※この作品はR-18です。

学園一の美少女は、キモデブの俺から絶対に離れない【完結】   作:ドン・ドナシアン

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025 お前はいい仕事をした。ありがとう

「……そこ、当たってる。少しだけ……後ろ、ずれてる」

 

 真白がわずかに顎を引いたまま言った。

 大悟の手は、股縄の位置を探ったまま止まっている。頭では手順をちゃんとなぞれているのだ。だが実際に通そうとすると、わずか数ミリの違いで意味が変わるようだ。

 どこに置けばいいのか、決めきれない。

 大悟は指で自分の額に浮かんだ汗を拭いた。

 

「だから言ったろ。股縄は難しいって。初心者がいきなりうまくいくかい」

 

 ユイが横から低く言う。

 

「……余計なのはいらない。お前は、教えるのが役目……」

 

 真白が眼を細めてユイを睨む。

 その真白は、すでに後手縛りの状態だ。

 ブラウスは完全に前が開き、白いブラが隠れずに露出していた。その上から通された縄は、胸の上と下を正確になぞり、布越しでもわかる輪郭を際立たせている。

 首元には縄が一周だけ掛けられて、添えるように固定されている。

 両腕は背中で完全にまとめられていた。肘から上腕にかけて身体に沿わせて固定されており、逃げ場はなく、わずかな動きも許されない。それでも形は崩れていない。むしろ、その拘束がそのまま身体の線を強調していた。

 

 いまは、さらに股縄を施そうとしている最中だ。

 腰に縄を回して、細く括れた部分に沿ってしっかりと締めた。そこを基点として、下へ落ちる瘤縄の位置を調整しているところだった。

 わずか数ミリの違いで、意味が変わるということは、すでに実感している。

 真白の負担にならないように、素早く位置決めをしたいのだが、すでに十回以上は縄瘤を解いては、作り直すということを繰り返している。

 何度も縄を当てられては、やり直しを受けている真白は、小さな震えがとまらなくなってきていた。 

 それでも、姿勢は崩さない。

 真白は声をかけ続け、大悟の縄を誘導してくれる。

 

 位置を探るために、大悟は、もう数え切れないくらいに、白い下着の上から、何度も位置を探る指先を股間に触れさせていた。

 そのたびに、股間の布がわずかに押し込まれ、形を変える。触れ方は一定ではない。外れ、戻り、また当たる。その繰り返しが続いていた。

 

 真白の呼吸が、その都度ほんの一拍だけ浅くなる。

 肌はうっすらと赤みを帯び、首筋から鎖骨にかけて細かな汗が浮いていた。熱が内側にこもり、逃げ場を失っている。

 

 そして、白い布の中心に、いつの間にか、わずかに色の変わった部分ができていた。

 最初から小さくはあった。

 だが、股縄に挑戦を始めてから、明らかに広がっている。

 そのため、指先に伝わる感触もわずかに変わってくるし、縄のずれも微妙に違ってくる感覚がある。

 縄を軽く当てたまま、指で押さえる。布越しに伝わる位置を探る。

 

 ほんの少し上か……?

 いや違う。さっきよりは近いが、まだ決まらない。

 

「まだだ。そこで決めるな」

 

 ユイの声が重なる。

 大悟は反射的に力を抜いた。縄は当てたまま動かさない。位置だけを詰める。

 指で押さえた部分に、わずかな抵抗が返る。布が押し込まれ、そのまま形を変える。

 

「んっ」

 

 その直後、真白の呼吸が一度だけ浅くなる。すぐに整う。

 

「……もう少しだけ上……。ほんの少しでいい……」

 

 声は変わらない。冷静な指示だけが落ちる。

 大悟は視線を落としたまま、縄をわずかに持ち上げる。今度は、確かに近い位置に入った。だが、ここから引けば、またずれる。

 

「……今度……いい感じ。三つとも……当たっている」

 

 真白の声は変わらない。しかし、切なそうな吐息が混じっている。

 視線も揺れない。でも、見上げると、わずかに目尻が下がり、薄らと眼に潤いを帯びていた。

 大悟は指に力を込めた。縄と布とをまとめて固定する。

 逃がさない。その状態で、ようやく次の一手に入る準備が整った。

 

「よし──締め付けだ。そのまま瘤は動かすなよ。締めつけは効くところを探れ。こればかりは、相手次第で全部変わる」

 

 ユイが真剣な口調で声を掛ける。

 

「……俺は真白のちょうどよさだけ知れればいい」

 

 大悟は、それだけ言って、また視線を落とす。

 指で押さえていた縄に、ゆっくりと力を込めていく。

 

「……大丈夫。ちゃんと誘導する……」

 

 真白がわずかに息を整えながら言った。

 視線は揺れない。呼吸もすぐに元のリズムに戻る。下着の染みは拡大し、震えも残っている。それでも身体の奥で起きている変化を外には一切出さないまま、ただ大悟を見ている。

 

「ユイ、説明。どのくらい締めればいいのか……。あたしが大悟に伝える」

 

