学園一の美少女は、キモデブの俺から絶対に離れない 作:ドン・ドナシアン
近くで鳥が忙しなく鳴いていた。
公園に着いたのは、午後六時を少し回った頃だった。
六月上旬ともなれば、いまの時間はまだ西日が明るい。
真白は夏制服の白いブラウスの上に、体操服のジャージを羽織っていた。
ここは住宅街の外れにある、少し古びた森林公園だった。
大悟は以前から、この公園の様子を確かめていた。
遊具は入口付近に集まっており、そこでは小さな子供たちが遊んでいることもある。しかし、奥に進むと遊具はなく、背の高い樹木が立ち並ぶばかりだった。
また、すぐ近くには整備された河川敷があり、散歩やジョギングをする人のほとんどは、そちらを利用している。わざわざ、この公園の奥までやってくる者は少ない。
大悟は何度か足を運び、夕方になっても、この辺りにはほとんど人通りがないことを確認していた。
もちろん、誰も来ないという保証はない。
つまりは、二人で〈ごっこ遊び〉をするには、都合のよい場所だということだ。
「ジャージをこっちに渡せよ」
大悟は周囲に人の気配がないことを確かめると、真白を促した。
真白は小さく頷くと、無言のままジャージの袖から腕を抜く。そして、脱いだジャージを大悟に差し出してくる。
「……はい」
「ああ」
大悟はジャージを受け取った。
二人分の学園の鞄と荷物は、すべて大悟が持っている。そのうちの真白のトートバッグに、受け取ったジャージを丸めて押し込んだ。
ふと顔を上げると、真白がじっとこちらを見ていた。両手で自分を抱きしめるようにして胸を隠している。
目が合った途端、真白かをすっと視線を逸らす。
「……どうした?」
「……恥ずかしい……」
真白の頬はほんのり赤くなっていた。
大悟は思わず口元を緩めた。
……まったく、わかりやすい奴だ。
普段はあれほど堂々としているくせに、こういうときだけ妙に、気が弱くなったような雰囲気になる。
もっとも、そんな真白の顔を見られるのは、大悟くらいのものだろう。
「そうか……、まあ、仕方ないよな。お仕置きだしな。でも、どうしても無理だったら、そう言え。すぐに中止するから」
大悟は静かな口調で言った。
そして、じっと真白を見る。
しばらくは、なにも言わない。ただ見るだけだ。
だんだんと、真白が落ち着かないように脚をもじつかせだした。午後から真白はトイレに行っていない。その真白に大悟は学園を出る前に、さらに一リットルの水を飲ませていた。
そろそろ尿意が切迫してきているのかもしれない。ただ、それだけじゃないだろう。真白は大悟の与える沈黙に、動揺を覚えているのだと思う。
しかし、まだだ。
大悟は、真白を見続ける。
相変わらず、鳥はやかましく鳴き続けている。
もっとも、大悟だって、余裕があるわけではなかった。
でも、真白と〈ごっこ遊び〉をするとき、大悟はいつも自信たっぷりに振る舞うようにしている。
そうしなければ、真白が不安になってしまうからだ。
実際には自信などあるはずもない。
なにしろ、相手はあの真白だ。
学園一の美少女と呼ばれ、誰もが憧れる真白──。その真白が、大悟の言葉を信じ、普段は決して見せない顔を見せてくれる。
そんな真白を前にすると、いまだに心臓が破れそうなほど鼓動が激しくなる。口の中も喉も、からからになってしまう。
それでも、大悟は平然としているふりをする。
自分が戸惑えば、真白まで戸惑ってしまう。だから、少なくとも真白の前では、迷っているところを見せない。
最初の頃は、それこそぎこちなかった。
なにを言えばいいのか、どう振る舞えばいいのか。自分でもわからないまま、必死に背伸びをしていたように思う。
しかし、真白の夫となり、二人で過ごす時間が増えるにつれて、そんな振る舞いにも少しずつ慣れてきた。
真白もまた、以前より素直に気持ちを伝えてくれるようになった気がする。
そして、大悟にも、ひとつわかってきたことがある。
真白は、ただ大悟に合わせてくれているだけではないらしい。
もちろん、大悟が望むから付き合ってくれている部分もあるのだろう。しかし、真白自身も、二人だけの時間を楽しみにしている。それは、普段の何気ない言葉や仕草からも感じられるようになっていた。
大悟と同じように、真白もまた、淫らで好色の度合いが強いのだ。
……結局、似た者夫婦なのかもしれないな……。
大悟はそんなことを考え、思わず苦笑した。
もっとも、大悟にとっては真白だけであり、真白にとっても大悟だけなのだろう。
少なくとも、そのことだけは、疑う余地がない。
「……中止……しなくていい……。お仕置き……だし……」
真白が俯いたまま言う。まだ、真白の両手は、自分の胸を抱くように身体の前に置かれている。
「わかった、でも無理なときは、“参った”と言え……。命令だ」
「……命令……。わかった」
