※この作品はR-18です。

性年のしがらみ   作:村上しんご

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第十二話 狂い始めた人⑤

 あれから私は、完全にマエジマの”おもちゃ”と成り果てていた。

 

 日中の公園を全裸で歩かされたり、人が大勢集まるところで辱めを受けるのはもちろん。

 その場で出逢った知らない男とさせられる──そんなことは、もはや当たり前のようになっていた。

 

 ユウヤという大切な人がいるのに、私はこの関係をどうしても断ち切ることができない。

 罪悪感を抱えつつも、呼び出しがあると知らず知らずのうちに、足はマエジマのもとへ向かっていた。

 

 逢うたびに胸が痛むほどの後悔を感じている。

 なのに、奴に抱かれたいと願う私がいる。

 

 どんなに酷い仕打ちを受けても、奴を求めてしまう私の心──もう完全に壊れてしまったのかも知れない。

 

 そして、いろんな男と身体を重ねたからこそ、わかったことがある。

 酷い扱いをしていながらも、行為中の奴の仕草は、一つひとつが妙に優しい。

 

 触れる、舐める、突く──

 

 どんなことをされても、身体が疼き、胸がキュンと締め付けられてしまうのだ。

 どんな秘訣があるのかはわからない。

 

 だが、他の男では感じられない奴のそんなところが私を虜にさせていた。

 

 今も奴の手がパンティの中に忍び込んで、子宮をキュンキュンと疼かせている。

 

 ヌルヌルになった割れ目を行ったり来たりしながら、プクッと膨らんだ蕾をさりげなく刺激する指──。

 

 すでにイキそうになっている。

 なのに、その指は感じやすい”そこの部分”に、なかなか触れてこない。

 

 そこは痛くなるほど肥大して、奴も私が今どんな状態か、手に取るようにわかっているはずだ。

 しかし、少し撫でてはイキそうになると離れていく。

 

 もどかしさに悶える私は、ここが何処かということも忘れ、奴の手を必死になって股間に押し付けていた。

 

「……お……おねがい……も……う……イカせて……」

 

 涙目になってお願いする。

 なのに、奴は穴の中に指すら挿れてくれない。

 少しだけ埋もれた指で、割れ目をゆっくりとなぞりながら、突き出た蕾をたまにクルクルと回す。

 

 すでにビチョビチョになって、クチュクチュと響く卑猥な音──。

 

 私は出された料理に手を付けることもなく、遠い目をしながら「ハァハァ」と息を荒げていた。

 

 近くには子供連れの家族もいる。

 なのにそんな人目さえ、気にならなくなっていた。

 

「こんな所でイッちゃうの? ……ここ、ファミレスだよ。……そもそもさぁ~、ここは食事をするところであって、こんなにやらしい匂いをまき散らすところじゃ……」

 

 自分から強引にパンティの中に手を入れておきながら、いつものようにペラペラと口上を並べ立てるマエジマ。

 私がこんなに切ない気持ちでいるのに、イカせてくれる気はさらさらないようだった。

 

 蕾をツンツンと突きながら、絶頂を迎える寸前のところまで追いつめて、また割れ目をなぞる。

 私が苦しんでいる様子に、ニヤリと笑うその顔は、殺してやりたいほど憎らしかった。

 

 なのに、この男に依存しなければ、私は生きていけないのだ。

 

「……ねぇ、ハメちゃおう。……中に出しちゃっていいから」

 

 私は完全に自分を見失っていた。

 こんなところでするなんて、正気の沙汰じゃないのはわかってる。

 

 だが、周りのことなんて、どうでもいい。

 このモヤモヤした思いを解消しなければ、気が狂ってしまいそうだった。

 

 気付けば私は、彼の股間に手を伸ばし、硬くなったものを愛おしむように撫でていた。

 

「だからさぁ~、こんなところでしたらダメでしょ。……子供だってたくさんいるんだよ。そもそもさぁ~……」

 

 だが、私の股間を弄り続けながら、ねちっこく話を続けるマエジマ。

 こんな状況になっているのを、まるで喜んでいるとしか思えない。

 

 我慢の出来なくなった私は、彼のズボンのファスナーを下げ、硬くなったものをこっそりと取り出していった。

 そして、人目を気にすることもなく、プーンと臭いを放つ、その股間に顔を埋めていく。

 

 唾液をたっぷりと口に含ませた「ジュプ、ジュプ」という音が、和やかな雰囲気に包まれるファミレスの一角に静かに響く。

 

 通報されようが構わない。

 あの頃の純情だった私には、もう戻れないのだ。

 

 この太くて硬いものを、今すぐにでも挿れたくて堪らない。

 私は口に含んだ大きなものを夢中でしゃぶり続けていった。

 

 そして、奴と向き合いながらその膝の上に乗り、パンツをずらしてズボンから伸びるものを、臆することなくあそこの中に埋め込んでいく。

 こんな状態では、まともな思考を巡らせることすらできない。

 

 私は人が大勢いるこんなところで、進んで交尾をするという、破廉恥なことを自から犯していた。

 

 ニヤニヤとほくそ笑むマエジマを前にして、私はギュッと目をつぶり、ゆっくり腰を動かし続けていった。

 

 幸いなことに、私たちの席は隅の方で、周りは誰も気付いていない。

 やらしい匂いを周囲にまき散らしながら、「クッチュ、クッチュ」といかがわしい音を立て続けていく。

 

 ここまで落ちぶれた私を見ても、ユウヤは許してくれるだろうか。

 おのれの欲望を満たすためとはいえ、私は取り返しの付かない大切なものを、失ってしまったような気がしていた。

 

 ──そして、三か月後。

 

 私は父親が誰かも分からない子供をお腹に宿していた。

 

 そして、その事実を抱えたまま、ユウヤに──別れを告げていた。

 

 

 

 

 

 

  ~to be continued~

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