「ああ、いいよ……。締めすぎず、固定になるくらい。でも、緩ければ意味がない。そんな感じだ」

 

 短く、それだけ言う。

 大悟は、徐々に縦縄を引いていく。

 一気にはいかない。ほんのわずかに、様子を見るように……。

 布越しに伝わる感触が変わる。さっきまで曖昧だった位置が、はっきりと輪郭を持ち始める。

 真白の呼吸が、一瞬だけ止まる。

 

「……んんっ」

 

 小さく真白の息が詰まる。

 だが、すぐに戻る。

 

「……まだ少し弱い……と思う……」

 

 声は崩れない。

 大悟は、さらにわずかに引いた。

 今度は、確かに“当たっている”。指先にその感覚が伝わる。

 

 位置もずれていない。

 はっきりとわかった。

 これが、真白の丁度よさだ──。

 

 その瞬間──。

 

「……っ、そこっ――」

 

 真白の声が一度だけ強く出る。

 同時に、肩がわずかに震える。

 

「ああ、わかっている……。ここだ」

 

 大悟はそのまま止めた。

 それ以上は引かない。

 

 この位置、この強さ。

 いまの状態が、そのまま“正解”だとわかる。

 そのまま、素早く縄を留める。

 ほどけないように、確実に固定した。

 最後に軽く全体を引いて、ずれがないことを確認する。

 

 形は崩れていない。

 当たりも変わらない。

 完全に決まった。

 

「……よし」

 

 小さく呟く。

 真白も、そのままの姿勢で息を吐いた。

 わずかに肩が落ちる。

 だが、それだけだ。

 

「……いい……。ちゃんと……来てる……。大悟……上手……」

 

 声は最初と同じまま、静かに落ちた。

 

「……まあ、初めてにしては上出来だな」

 

 横で、ユイが一度だけ鼻で笑う。

 

「……当たり前。大悟は上手」

 

 真白がわずかに息を残したまま言った。

 視線は揺れない。だが、口調にははっきりとした自慢のような響きが浮かんでいる。

 

「わかった、わかった。だけど、お姫様は大悟のことになると本当に面白いな」

 

 ユイが軽く肩をすくめる。

 首に提げていたカメラを持ち上げ、そのまま構えた。

 撮影は途中で止まっていた。顔の上半分に付けていた白い仮面も外され、椅子の上に置かれている。

 

「なにが面白い?」

 

「全部だよ。あんたみたいな大美人が、そのきもダイに夢中なとこ」

 

「当然。あたしは大悟の妻」

 

 真白は迷いなく言い切る。

 

「はいはい。じゃあ、続き行くぞ。仮面つけてくれ。最後の一枚──囚われの令嬢が快感と服従に染まるところだ」

 

 ユイがレンズ越しに言う。

 真白が小さく頷く。

 そのまま身体を反転させて椅子へ向かう。後手に縛られたままの姿勢で、ゆっくりと歩を進める。

 大悟は、後手縛りの真白に仮面を嵌めてやるために、椅子に手を伸ばした。

 

「……っ、あ……」

 

 突然に、真白の動きが止まった。

 次の瞬間、膝がわずかに崩れた。

 

「あ、ああ……」

 

 身体を支えきれず、その場にしゃがみ込みかける。

 

「おっと」

 

 大悟は反射的に手を伸ばし、真白の身体を抱えた。

 柔らか乳房の感覚が大悟の手に伝わる。

 

「だ、だめっ」

 

 真白の声が崩れる。

 

 腰が引ける。だが、逃げきれていない。

 後手に縛られた身体は、その場に留まったまま、わずかに揺れるだけだ。

 

「触るな、きもダイ──離れろ──」

 

 ユイの声が飛ぶ。

 大悟は反射的に手を離し、一歩引いた。

 

 だが、視線は真白から外れない。

 外せるわけがない。

 

 滅多に見せない真白の余裕のない姿──。

 呼吸が乱れ、整えようとしているのに、追いついていない真白──。

 さっき決めた縄瘤の位置と、あの強さが、そのまま真白を追い詰めているのだ。

 

 真白が歩こうとして、止まる。

 動こうとして動けない──。

 一歩踏み出して、真白の身体が遅れる。滲んでいた汗がさらに一気に全身から噴きだした。

 同時に、表情が大きく歪む。

 

 ──効いている。

 どこに当たっているかも、どのくらいの強さかも、さっきまでよりはっきりわかる。

 指先に残っていた感触と、目の前の真白の反応が繋がる。

 いつの間にか大量に口の中に溜まっていた生唾を飲み込む。

 

「きもダイ──首輪だ。仮面と首環、つけろ──急げ」

 

 ユイが叫ぶ。

 大悟は、なにも言わないまま頷いた。

 椅子の上の仮面を取り、真白の顔に当てる。

 ずれないように固定し、さらに、真白の細い首に首環を嵌める。

 金具の音が小さく鳴る。

 

