2人のリザードマン♀と過ごすいちばん長い夜 作:4645 (ケモ系大量生産クリーチャー)
2人は翌朝一番に問題のリーダーを呼び出すと、用意しておいたカバーストーリーを打ち明けた。
昨日踏んでしまったトラップの正体は、一時的にEDになる呪いの煙であった…と。
「この呪いは、な…なるたけ欲情させると治りが早いらしいんだけど… あいにく女のメンバーがあたしとミルマ以外出払ってるから…」
「なのでその……!わ、私と…シャールさんがぁぁあ………!!!」
「落ち着いてミルマ… そう、ちょうどよく長期の待ち仕事が入ったから、その時間をうまく活用して早く治そうってことで」
「欲情…?
すまない、話が見えないんだが。つまりどういうことだ?」
「 「あ〜〜〜、その………コテージで待機する1ヶ月の間……ずっとあたし達とヤりまくるってわけ………」 です………っ」
◇◇◇
いい歳こいてモジモジしながら二人一緒にとんでもない事を言い放った瞬間、リーダーの顔が耳まで赤くなったのは見物だった。
そしてリーダーは「何」「なんだと」「どういうことだ」の3つのセリフを5秒以内にまくし立て、更に続けて参ったなと言わんばかりに天を仰いだ後、さすがに指揮官らしく高い切り替え能力で状況の反芻を10秒以内で終え、何かしらの覚悟を決めた漢の顔になると、私とミルマの顔を順番にじっくり眺め、最終的に満を持したようにもったいぶりながら、私たち2人に向けてこう発言した。
「………わかった。2時間後に詰所で会おう。」
硬い靴底の音を鳴らしながら、彼はきびきびとした所作で背中を向けると、そのまま曲がり角の向こうに消えてゆく。
わずか12文字の発言の裏には、意味不明な説明でも自分なりに何となく理解できているから今すぐ行動を起こしますよという報告の姿勢が。
つまりは
「しばらく放っておけば治りそうなインポぐらいで君達の手を煩わせる訳にはいかないよと言おうと思ったけど恐らく放置してはならない上に僕に知らせたくない理由が裏にあるのだろうから君達を信用するね」
という己の思考をこちらと共有する姿勢がハッキリと見て取れた。
説明不足とバッドコミュニケーションが問題の10割を占めるこの世界において、あまりにも美しいパーフェクトコミュニケーションである。
動いた空気によってふわりと鼻腔に届けられた彼の甘く爽やかな体臭を感じながら、女性ならではの察して貰えると嬉しい心を多少持っているシャールとミルマのトカゲちゃんシスターズはこう思った。
いつも話が早い……
さすが
…と。
◇◇◇
ということで3人でやってきたのは、とある湖畔にひっそりと佇む小さなコテージである。
その白塗りのログと緩やかな切妻の屋根は周囲の自然と調和しており、四つ割正方形の窓が可愛らしさをアピールしている。
水面を望むポーチには蚊帳代わりのレースが据え付けられており、初夏の涼風は通すが視線は受け付けない。
広々とした吹き抜けの屋内は印象深く、また開放感に優れており、外気に合わせて呼吸する木を基調とした誂えの香りが精神の安定を導くだろう。
なんと素晴らしい。
この世の夢のようなおうちである。
…建物と場所のクオリティに限って言えば。
実はこのコテージ、立地が本当に最悪なのである。
最寄りの人里まで徒歩4時間な他、隣の建物が3キロ先の対岸にある冬季にしか使われない釣り小屋なほどに。
よって、このコテージは金持ちの豪邸の衛星として存在しているのにも関わらず立地が悪すぎて持ち主すら用がないため、常に浮浪者対策として貸別荘に出されているのだ。
そしてその浮浪者対策の貸出先の小金持ちが、我らがリーダーの束ねる当団なのであった。
「立地は悪いが、安いし。福利厚生にいいかなと思ったんだ。」
…何年か前、リーダーが契約書を印籠のように見せびらかしながら、ちょっと照れた様子で発表した時のセリフである。
ほぼ座敷牢ながら、シンプルな無料休暇先として皆割と重用している。
普段は暇だ暇だと口々に嘆きながら数週間缶詰になるだけの、暇に飢えた戦士達御用達の極限虚無すぎ瞑想空間であったが、こと今回の用途においてはひと味もふた味も違う。
そう、ここはこれからひと月と1日もの間、めくるめく性愛を奏でる完全極秘プライベート淫魔殿と化すのだ。
◇◇◇
とはいえ。
今思えば事情が事情だけに普通に気まずい3人は、借りてきた猫の如くそろそろと全員静かに玄関ドアを潜った。
上質なカーペット敷きのフローリングの隅に着替え程度のしょうもない荷物を放り出した後、とりあえずの手洗いうがいを行い、皆で事前に示し合わせたように無言でリビングの四角いテーブルを囲むと、ほうと一息を付く。
そして訪れるのは誰も一言も喋らぬ地獄の無音空間である。
気まずい無言がポクポクと続く中、むっつりなミルマがおもむろに横目で2階の寝室に視線を送ってしまう。
それを普通に察知したリーダーとシャールも続くように2階の寝室を盗み見るが、ミルマを咎めるでもなく、同意するでもない、何とも言えぬ判断に困ったような眼差しを揃ってミルマに返送する。
