ユウヤに申し訳ない──そんな罪悪感は、確かにあった。
最愛の人を裏切り、こんなどうしようもない男と会っているのだ。
しかも、言われるままに学校まで休んで──
そこまで分かっているのに、私の足は止まらなかった。
彼は、きっと心配しているだろう。
何度も連絡をくれて不安になっているのかもしれない。
もしかしたら──
他の男と会っているんじゃないかと、疑っているかもしれない。
それでもユウヤは、私が以前とはまったく様子が違うことに気づきながらも、それ以上、踏み込もうとはしなかった。
問いただすこともなく、ただ距離を測って、静かに見守るだけ。
それが──彼の優しさ。
そして、私に対しての愛でもある。
そんな優しさと愛に守られているはずなのに、心の中で──マエジマの存在が、日に日に大きくなっていた。
あの日の記憶を払拭しようと、あれからユウヤと何度も身体を重ねた。
だが、どんなに愛し合っても、あの忌まわしい記憶を忘れるどころか、どんどん頭から離れなくなっていく。
私に対しての、まるで性処理具のような粗末な扱いが、頭から離れない。
彼に抱かれているはずなのに、絶頂を迎える寸前に思い浮かぶのは、いつもマエジマのふざけた顔──。
ニンマリと笑うその顔は、殺してやりたいほど憎らしいのに、どうしても掻き消すことができない。
むしろ、それを思い浮かべているからこそ、絶頂を迎えていたのだ。
私は心の奥底で、ずっと前から侮辱されることを望んでいたのかも知れない。
待ち合わせ場所に向かう時から、ずっと股間は濡れ続け、すでにパンティはビショビショになっていた。
「映画館に行こう。……平日のこの時間なら、空いてるからさぁ」
マエジマのその一言で、私は半ば引きずられるように映画館へと連れて来られていた。
暗い館内。
静まり返った空気。
スクリーンの光だけが、やけに眩しい。
そんな中で、私は涙を滲ませながら、ぼんやりとそれを見つめていた。
だが、物語の内容なんて、まるで頭に入っていない。
まして、感動しているわけでもない。
この席に腰を下ろした瞬間から、すでに私の意識は──別のところにあった。
スカートの中に潜り込んだマエジマの手が、股間の辺りで途切れることなく蠢いているのだ。
一席離れた隣には、スーツを着たサラリーマン風の男性が、何も知らずに腰掛けている。
にもかかわらず、パンティの中にまで入り込んだその手。
プックっと突起した”敏感な部分”を弄りながら、ピチャピチャと卑猥な音を立て続けている。
脚を大きく広げさせられて、パックリ開いた大事な部分。
中からトロトロと粘膜が溢れ続け、すでにそこは取り返しの付かない状態になっている。
自分でもわかるくらいに熱くなり、そこから溢れ出したものが、座ってる椅子にまでじんわりと染み込んでいた。
もしかすると、その匂いまで辺りに漂っているかも知れない──。
私はそんなことをされてるのを、誰かに気付かれてはならないと、何とかそれに耐え、必死に平静を装っていた。
しかし、私の肩に頭を凭れさせるマエジマは、耳元でそこがどんな状態になっているのかを、事細かに囁き続けている。
「ほらぁ~、こんなにビンビンになっちゃって。……しかも、中から溢れてくるものが、物凄く熱いよ……そもそも、こんなに熱くなってるってことは……」
小声で囁くその声は、私以外には誰にも聞こえていない。
だが、その部分をクリクリと甚振られている感触と、エコーがかかったように聞こえてくるその声で、私の意識はすでに飛びそうになっていた。
歯を食いしばって、何とかそれに耐えている。
しかし、そこの周りをゆっくりと回る奴の指先。
その力加減は絶妙で、切ない思いがじわじわと込み上げてくる。
私はそれを止めさせようと、その手を必死に押さえ込んでいた。
そのはずだったのに、その手はいつしか力を失くし、スカートの上から奴の手を愛おしむように撫でていた。
呼吸を荒げてポカンと空いた口──。
虚ろな瞳はスクリーンを超えて、遥か遠くを眺めている。
そして、腰を突き出して席に座る、大股開きのだらしない格好。
愛撫に感じていることが明らかなその様子に、奴はニヤニヤとほくそ笑んでいる。
「オッパイ、出しちゃおうか? ……吸ったらもっと気持ち良くなるからさ」
そう言ってマエジマは、有無も言わさず私の胸のボタンを一つひとつ外していく。
私はそれに気が動転するものの、イヤイヤと首を横に振ることくらいしかできなかった。
それを、阻止しようとマエジマの手を押さえることすらできない。
──ほとんどの人間が気付いてないとはいえ、ここは公の場。
恥ずかしさで顔が真っ赤になり、身体が小刻みに震えていく。
なのに、動き始めたマエジマの手は一向に止まらない。
そして胸元が肌けられ、ブラジャーがゆっくりとめくり上げられていく。
人に見せられるほど大きくもない私の胸は、大勢の人間がいるこんな場所で、成す術もなくペロンと丸出しになっていった。
マエジマ以外は誰も見てないはずなのに、色の変わった部分に、なぜか視線がチクチクと突き刺さる。
そこがムズムズと疼き始め、居ても立っても居られなくなっていく。
それでも私は隠すことさえできなかった。
朦朧とした顔で呼吸を弾ませ、現実から目を背けるように、辺りに視線を彷徨わせている。
まだ何もされてないのに、乳首がジンジンと熱くなり、勝手にプクッと突起し始めていく。
その時、マエジマが誰かを手招きした。
その方向にいるのは、一つ離れた隣の席のスーツを着たあの男性。
彼はマエジマが密かにおこなっていた行為に、いつの間にか気付き、目を大きく見開いていた。
そして、私の乳首を食い入るように見つめながら、ゴクリと息をのんでいる。
その目は血走り、他のものはまったく視界に入っていない。
しかし、マエジマの素振りに気付き、一瞬間をおいてハッと顔を上げる。
そして、まるで引き寄せられるように近づいてくる。
その姿は、何かに取り憑かれた夢遊病者のよう。
男は側にくると、マエジマの口元に耳を近付ける。
しかし、彼がずっと目を向けているのは、明らかに私の胸。
「ねぇ、この娘、男好きする見た目してて可愛いでしょ……吸ってみる?」
ニンマリと笑みを浮かべたマエジマの言葉。
男は「いいの!?」と言わんばかりの表情で、マエジマの顔をマジマジと見つめた。
そして、舐めるような視線で私の身体の隅々まで見渡し、ゆっくりと舌なめずりを繰り返す。
男はニヤニヤと笑みを浮かべながら、マエジマと挟む形で私の隣の席に腰を下ろしていった。
嫌で嫌で堪らないのに、逃げ出すこともできない。
(なんで、見ず知らずの人に胸を吸われなきゃいけないの!?)
