東の海《イーストブルー》――とある海域。
シェルズタウンを出る時、町の人たちも海兵たちも見送りに来てくれた。
リカちゃんは手をぶんぶん振ってくれたし、リリカさんも笑って見送ってくれた。
町の人たちも「また来いよ」とか「キャプテン・ルフィはいつでも歓迎する」とか、色々に声をかけてくれた。
海兵たちも海兵たちで、敬礼していた。
本来なら「いやー、いい旅立ちだったな!」って気分になるところだ。
「はぁーー……」
けど今の俺は、波に揺られる小さなボートの上で、ひとり深いため息を吐いていた。
別に、食料が尽きたわけじゃない。海が荒れているわけでもない。また渦に飲まれそうになって、船が沈みかけているわけでもない。
原因はひとつ。
港でコビーと別れる直前に聞かされた、あの話だった。
「ロロノア・ゾロは、海兵ですよ」
「……え?」
思わず、間抜けな声が出た。
コビーは俺の反応を見て、少し困ったように首をかしげる。
「えーと……誰かと勘違いしてるんじゃありませんか?」
「ちょ、マジで海兵なの?“海賊狩り”のロロノア・ゾロって異名で、賞金稼ぎとかしてない?」
「残念ながら……海兵ですね」
「本当に海兵……?」
「はい。海軍に所属しています」
コビーはなぜか申し訳なさそうに言った。
「てか、お前なんでそんなに詳しいんだ?」
「海軍が発行してる広報誌があるんですよ。結構前ですけど、それに載ってたんです。たしか、剣の腕が立つ若い海兵として紹介されてました」
「若い海兵として紹介……」
ロロノア・ゾロ。海兵。広報誌に載る。若い有望株。
頭の中で、三本の刀を腰に差したゾロが、海軍の制服を着て敬礼している姿を想像してみる。
……いや、似合わねぇ。
「うーん……ないな」
「え?」
「いや、こっちの話」
そんな会話を、コビーとしていた。
そして現在。
「はぁー……ショックだわ。ゾロが海兵ねぇ」
俺はボートの上に仰向けになり、空を見上げた。
「しかし、どうなってんだこの世界」
転生した時のことを思い返せば、確かに神様は“よく似た世界に転生させる”と言っていた。
なら、こういう違いがあっても不思議じゃないのかもしれない。
けど、ゾロが海兵は予想外すぎるだろ。
他にも、俺が知らないところで色々変わっていたりするのだろうか。
「頼むから変な改変起きてないでくれよ……マジで」
そんなことを考えながら、俺は潮の流れに任せて海を進んでいった。
――♢――
「ありったけの夢をー、かきあつめー♪」
オールを漕ぎながら、俺はまたもや現実逃避に歌っていた。
仕方がない。だって、誰がゾロが海兵になってるなんて予想できる?
競馬なら大荒れどころじゃない、オッズ何倍だよって話だ。
「ウィーアー! ……ん?」
気分よく歌っていると、前方に船が見えた。
海のど真ん中で、ぽつんと停泊している。
帆は下りているし、船体が大きく壊れている様子はない。
海賊旗も見えない。商船か?
