が貰えるかも知れない。
僕は内心でそんな期待をしながら、小さく頷いた。
「とは言え多少は飴をやらなければな……んっ……れろぉ……」
そう言うと先生は徐に自分の掌に舌を這わした。
「せっ、先生?」
「……んっ」
まるで僕に見せつけるようにして分厚い舌を右掌に押し付けていた先生は、やがて指先の一本一本を舐めしゃぶり始める。
口先から抜け出した先生の白い指の一本一本が蕩けるような唾液に塗れ、やがて舌先を這わせるようにして僕に見せ付けていく。
「うぅ……何で、急に?」
擬似的なフェラチオだ。指の一本一本を肉棒に見立てた口淫の模範演技。
クールビューティーな茶柱先生からは考えられない程の痴態と卑猥さに、僕は思わず情けない声を出しながら股間を隠すかのようにして前屈みになった。
「んっ、ふぅ……こんなものか。ほら、真白。お前の為に『穴』を用意してやったぞ?」
「あ、穴?」
皮膚がふやけるのでは無いか思う程にしとどと濡れた先生の右手は、確かに筒状の形を取っている。また手淫をしてくれるのだろうか?
「はっきり言って私がわざわざ手で処理するのも疲れるからな。手首が痛くなるし面倒だ。右手を貸してやるからお前が勝手に腰を振って処理しておけ」
「そっ、そんな!?」
先生のまさかの言葉に僕は思わず身を乗り出した。要するに先生は自分の右手を貸してやるからオナホールを使う様な要領で、僕自身でオナニーしろ。と言っている。
先生の手に向かって自分が腰を前後に動かしている様を想像する。あまりに無様だった。
「マゾのお前には粗末な扱いもご褒美みたいなものだろう? ほら、さっさと粗末なモノを出して勝手に腰をヘコヘコさせて気持ち良くなっていろ。それとも……文句があるのか? ならばこの穴は取り上げるが」
ニヤニヤと見下す視線を隠す事もなく、先生は僕の股間の前に添えていた右手をゆっくりと自身の方に戻していく。
僕は思わず、縋り付くようにして引き戻されていく彼女の腕を必死に掴んだ。
「つ、使います! じ、自分でシますから手だけでも貸して下さい!!」
「ふん。ならさっさと済ませろ。五分だけ穴を貸してやる」
先生の言葉にいそいそとスラックスのチャックを下ろした僕は、荒ぶるように勃起した己の陰茎を露出した。
捕食するようなディープキスの興奮のせいで、僕の肉棒はすっかりカウパーでどろどろになっている。
「あのっ。先生……挿れます、ね?」
「勝手にしろ」
僕の確認の声など知った事かとばかりに、先生は既に意識を他の事に向けていた。器用にも左手一つで携帯端末を弄っている。
性欲に支配された愚かな生徒の事など既に眼中に無いのだろう。
僕は改めて先生の『穴』を観察した。ほっそりとした指の内側が筒状になる事により、それぞれの節がぷっくりとした肉の塊になっている。
べっとりと唾液に塗れた肉の筒はてらてらと光沢を放ちながら、唾液と女性の香りが混ざり合った淫臭をこれでもかと放っている。
再び音を鳴らして嚥下した僕は先生の手首をもって『穴』を固定すると、ゆっくりと自身の陰茎を挿入した。
「うっ……あっ、凄っ」
柔らかくて温かい。以前に先生に処理して貰った時以上に、唾液のせいでヌメヌメとした感触が竿全体に纏わりつく。そんな極上の穴に肉棒を挿入した瞬間に、僕の理性は簡単に吹っ飛んだ。
気がついた時には、僕は両手で先生の右手首を必死に掴みながら、本能のままに腰を前後に振りまくっている。
「どうだ? 真白? お前の為に用意した穴の具合は?」
唾液でベトベトに濡れている先生の穴は生暖かくて滑りが良い。
柔らかな肉の毛布に包まれている様で肉棒が出入りする度にグチュッグチュッと淫猥なオノマトペを鳴らし、ますます僕の興奮を昂ぶらせてはくっきりと血管が浮き出ている肉竿の硬度を更に増していく。
「気持ち良い……凄く気持ちいいです、先生の中っ!!」
「中? 私は手で輪っかを作ってるだけだぞ? それなのにお前は馬鹿みたいに腰を振って……本当に浅ましいガキだな」
「ごめんなさいっ、でも気持良くてっ、止まらないんです!!」
まるで発情した犬のように無我夢中で先生の穴に向かって腰を前後する僕の姿は果たして、どれだけ浅ましく、惨めで、滑稽なのだろう。
端末を弄る事に飽きたのか。ようやく此方に視線を戻した先生は、僕の耳元で囁くようにして蔑みの声を落としていく。
「今のお前は最高に笑えるぞ真白。ただの右手を後生大事に抱えて、馬鹿の一つ覚えみたいに腰をヘコヘコヘコヘコ……まるで芸を覚えた猿みたいだ」
「ごめんなさいっ、ごめんなさいっ」
「なあ、解っているか? お前は今、猿以下の存在だと罵倒されてるんだぞ? にも関わらず何故まだ勃起させてる? 何故、腰を振る速度を上げている?」
冷酷な程に冷たい先生からの蔑みの言葉に脳が冷えていくけれど、それと反比例するかのように体温は上がり興奮は昂っていく。
「本当に気持ち悪いな、お前」
僕はハァハァと獣のように荒い息になりながら、ひたすらに穴に出し入れしては快感を貪った。
「全く、本当に度し難く理解出来ない存在だな……侮辱されて踏み躙られて、怒りを覚えるどころか、むしろ興奮する変態性癖。マゾ男というのは本当に気色が悪い。こんな変態が私のクラスの生徒だとは嘆かわしい限りだ」
「ごっ、ごめんなさい。先生っ、もうっ。もうっ」
「うん? あーもうイくのか? 相変わらず早漏だな。まあ、そろそろ五分経つから丁度良いな。ほら、早く
「うぁっ……イくっ。イくっ!!」
先生の冷たい言葉に苛まれ、昂る身体の熱に酔いしれながら。
僕は爆発するような勢いで射精した。
感想、高評価ありがとー!
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