いつまでものんべんだらりと暮らしていけると思っていたが、ある日、父の幸次の堪忍袋の緒が切れ──
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「てめぇ! この糞ブタが! 働きもしねぇで毎日ゴロゴロと食っちゃ寝しやがって!!」
幸次が怒声を浴びせている相手は、実の娘の姫子だ。名前のかわいらしさとは裏腹に、姫子は今年四十歳になる。まあただ年増というだけならともかく、引きこもり歴は二十年を超えるベテラン(?)であるので、幸次の怒りと憎しみは一際大きいものがあった。
「あぎゃあああああ!!! ぱ、パパ、やめ、やめでぇぇえ!!!」
姫子が断末魔の様な叫び声をあげた。そう、彼女はただ叱責されているのではなかった。
「どうだ! 糞ブタ!! 家に生活費をいれねぇなら、せめて穴働きくらいはしやがれってんだ!」
幸次は姫子の肛門に、野太い肉棒をずぶりと挿し込む。
万年布団の上にうつ伏せに組み敷かれた姫子の巨体が、びくんと跳ねた。汗と垢がこびりついた分厚い背肉が波打ち、首の後ろで申し訳程度に結ばれた脂ぎった黒髪がべちゃりと揺れる。敷きっぱなしの布団は煎餅のように潰れていて、姫子の体重で中の綿などとうに死んでいた。
「い゛っ、い゛い゛い゛い゛ッ!! お尻裂けるぅうう!!」
「裂けろ! 裂けちまえ! 二十年もぐうたらしてた罰だ! この寄生虫が!」
幸次は六十五歳だった。妻に先立たれてからの十五年間、たった一人でこの穀潰しを養ってきた。年金と僅かな貯金を切り崩しながら、娘が「いつか社会に出る」と信じて。だがその「いつか」は来なかった。来る気配すらなかった。代わりに届いたのは通販サイトの請求書と、ポテトチップスの袋の山だった。
堪忍袋の緒が切れたのは三日前だ。姫子がリビングの冷蔵庫を丸ごと空にし、幸次が一週間分として買い溜めた食材をたった一人で、三日で平らげた。空っぽの冷蔵庫の前に立った幸次の怒りたるや。頭の中でぷつりと何かが千切れる音がした。
そして──今に至る。
「ひぎぃッ! ぬ、抜いでぇ! パパお願いだがら抜いでぇえ!」
姫子の顔は涙と涎と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。二十年間ほとんど日光を浴びていない肌は病的に白く、それがかえって赤黒く充血した泣き顔を際立たせている。目は血走り、歯を食いしばった口の端から唾液の糸が垂れていた。
「抜くかよ。これがおめぇの仕事だ、姫子。穴だ。おめぇに残された唯一の仕事はこの穴なんだよ」
幸次は腰を引き、再び奥まで打ちつけた。直腸の粘膜が摩擦に悲鳴をあげ、姫子の喉からけだもののような声が迸る。太い両脚がばたばたと布団を蹴り、だぶついた尻肉が幸次の下腹にぶつかってぱちんぱちんと下品な音を立てた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛ッ! ごめんなざいごめんなざいごめんなざい! 働くから! 明日から働くから!」
「嘘つけ! 同じ台詞を百回は聞いたぞ!」
幸次の声が震えた。怒りだけではない。二十年間抱え込んできた疲労が、失望が、自分の育て方が間違っていたのではないかという罪悪感が、全部ごちゃ混ぜになって腰の動きに変わっている。こんなことをして何になる。分かっている。分かっているが、もう止められなかった。
姫子の肛門がぐちゅりと鳴った。潤滑油など使っていない。乾いた粘膜が擦れる痛みは凄まじいはずで、姫子の脂肪に覆われた丸い背中が小刻みに痙攣していた。万年床のシーツに爪を立て、ぼろぼろの枕に顔を埋めて、四十歳の引きこもりはただ泣いた。
「うぐっ、う゛う゛う゛う゛……パパぁ……」
その声に、幸次の手が一瞬止まった。
むかし聞いた声だった。姫子がまだ小さかった頃、転んで膝を擦りむいたときに泣いた声と同じだった。パパぁ、と甘えるように呼ぶあの声。
幸次の目から、涙が一筋こぼれた。
だが腰は止まらなかった。
──これが罰だ。おまえの、そして俺への。
犯して、犯して、犯しまくって、犯し殺して。
その後俺も死んでやるからな、と幸次は気が遠くなるほどの快楽とともに、娘の尻のもっとも深い部分で射精した。