「こんな場所で止まってるなんて、何かあったのか?」
気になった俺は、ボートをそちらへ近づけることにした。
船の側面まで寄せると、上に向かって声を張る。
「おーい!誰かいるのかー?」
しばらくすると、船縁から一人のおっちゃんが顔を出した。
顔が赤い。どう見ても、酒が入ってる顔だった。
「なんだ兄ちゃん。旅人か?それとも海賊か?」
「海賊だ。こんな海のど真ん中で何やってんだ?」
「海賊か。なら一足遅かったな!」
おっちゃんは酒瓶を片手に、豪快に笑った。
「金目の物なら、ついさっき別の海賊に奪われたばっかりだ! ぐはははは!」
「いや、俺は別に何も取らねぇよ。この船は商船なのか?」
「ああ、そうだ。金目の物はもうないが、酒や食料は残ってる。俺たちを助けると思って、何か買っちゃくれねぇか?よかったら上がってくれ」
「おう。そっちに上がるよ」
商人のおっちゃんに言われ、俺はロープを使って商船に上がった。
甲板に足をつけて見渡してみると、空気は妙にゆるい。
船員たちは暗い顔をしている者もいるが、血の跡はないし、大きな怪我人も見当たらない。船体も壊されていない。
どうやら、本当に金目の物だけ奪って立ち去られたらしい。
命があるだけマシ、ってところかな。
「お邪魔すんでー」
「おう兄ちゃん、いらっしゃい!なんか入り用な物はないか? うちはなんでも揃ってるぞ」
「なんでもって言われてもな……」
特に必要な物は――
いや、ある。今の俺に一番必要なやつがある。
「おっちゃん、コンパスと海図ないか?」
「あるぞ!おーい、コンパスと海図だ! 持ってこい!」
おっちゃんが船員に声を飛ばす。
船員の一人が慌てて船室の奥へ走っていった。
それにしてもやっぱりこのおっちゃん。
「酔っ払ってるのか?」
「あたりめぇよ!海賊に金を奪われたんだ。飲まなきゃやってられん!」
「どんな奴に奪われたんだ?」
「ヘンテコな三人組だったな。あの海賊旗は、道化のバギーのところだ」
おっちゃんは悔しそうに酒瓶をあおった。
「クソッタレ。せっかくの商談がパァになっちまった」
バギー海賊団の三人組。
たしか、ナミに船ごと金を奪われる奴らだったよな。
まさか、その三人組に襲われた商船と出くわすとは。
……ということは、バギーもナミも近くにいる可能性が高い。
考え込んでいると、船員がコンパスと海図を持って戻ってきた。
「ほらよ、兄ちゃん」
「助かる」
「てか、コンパスも海図もなしに船出するなんて、兄ちゃんも勇気あるな」
「いやー、そんな照れるなぁ。勇気あるなんて言われると!」
「いや、褒めてるわけじゃねぇんだが」
おっちゃんは呆れたように笑った。
「まあいいや。他に欲しい物はあるか?」
「うーん。他に欲しい物って言われてもな……」
「頼むよ兄ちゃん。俺たちを救うと思ってさ」
おっちゃんは酒瓶を置き、両手を合わせる勢いで頼んできた。
海賊に襲われた直後に、また海賊相手に商売しようってんだから、商人根性ってのはすげぇな。
……あ!そこで、ふと思い出した。
「おっちゃん、海軍が発行してる広報誌ってあるか?」
「お、おお。あるぞ。おーい、月刊マーリンだ!持ってこい!」
「月刊マーリン……」
そんな名前なのか。
正直、コビーの話を聞いてからずっと気になっていた。
ゾロが海兵として載っていたという海軍の広報誌。
この世界の情報を知るには、ちょうどいいかもしれない。
しばらくすると、船員が雑誌の束を持って戻ってきた。
「ほいよ、兄ちゃん。最新号から一年前の分まで揃ってるぜ」
「なら全部くれ」
「あいよ。しかし兄ちゃんも、海賊なのにこんなもん読むなんて変わってるな。まあ、こっちは在庫処分できてありがたいんだが」
おっちゃんから十二冊まとめて受け取る。
「ん?海賊は誰も読まないのか?海軍の情報とか仕入れれるんじゃないの?」
「なんだ、知らないのか?これは広報誌なんて言っちゃいるが、ほとんど海軍のプロパガンダ雑誌だ。誰でも知ってるぜ」
「中身は適当なのか?」
「いや、記事自体は本当だ。ただ、かなり盛ってる。海軍がどれだけ偉大か、どれだけ平和を守ってるか、そういう話ばっかりだな」
「なるほどなぁ」
