20XX年。精液を美肌のために利用できることがわかり、精液美容が一般的になっていた。実証されている内容は主に三つで、中年男性の精液が明確に効果があること、血縁関係のない人の精液でないと効果はないこと、同じ人の精液は効果が薄れていくこと、だった。実情としては、精液は鮮度が落ちるのが早いため、インターネット等での販売には向かないこと、企業の商品は高額であること、偽物が溢れていることなどから、女性は直接的な採取を望むようになっていた。
夕方、男は何気なく駅前の壁際に立ってスマホを見ているふりをしながら、視線を感じていた。しばらくしてから、制服姿の女の子が一人、静かに近づいて小さく声をかけてきた。
「……あの、すみません……S、してますか……?」
清楚なとても可愛い女の子だった。おそらく高校生だろう。男はスマホを下げて微笑み、小声で答えた。
「うん、してるよ。したい?」
「……はい。でもお金は出せなくて……その代わり、こちらがちゃんと手でしますので……それではダメでしょうか……?」
こういう子は多いので、男にとっては慣れたものだった。
「ん〜……みんな欲しがってるから、それだとちょっと足りないかな。ごめんね」
余裕のある笑みで、謝った。女の子は少し戸惑ったあと、
「……う~……じゃ、じゃあ……あの……うぅ…………あの……えっち、一回だけ……で、どうですか……?」
と、恥じらい、照れながら言った。男はそういう言葉を待っていた。
「ん~……うん、それならいいよ」
悩んだふりをしてから、にこと微笑んで頷いた。
「そ、その代わり、おじさんのが出なくなったら、の話です……だから、出なくなるまでは、手で、です……どうですか……?」
こういう提案もよくあることだった。女性からしてみれば、できるだけ採取したいのだ。
「出なくなるまで、かぁ……なるほど…………ん~、まぁそれでいいよ。ただ……エッチは生でいいよね?」
男は悩んだふりをして楽しみながら、女の子の目を見て答えた。
「えっ!……」
女の子は目を大きくして驚いた。
「だって出ないんだから、妊娠の心配ないでしょ?」
「…………でも……」
女の子は俯いた。
「……じゃあ、やめとく……?」
「…………いえ……それで……いいです……」
女の子は顔を上げ、少し不服そうにしながらも答えた。
「オーケー。交渉成立だね。じゃあ行こうか。ホテル、どこでもいい?」
「はい……お任せします……」
男と女の子は、近くのホテルへと入った。
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