 大悟は視線を落とす。

 床に垂れている首環の紐を見た。

 

 それを掴む。

 少しだけ、引く。

 

「……んんっ」

 

 真白の身体が、その場で止まる。

 もう一度、引く。

 

 今度は、わずかに前に出る。

 だが足取りが揃わない。

 

 一歩……一歩……。

 遅れて、反応が来る。

 

「……ああ……」

 

 真白の口から喘ぎ声が漏れる。

 大悟は、そのまま紐を引いて歩き出す。

 強くではない。

 ゆっくりとだ。

 

 だが、止めない。

 いまの追い詰められている真白を歩かせる。

 

「どうした、真白?」

 

 視線を真白に落としたまま、大悟は声だけを出す。

 

「な、なんでも……あっ、ああ……」

 

 歩くたびに真白に前につまずくような仕草になる。

 だが、大悟は敢えて速度は落とさない。

 いや、もっと真白が苦悶する姿を見たくて、さらに速度をあげた。

 

「んああっ、ああ」

 

 真白が歩きながらぶるぶると震えて、全身を突っ張らせる。

 

「歩けないのか?」

 

 大悟は素知らぬ口調で紐を引く。椅子の周りを歩かせる。

 真白の身体が揺れる。

 次の一歩が、どんどんと遅れる。

 

「……あ、ああっ」

 

 声が漏れる。

 理由はわかっている。

 それでも、大悟は止めない。

 

 紐を引く。

 真白の身体が、前へ出る。

 

 その動きに合わせて、また反応が遅れて出る。

 歩くたびに、同じことが繰り返される。

 ふらつく足取りを、そのまま引く。

 

「言え、真白──。どうして、歩けない?」

 

 短く言う。

 真白の全身を目掛けて、嵐のようなシャッター音が重なる。

 

「だ、大悟──」

 

 真白はついにその場にしゃがみ込んでしまった。

 シャッター音が響く。

 その全部を見ながら、大悟は紐を握ったまま離さなかった。

 しばらく、ユイが真白の周りを移動しながら、撮影を続けていく。

 やがて、やっとカメラをおろして、顔をあげた。

 

「いやあ、最高だよ。いい写真が撮れた。ご苦労さん」

 

 ユイが満足そうに言った。

 真白はその場に蹲ったまま、肩で息をしている。 

 呼吸は荒い。整えようとしているが、すぐには戻らない。

 しばらくしてから、ゆっくりと顔を上げた。

 

「……そう……。じゃあ、終わり……。ありがとう……。お前はいい仕事した」

 

 前髪が汗で額に張り付いている。視線だけがまっすぐにこちらを捉えている。

 その顔に、大悟は一瞬言葉を失った。

 

 可愛くて……とんでもなく美少女で……そして、途方もなくエッチで……。それが大悟の恋人……妻……。その真白を好きなようにしていい……。いや、実際にしている。

 こんな相手を、さっきまで思い通りに扱っていいのだ。

 その事実が、遅れて身体に戻ってくる。

 自分の幸運を改めて思い知る。

 

「ああ、お姫様もな」

 

 ユイはにこにこしている。

 真白が足を踏ん張るようにして、緊縛の格好のままゆっくりと立つ。立ち上がる動きにわずかな遅れが出ている。股間の縄が喰い込み、内腿がかすかに震える。

 足を揃えるまでに、ほんの一拍かかる。

 

「じゃあ、最後に写真チェックだ。投稿していい写真を決めるから、パソコンの前に来てくれ」

 

 ユイがカメラを手に持って部屋の隅のテーブルへ歩いていく。

 ノートパソコンを開き、ケーブルを差し込んだ。

 

「その必要はない」

 

 真白が言った。

 

「おっ、そうかい? 全部、お任せでいいのかい。まあ、一応チェックしなよ。仮面で隠しているとはいえ、ネットに写真を出せば、永遠に残るんだ」

 

 ユイがパソコンを操作しながら言った。

 

「どんな写真も許可なんかしない。世間に出したら訴える」

 

 淡々とした声だった。

 大悟は思わず顔を上げる。

 

 聞き間違い……かと思ったが、違うみたいだ。真白の口調に迷いはない。

 一方で、ユイは言葉の意味が頭に浸透するのに時間がかかったのか、少し反応が遅れた。

 ややあって、がばりと顔をあげた。

 

「……はあっ、どういうことだよ──。投稿していいって、言っただろう」

 

 ユイが怒鳴る。

 

「言ったけど、それは大悟に緊縛を教えてもらうための方便」

 

 真白は迷いなく言い切る。

 

「方便──?」

 

「……当たり前。あたしは大悟のもの。縛られた姿なんて、赤の他人に見せるわけない」

 

 その声が静かに部屋に落ちた。

 

「は、はああっ」

 

 ユイの眼と口が大きく開いたまま止まった。

 

「お前はいい仕事をした。ありがとう。大悟も満足してくれた」

 

 真白は表情を整えたまま、淡々とした口調で言った。

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