大海賊時代。
世の中には海賊がうじゃうじゃいる。海軍としても、あの手この手で入隊希望者を増やしたいんだろう。
それに、プロパガンダ雑誌とはいえ情報は情報だ。
こういう物から今の世界を拾っていくしかない。
「一番欲しかった物が手に入った。助かったよ」
「そりゃよかった」
「ついでに、商品を全部買っていくよ」
「なに!? 本当か!?」
おっちゃんの赤い顔が、一瞬で明るくなる。
「兄ちゃん、そりゃ本当に助かるぜ!」
「食料、酒、武器、生活用品。その辺まとめてくれ」
「お、おう! おーい!兄ちゃんが買ってくれるってよ!使えるもん全部出せ!」
船員たちが急に慌ただしく動き始めた。
さっきまでしょぼくれていた船が、少しだけ活気を取り戻す。
俺は代金を払い、まとめられた品を収納袋へ放り込んでいった。
「お、おい兄ちゃん……その袋、どんだけ入るんだ?」
「無限」
「む……無限」
おっちゃんたちが目を丸くしていたが、細かい説明はしない。
生き物以外は何でも入る便利袋だ。航海するにはチートすぎる代物である。
食料も酒も、いくらあっても困らない。
収納袋の中なら腐らないし、場所も取らない。買える時に買っておくに限る。
「いやー、助かったぜ兄ちゃん!金を奪われてもうダメかと思ったけど、兄ちゃんのおかげで奪われた以上稼げたよ!」
「こっちも助かったよ。コンパスと海図、それに広報誌まで手に入ったしな」
「そんじゃ気をつけろよ。バギー一味の連中、この先の町を根城にしてるって話だ」
「おう。ちょうどそこに行くつもりだ」
「……兄ちゃん、やっぱ変わってるな」
おっちゃんは呆れたように笑いながらも、最後には手を振って見送ってくれた。
俺は商船を降り、ボートに戻る。
買ったばかりの海図を広げ、コンパスで方角を確認した。
「とりあえずバギーのいる町、オレンジの町に行くか」
そこに行けば、ナミにも会えるはずだ。
泥棒猫のナミ。天候を読む天才。そして何より可愛いし、ナイスバディの持ち主!
航海士としてぜひ仲間にしたい!
「今の俺に一番必要な仲間だな」
俺は、オレンジ町へ向かって進み始めた。
――♢――
ボートの上、俺はオレンジの町へ向かうべく進んでいた。
手元には、さっき商船で買った海軍の広報誌――月刊マーリンがある。
まずは一年前の号から順番に読んでみることにした。
ペラペラとページをめくっていると、さっそく目当ての記事を見つけた。
「なになに……ロロノア・ゾロは海軍期待の新人。賞金稼ぎとしての実績もあり、くいな曹長とは幼馴染。三刀流の使い手であり、未来の海軍を担う偉大な若者である……」
記事には写真も載っていた。
海兵の制服を着用し帽子まで被っているゾロ。
腕を組んで、ものすごく不機嫌そうな顔をしている。
「……まじで似合わねぇ」
信じられないくらい似合ってない。
本人も明らかに嫌そうだ。写真越しでも「早く終われ」と言ってるように見える。
けど、それ以上に気になる名前があった。
「くいな……生きてるんだ」
記事には、はっきりと“くいな曹長”と書かれている。
つまり、この世界ではくいなが生きている。しかも海兵になっているらしい。
「賞金稼ぎしてたゾロが、くいなに勧誘されたとかか?」
あり得なくはない。
というか、この世界なら普通にあり得そうだから困る。
その後も残りの月刊マーリンを読み漁ってみたが、ゾロの記事はその一つだけだった。
代わりに、くいなの記事はいくつか見つかった。
どこそこの海賊を捕まえただの、若き美人剣士だの、海軍期待の女性剣士だの、内容はだいぶ盛られている気がする。
けど、くいなが海軍で活躍しているのは間違いなさそうだった。
「にしても、なんなんだこの雑誌は」
読み進めるうちに、だんだん別方向で気になってきた。
海軍イケメン特集。
海軍美人特集。
海軍イケオジ特集。
マリンフォードベストグルメ。
対決、海軍各支部のカレーランキング。
「……意外と面白いな、月刊マーリン」
完全に海軍の宣伝雑誌だと思っていたが、これはこれで読み物として楽しめる。
プロパガンダにしては、妙に俗っぽいところもあるのが逆に面白い。これで勧誘のつもりなのだろうか?