そう思っているのに、私のあそこからは、さらに愛液がとめどなく溢れ出している。
パンティの中に潜り込んだマエジマの手は、いまだに飛び出た蕾の周りを、クルクルと回り続けている。
そして、ゆっくりと胸に埋もれていく、見ず知らずの男の頭。
激しい呼吸が吹き掛り、頂点がヌルっとした温かさに包まれていく。
それと同時に、マエジマの禿げ頭も、もう片方の胸に向かって移動していった。
そして、その乳首が奴の唇にパクっと咥え込まれていく──。
両方の乳首がまったく違う温もりに包まれて、私は卒倒しそうになっていた。
スクリーン越しに響く大音量の中、チュパチュパと響き渡る卑猥な吸引音──
それぞれの胸が、まったく違う男の口に含まれて、チロチロと舐められている。
同じ行為をしてるとはいえ、彼らの体温もその舌使いも、まるっきり違う。
好き勝手に敏感なところを舐めたり吸ったりされて、信じられないほどの衝撃が私の身体を襲っていた。
そんなことをされて、正気でなどいられるはずがない。
気が狂いそうなほど、切ない思いが込み上げているのだ。
私は両方の頭をいつの間にか、抱きかかえいた。
そして、彼らの頭を胸に引き寄せ、狂ったように撫で回していた。
そうでもしなければ、こんな場で大声を上げ、発狂でもしたように喘いでしまうだろう。
過呼吸のように息を弾ませ、なんとか声を出さないようにと必死に耐えている。
しかし、それに気付いたマエジマが私のパンティを強引に脱がす。
そして、空いてる席にビショビショのパンティを放り投げ、スカートをチョットだけめくる。
「こっちも舐めなよ。……ここの具合も、すっごくいいよ~」
マエジマのその言葉に、男の動きが一瞬止まり、指を差された股間の辺りに呆然と目を向ける。
そして、まるで引き寄せられるように、スカートの中に頭を潜り込ませ、大きく開いた股の間にゆっくりと顔を近付けていった。
男の頭でモコっと膨れ上がるスカート。
それが股座に近付くにつれて、彼の温かい息が大切な部分に吹き掛る。
そして、プニッとしたものが蕾の部分に吸い付いた瞬間──
(ああ……もう、だめだ……)
私は完全に力を失っていた。
背もたれにもたれて頭をガクンと垂らし、大粒の涙をぽろぽろとこぼしていく。
だが、そんなことなど気にも留めず、ぬるりとした温かい舌が、蕾をチロチロと舐めていった。
(……耐えられない)
「ぐぅ──────ーっ!」
私は咳き込むように声を上げた。
まるで車に轢かれた蛙のような情けない格好で、あそこからピュッピュ、ピュッピュと潮まで噴き出している。
身体をビクビクと痙攣させ、真っ暗な天井を放心状態で眺めていく。
すると、マエジマが嬉しそうな声で、スカートの中の男に声を掛けた。
「兄さん、この娘イッちゃったよ。……もう、挿入してあげたら?」
誰にも聞こえないくらいの小さな囁き。
しかし、男はスカートの中から慌てて顔を出し、マエジマに呆然と目を向けていった。
しかも、私の体液で身体をビショビショに濡らしているというのに、その顔にはニヤニヤと笑みがこぼれている。
「さぁ、兄さんは席に座って。……この娘、上に乗せちゃおう」
そう言ってニンマリと笑うマエジマ。
男はズボンとパンツを膝まで下ろし、剥き出しにしたものをビンビンに立てながら、また私の隣に腰を降ろしていった。
──結局、マエジマは私のことなんて、どうだっていいのだ。
女を辱め、侮辱の限りを尽くすことが奴の生き甲斐で、私が誰と関係を持とうが知ったことではない。
力を失くし、グッタリとする私の身体を二人が一緒に抱え上げる。
そして、イッたばかりでヒクヒクと痙攣をする私のあそこに、席に座った男の硬いものがニュルっと一気に埋め込まれていった。
膝の上に乗せられた私は、目の前の男を抱きしめるしかない。
下から突き上げてくる男の動きに身体を揺らし、「あん、あん」と虚しく声を上げる。
誰かに気付かれたとしても、私はもうどうでもよくなっていた。
こんな侮辱を受けているというのに、身体中が求めているかのように、快感に溺れてしまっているのだ。
私は映画の上映が終わるまで、この二人の男たちに子種を注がれ続けていった。
~to be continued~