真白は、“命令”という言葉を付ければ、どんなに不満でも大悟には逆らわない。そう決めているようだ。だから、これでいい。
「よし。じゃあ、手をおろせよ……。命令だ」
大悟は言った。
真白の身体はびくりと跳ねる。
しかし、その両手が静かに身体の横におりた。
陽はまだ高い。樹木が生い茂る公園の小径にも、昼間と変わらない明るさが残っていた。
大悟は真白の正面に立ち、改めてじっくりその姿を眺めた。
ジャージを脱がせた真白は、上半身に白いブラウスだけを身につけていた。大悟は学園を出る前に、ブラジャーだけでなく、インナーも脱がせて素肌に直接ブラウスを身につけさせていた。
そのため、薄い夏用のブラウスは、真白の乳房の線を隠しようもなく浮き立たせて、ぷくりと淫らに膨れた乳首の所在も際立たせている。
スカートは、腰の部分を数回折らせて、いつもより十センチ以上短くさせた。
やはりスカートの中は、下着もスパッツも脱がせている。それらは、すべて真白のトートバッグの中だ。
その短くしたスカートの裾からは、垂れ落ちて膝まで伝っている愛液が見えている。
真白はそれを恥ずかしがって、懸命に脚を摺り合わせて隠そうとしているのだ。
「……いやらしい格好だね」
「うう……大悟の意地悪……」
真白が俯かせていた顔をわずかにあげ、上目遣いに大悟を睨んできた。
ここまで辿り着くのも大変だったろう。
それでも、真白は、周囲から不自然に見えない程度に、大悟の腕にしがみつくようにしながら、懸命に歩いてきた。
その結果がこれだ。
「……でも、想像以上にエッチな顔をしているよ。じゃあ、真白が参ったと言うまで、散歩と行こうか……。しばらく、歩いてみて」
大悟はポケットからスマホを取り出すと、真白に装着させている淫具に信号を送った。
「ひあっ、ああっ……」
真白の身体がびくっと震えて、鋭い悲鳴が噴きこぼれた。送ったのは、花芯に挿入されているディルドが高速度で蠕動を開始する信号だ。
真白に装着させているのは、大人の玩具である。
それは以前にも使ったことのある、振動機能を備えた器具の改良版だった。
T字型をした革ベルトだ。
革ベルトの内側には二本のディルドがあって、花芯とアナルに挿入させているのだ。それだけでなく、内側の面に卵形の突起がしっかりと真白のクリトリスに当たってもいる。
ベルトは自分で留められるものの、いったんロックが掛かると、所定の電子操作を行わなければ解除できない仕組みになっている。やはり、学園で装着させて、ここまで連れてきたのだ。
最大の改良点は二点だ。まずは、革ベルトの内側の一部が網状になっていて、愛液がベルトで阻めない構造になっていることである。さらに、股間に挿入しているディルドもまた、膣から愛液を内側に集めて、空洞になっている中心部を伝って、根元の穴から下に垂れ落ちる特殊構造になっていた。
そのため、真白の内腿にはねっとりと愛液が垂れていて、膝まで届いているのだ。
ここまでやってくるあいだは、一度も振動はさせていないが、淫具が暴れだしたことで、さすがの真白も動けなくなったようだ。
両手をスカートの上に置いて、そのまましゃがみ込んでしまった。
「どうした、真白? もうやめるか? とっても残念だけど、それでもいいよ。ただ、“参った”と言うだけだ。お仕置きになってなくて、とっても残念だけどね」
大悟はわざと言った。
真白が真っ赤な顔で歯を喰いしばるような仕草になる。
そして、両手を膝に置くような格好で腰をあげる。
大悟は、振動を止めてあげた。
やっと、真白がまっすぐに立ちあがった。
「言わない……」
すでに、真白は涙目だ。
その足元も、どこかおぼつかない。
大悟は、今度はクリトリスに当たっている球体を振動させた。
「ひゃん」
真白は、可愛い悲鳴をあげて、またもや、その場にしゃがみ込んでしまった。
大悟は、振動を止めた。
しかし、今度はなかなか立ち上がらない。
しゃがんだまま、身体を小刻みに震わせている。
「どうした? もう参ったか?」
「ち、違う……」
真白が真っ赤な顔のまま首を横に振る。
「じゃあ、立つんだ。お仕置きは、それを装着したまま、公園の反対側まで歩くことだ。もちろん、淫具はしつこく振動する。参ったでないなら、とりあえず、あの檜の木まで行け」
大悟は、二十メートルほど先の樹木を顎で指した。
また、公園の反対側までは三百メートルくらいだ。この調子では、辿り着くのはかなり大変な気もするが……。
「参ったって、言わない……。でも、おしっこが……出ちゃう……」
真白は引き結んでいた唇をわずかに開き、呻くように言った。
ほとんど泣きそうな顔だ。本当にもう漏れそうなのだろう。大悟はほくそ笑んだ。
「おしっこか。じゃあ、参ったと言え。淫具を外して終わらせてやる。とても残念だけどな。そうでなければ、おしっこはお仕置きの後だ」
大悟はきっぱりと言った。
真白が唇を噛み締めたまま、眼を大きく見開いた。
「さあ、どうする、真白?」