ここまで未だ誰の発言もなく、ミルマは恥ずかしさのあまり俯いて湯気を出し始めてしまった。
そんな地獄の空気に対し、最初に根を上げたのは他でもないリーダーである。
「………で、どうしようか」
リーダーシップは健在であるが、彼は童貞なので、落ち着いてはいるものの単純に常識的な所作が分からず、困ることしか出来ない。
それはふたりの独身トカゲちゃんペアも同じことであり、揃って困った顔をしている。
「……とりあえず、エロいことをしなきゃいけない。」
シャールが二の矢を放つ。
「エッもう……!!?」
ミルマが変な声を出した。
「そう、だな。…たぶんそうなんだろう。
じゃあ…するぞ。エロいことを。」
リーダーなリーダーはオスらしく啖呵のようなものを切り、椅子を引いて立ち上がった。
…質の良い床は椅子の足を何の音も立てずに滑らせ、出来たばかりのなんとも言えない決意の雰囲気を邪魔しないことに成功する。
「んあ、ああ。わかったよ………」
「!ひゃいッ」
空気を作ってくれたリーダーのありがたい先陣に呼応する形で、残りのふたりも、片方は渋々にして、もう片方は弾かれるようにして席を立った。
注いだばかりのグラスから結露が1滴流れ落ち、氷が動いてカランと爽やかな音を立てる。
動き出すのだ。たった今から、何かしらが…
◇◇◇
ぱさり、と、リーダーの衣服の最後の1枚が床に落ちる音がした。
現れたのは芸術的な逆三角形細マッチョの軽歩兵的な肉体と、それに付属する蠱惑的な胸鎖乳突筋のラインであり、それに加えて忘れてはならないのが三本目の足に等しい驚異的な威容を誇る男性器である。
通常時からして異様にデカく、おそらく戦闘状態は20数cmを超えるであろう。
トカゲちゃんふたりはそんな強者オスの魅惑のソーセージに目を完全に釘付けにされてしまったらしく、深夜に突然車道に飛び出してきて意味もなく立ち止まった時の鹿のような顔をしながら、15畳の寝室の天蓋付きベッドの脇にて立ち尽くすばかり。
「すっっっっご…」
「あぇ………」
ショックに身を硬直させる2人。
しばらくの間、沈黙が場を支配すると同時に、女性を先に脱がせて不躾に観察する訳にはいかないだろうと先んじて脱衣したリーダーも流石に少し恥ずかしくなってしまうような、ピンク色の少し妙な空気が立ちこめ始める。
このひとつ屋根の下で唯一の男は、君達も何かしてくれと言わんばかりの悲しい子犬のような瞳を2人に向けることしか出来なかった。
「っ、な…なにかするのか?」
…遠くから水鳥が空へと羽ばたく音が聴こえる。
羽が水面を打つ音が静寂にさざなみを立てると同時に、珍しくミルマが3人の中で一番に口を開き、痛いほどうるさい支配的な静寂を引き裂いた。
「……はい
あの…触ってみても、いいですか?」
ミルマ、レプタイル系獣人の中でも先祖のドラゴンに近い始祖返りの彼女は、リーダーより頭3個分は背が高く、肩幅に至っては2倍近い広さを持つ。
そして普段から短槍を小枝のように扱いながら城門のようなタワーシールドを片手で引きずり回していることもあり、全身によく肉が乗っていて、有り体に言えば結構がっしりとした肉体の持ち主だ、
そんなグラマラスな彼女が大玉西瓜サイズの釣鐘おっぱいをずいと乗り出して迫ってくると、結構な威圧感があり、リーダーは仰け反りながら生返事を返すことになる。
「!あ、ああ…」
「…」
いつもより目が怖く見えるミルマは、無言のまま恐ろしげな爪の揃った竜人の指を哀れにも縮こまった男性器に伸ばすと、意外にも優しい手つきで触れ始めた。
握手をするかのごとく、亀頭を包み込むようにふわりと握り、特に扱くようなこともせず、彼女はただ意中の人間の生殖器を感じる。
「…あったかい、です」
リーダーは女性の指が初めて自分の秘所に触れていることにただ感じ入り、口を真一文字にきつく結んだままひたすらに緊張している。
「っあ、あたしもいいかな…?」
予想外に出遅れたシャールもおっとり刀で許可を申請し、すぐに返事を待たずにスキンシップを始める。
ミルマも無言で応じ、空気を読んでパッと離れた。
「へえ……」
ミルマよりも細い指で、ソレの全周をしゅりしゅりと撫で回してみるシャール。
靱やかな女性の指が男のモノの上を滑る音が静寂にノイズを添加する。
「ッあ、たっ、その、勃ってしまうんだがッ」
辛抱ならないという様子で突然素っ頓狂な声をあげたリーダー。
しかしここに来ている理由を脳内で参照すれば、それに対する回答は容易に予測できるものとなった。
「………してよ。何が問題なの?」
「むしろ、私は勃起してほしいです。
………私たちでしてくれるのなら。」
「………!」
拗ねたような、ちょっとだけメンヘラっぽい声色の年上の女性達が、服を脱いだ己の目の前で、自分に対して早く勃起しろと囁く。
童貞にとってこの状況は、まさに大蛇の巣穴に放り込まれたネズミのようであった。
場の空気は急速に妖しげな香りを纏い始める…