※この作品はR-18です。

マシュリリス「え!?〇〇〇しないと出れない部屋!?」   作:もるげんれえて

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なぜかマスターと一緒に観戦することになったエミヤ。
彼はマスターからこの部屋の恐るべき秘密を知ることになる……
注:まだそういう行為は出てきません

C108で頒布予定の新刊「え!?S〇Xしないと出れない部屋!?」です
頒布版では加筆修正、展開の相違などがある可能性がありますので承知ください
詳細はこちら(https://www.pixiv.net/artworks/147576893)から


「え!?S〇Xしないと出れない部屋!?」 #2

「さて、盛り上がってきましたね。この状況をどう見ますか、解説のエミヤさん」

 

「……なんだね、これは」

 

 カルデアの一室、モニターを前にしてマスターとエミヤは座っていた。唐突に呼び出された彼は「一緒に鑑賞しようね」と令呪の制約を課されて座っている。

 

「なんだね、と言われても、これはS○Xしないと出れない部屋だよ」

 

「いや、それがなんなのかと……」

 

「エミヤの時代には全盛期だったんでしょ」

 

 さっとエミヤが視線を逸らした。それが何かはよく知っているようだ。

 わざとらしい咳払いの後に、エミヤは気を取り直して言う。

 

「だが、あの二人のことだ。その、そんなことはしないと思うが」

 

「でも、キスまではいったよ」

 

 マスターの指さすモニターには唇を重ね合わせるリリスとマシュが映っている。それは恋人同士の甘いそれではない。双方の目は力強く相手を睨みつけていた。

 

「これはどういうことなのかね?」

 

「そりゃ、私だってあの二人が簡単にS○Xするなんて思わないよ。でもさせたいじゃん、S○X。だからS○Xさせるためにどうすればいいか考えたの。起きてる時と寝てる時もS○Xのこと考えてたんだ。それで思いついたのがS○Xしないと出れない部屋なの」

 

 うら若き乙女がそんなにS○Xを連呼するんじゃない、とエミヤは眉間に皺を寄せた。そう言わなかったのは、このマスターがそんな忠告に耳を貸すはずがないからだった。

 

「でも、それだけじゃダメ。あの二人なら餓死を選ぶ可能性があった。だからもう一工夫を入れたの」

 

「もう一工夫?」

 

 そう、と自慢げに頷く。

 

「エミヤはこんな話聞いたことない?『食欲と性欲は似ている』って」

 

「真偽は分からんが、聞いたことはある」

 

 愛しさが極まって相手を捕食する、ということは魔術的な意味だけではなく生物学的にも認められることであった。性的な交わりを食事に喩えることは少なくない。

 

「直接性欲を高めたり催眠をかけたりってのは多分二人とも効果がない。マシュは対魔力があるし、リリスはその手のスペシャリストだからね。そんな中でさっきの話を思い出したの」

 

「ふむ」

 

「重要なのは性欲と食欲が近いってことじゃない。欲ってのは他の欲や衝動に結び付けたり取り違えさせることができるってこと。性欲を他の欲と結びつけて、その欲をバフってあげれば……」

 

「催眠などのデバフではないからマシュでは防げず、リリスも性的なものでないから対抗力が下がる、と」

 

「そう。マシュにもバフという穴はあったのだ」

 

 キメ顔ドヤ顔のマスターをエミヤは華麗にスルーし、今の話から部屋の仕組みを推察した。

 

「つまり、彼女たちのなんらかの衝動や欲望を高め、それと性欲を結びつけたのだな。そうすることで擬似的に性欲を興奮させる。その術式はスカサハ殿と……」

 

「殺生院さんとBBが考えました。二人ともノリノリでした」

 

 エミヤが振り返ると満面の笑みを浮かべた二人が手を振っていた。自分が受肉していなくてよかった、そうでなかったら胃袋が耐えられなかったと天を仰いだ。

 

「今回結び付けたのは『攻撃衝動』。あるいは相手への憎しみかな。サドマゾって言葉があるくらいにはS○Xと攻撃性って切っても切り離せないでしょ?だから相性がいいわけ。そして相手を攻撃したりする快感が性的快感とリンクしやすい。どっちもドーパミン的な快感だから誤魔化しやすいのさ。

 それだけじゃなくて、攻撃と性行動の境界を曖昧にする認識阻害とS○Xな雰囲気になるような結界を張ってるの。普通ならすぐ気づくけど、S○Xしないと出れない部屋って分かってたら気付いても「そんなもんだよね」ってなるじゃない。動物園だって分かれば、猛獣がいても疑問に思わないし、受け入れちゃうもんだよ」

 

 ケロリと語るマスターがエミヤには恐ろしかった。彼女の魔術的考察も、構築理論も非の打ち所がない。S○Xしないと出れないという単純明快かつ強力な呪い、攻撃性と性欲を結びつけ高めるバフ、そういう部屋として処理してしまう結界と認識疎外。理論上、どんないがみ合う二人でも部屋に押し込めれば、ほぼ自動的にS○Xが成立してしまう。これがもし自分とあと誰か――例えば青い槍兵や高飛車なウルクの王、八極拳使いの神父――が押し込められたと考えただけで背筋が凍った。

 

 なお、この部屋には一つ欠点がある。それは殺意が強すぎたり攻撃衝動が高いと、昂まった性欲がそのまま攻撃性になってしまい、S○Xではなく殺し合いを始めてしまうのだ。テストケースとしてテスカトリポカとケツァルコアトルをこの部屋に入れた際、部屋の耐久限界の神話的闘争が繰り広げられた。なおこの件でマスターは1週間ほどミクトランを彷徨うことになる。

 

「さて」マスターは顔の前で手を組み、画面を食い入る様に見る。

 

「この二人はどんなS○Xを見せてくれるのでしょうか」

 

 エミヤはとにかくこの茶番が早く終わるよう、カルデアにはいない神に祈った。




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