もっと“立てよ国民” “ジークジオン”みたいな感じで募集してるかと思ってた。
そんなふうに雑誌を読みながら船を進めていると、遠くからかすかな声が聞こえてきた。
「おーーい! そこの船、止まってくれぇー!」
「止まれぇーー!」
「助けてくれぇーー!」
声のする方へ目を向けると、三人組の男が海に浮かんでいた。
遭難かと思ったが、よく見れば一人がバギー一味のマークがついた帽子をかぶっている。
「あいつら、さっきの商船を襲った奴らか」
なるほど。因果応報ってやつだな。
「無視無視っと」
俺はそのまま進もうとした。
「おいコラァー! 無視すんなぁーー!」
「溺れてるだろうがぁーー!」
「助けろぉーー!」
……とても溺れてるとは思えない声量だ。
海賊って逞しいな。
まあ、考えてみれば、あいつらに道案内させた方が確実にオレンジの町へ着ける。
仕方ない。助けてやるか。
俺はボートを三人組の近くへ寄せた。
「おーい、溺死したくなかったら、さっさと乗れ!」
三人組はその声を聞くやいなや、一目散にボートへよじ登ってきた。
そして息を整える間もなく、ニヤリと笑う。
「ふぅー、助かったぜぇ。兄ちゃん、早速で悪いが船を止めな!」
「俺たちゃ、あの道化のバギー様の一味のもんだ!」
「この意味、わかるよな兄ちゃん!」
助けられた直後に、さっそく俺のボートを奪おうとしてきやがった。
しめとくか。
ボコッ!ボコッ!ドカッ!ボキッ!ボガッ!
「ぐえっ」
「ぐはっ」
「ぐふぉっ」
バギー一味の三人組は、あっという間にボートの床に転がった。
「しゅびばしぇん……もう殴らないでください……」
「「しゅみませんでした……」」
「おう。もう馬鹿なことするんじゃねぇぞ」
俺はオールを指さした。
「ほら、代わりに漕げ」
「は、はい……。どこまで行きますか?」
「オレンジの町まで。場所はわかるか?」
「もちろんです! バギー様が拠点にしてる町です!」
「俺たちもその町に帰るところだったんです!」
「あの女が現れたせいで!」
あの女。
たぶんナミのことだな。
一応、確認しておくか。
「何があったんだ?」
三人組に話を聞いてみると、やっぱりナミのことだった。
商船を襲って帰る途中、助けを求めてきた女の船を見つけた。
それで近づいて乗り込んだら、逆に騙されて船を奪われたらしい。
おまけに、その直後に天候が悪くなって転覆。三人そろって海に投げ出された、という話だった。
「てなことがあったんですよ! 酷い話でしょう!?」
「あの女、次会ったらタダじゃおかねぇ!」
「見つけたらぶっ殺してやる!」
やっぱり天候の変化まで読んでやがる。
ますます仲間にしたいな。
「まあ、運がなかったな。諦めろ」
そもそも海賊が騙されたからって、酷いもクソもないだろうに。
「そんな軽く!?」
「このまま帰ったら俺たち……」
「バギー船長に殺されちまう……」
バギーか。
ゾロの件もあるし、こいつにも何か変化が起きてないとは限らない。一応、聞いておくか。
「バギーってのは、どんな奴なんだ?」
「俺たちの海賊船の船長です!」
「ある悪魔の実を食べた恐ろしい男でさぁ!」
「幹部には猛獣使いのモージ、曲芸のカバジ、それにライオンのリッチーがいます!」
そこから三人に、バギー一味の情報をいくつか聞いた。
話を聞く限り、俺の知っている情報とだいたい同じらしい。
少なくとも、バギー一味に関しては大きなズレはなさそうだ。
そんな話をしているうちに、ボートはオレンジの町へ近づいていった。
「到着しましたぜ、ルフィの旦那」
「全然人の気配がないな、この町」
港から見える町は、不気味なくらい静かだった。
「実はこの町、今バギー一味が襲撃中でして……」
「そうなのか。んで、お前らはどうするんだ?」
「手ぶらで戻ってもあれなんで、俺たちはこの辺で時間でも潰しときやす」
「そうか。送ってくれてありがとな」
三人組と別れ、俺は町の中へ入っていった。
少し歩いてみるが、本当に人の気配がない。
それどころか、家々はご丁寧に荒らされていた。
ドアは蹴破られ、窓ガラスは割られ、家の中はぐちゃぐちゃにかき回されている。
通りには、略奪されたあとに要らないと判断されたらしい物が、乱雑に捨てられていた。
「にしても、原作だとこんなに町、汚かったっけ?」
少なくとも、俺の記憶ではここまで酷くなかったはずだ。
道路はもっと綺麗だったし、民家も一軒一軒荒らされた感じではなかった。
せいぜい、ペットフード屋がライオンに襲われて燃やされたくらい。
あとはバギー玉で何軒か壊されたとかだったような。
「海賊が町を襲撃するってなると、実際はこんなもんなのかな」
そんなことを考えながらさらに歩いていると、遠くから怒鳴り声が聞こえてきた。
「待てぇーー! 貴様ぁーーっ!」
「海図をよこせぇぇーっ! 泥棒女ぁ!」
泥棒女。
ってことは、ナミか。
声の方を見ると、オレンジ色の髪をした女が、バギー一味の連中に追われていた。
やっぱりナミだ。
そのナミが、こっちへ向かって走ってくる。
「おーやぶーん!」
……ん?
なんか俺の方に向かって叫んでるな。
「親分! 助けに来てくれたのね!」
俺の目の前まで来るなり、ナミはそう叫んだ。
「お、親分? 俺が?」
「そうよ!何言ってるの!」
ナミは当たり前みたいな顔で言う。
「それじゃ、あとは親分に任せたわ!」
そう言い残すと、俺を囮にして横をすり抜け、そのまま逃げていきやがった。
「おい待て、女ぁ!」
海賊の一人がナミを追いかけようとする。
だが、別の海賊がそれを止めた。
「追う必要はねぇさ。なんせ親分が残ってくれたんだからな」
「なるほど。子分を庇ったってわけだな!」
勝手に納得するな。そしてまた雑魚に絡まれた。
だが、ナミを仲間にするためだ。ここは仕方ない。
「あの女が持ってる海図はなぁ、俺たちの船長、道化のバギー様にこそふさわしいんだよ! おとなしくよこしな、親分!」
そう言いながら海賊が殴りかかってきた。
当然、避けて反撃する。
ボゴッ!
殴り飛ばされた海賊が地面に伏せる。
「なっ!?」
「この野郎!」
残りの二人も挑んできたが――
ボゴッ! ボゴッ!
当然、勝負にもならない。
三人まとめて地面に沈んだ。
すると、後ろから声がかかる。
「すごいっ! やっぱり強いのね、あんた!」
振り返ると、そこにはさっき逃げたはずのナミがいた。
「やっぱりって……初対面だと思うけど」
「ええ、そうね。私が一方的に知ってるだけ」
ナミはにっと笑った。
「シェルズタウンで見たわ」
「あの町にいたのか?」
「ええ、いたわよ」
そう言うと、ナミは一歩近づいてきた。
「ねえ、あんた。私は海賊専門の泥棒、ナミっていうの」
そして、悪びれもなく笑って言った。
「私と組まない?」
これが、未来の海賊王の航海士との初めての会合だった。
どうだったでしょうか?
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