あれほど身体を重ね、情熱的に愛し合ったはずのショウちゃんは、私の前からこつ然と姿を消した。
全く前触れがなかったわけではない。
私が癖にしてしまった人前での性行為──
ショウちゃんは素直に受け入れていたように見えて、そのたびに少しずつ活気を失っていた。
キラキラと輝いていたはずの、あどけなさは消え去り、姿を消す前には見る影もなくなっていた。
公の場で、見せたくもない性器を剥き出しにされ、私にいいように甚振られる──。
必死になって我慢してるのに、あの手この手を使って、”無理矢理”射精をさせられてしまうのだ。
イッた瞬間は気持ち良さげでも、ショウちゃんはれっきとした男の子。
人が大勢いるところで、そんな情けない姿を晒すことなど、我慢できるはずがなかったのだ。
涙目になりながら絶頂を迎えさせられ、途方に暮れていたあの顔が今も忘れられない。
はずかしめられたその姿は、まるで何も知らなかった少女が、抵抗もできずに犯されたあとのよう──。
どこまでも控えめで、従順だったショウちゃんには、もう二度と会うことができない。
どこに行ったのかは、誰もわからない。
私は、ショウちゃんがいなくなったあと、その穴を埋めるように彼氏との性行為に、またのめり込むようになっていた。
「あぁっ! ……す、すっごぉ~い!」
いつものように家庭教師の授業の為に、その部屋を訪れた私は、勉強そっちのけで机に手をつき、後ろから滅茶苦茶に突かれていた。
捲り上げられた白いレースのスカート──
純白のパンティは膝まで下ろされ、剥き出しのお尻を突き出した、だらしない格好”の私。
丸見えになった”あそこ”には、すでに硬くなったものが突き刺さり、激しく出入りを繰り返している。
苦しそうに悶えながら、崩れるように前屈みになり、その上の教科書やノートを散乱させていた。
ギシギシと軋む机の音、それと共にヌチヌチと響く卑猥な音。
さらに、それを掻き消すように、お尻に股間をパンパンと打ち付ける音と、私のなやましい叫び声。
悲痛に喘ぐ私の姿を見下ろしながら、彼は一心不乱に腰を振っていた。
激しく抜き差しされる、タケノコのような形をしたそれは、まるで”あそこ”を破壊しようとするかのように暴れまくっていた。
しかし、ショウちゃんと人前ですることを覚えてしまった私には、何かがもの足りなく感じていた。
けして、彼氏との行為に不満があるわけではない。
私の初めてを奪ったのも彼だし、身体の隅々まで知り尽くしている。
相手を辱めることが好きな彼は、人前でのプレイも否応なしに応じてくれた。
それなのに、私の求めているものとは何かが違うのだ。
確かに年齢はショウちゃんと同じだし、一つ一つの行為の仕方もぜんぜん上手い。
しかし──
彼には、ショウちゃんのような恥じらいや、嫌々流されるような気弱さがまるでなかった。
サディスティックな側面を持った彼に、それを求めるのは無理なのかもしれない。
彼と繋がり、感じているときでさえも、頭に思い浮かぶのは、いつも絶頂を迎える寸前のショウちゃんの顔──。
あの、やりきれなさそうな、儚げな表情を思い浮かべると、自分もすぐにイッてしまう。
気弱で控えめな男の子の、あんな”いじらしい姿”を、もう一度見たくて堪らない──
何度、絶頂を迎えても、そんな想いは募るばかり──。
彼氏との性行為に明け暮れながらも、私はそんな機会が訪れるのを虎視眈々と伺っていた。
そんな日々を過ごしていたある時、チャンスは訪れた──。
家庭教師の授業が終わった帰り道、私は気分を変えようと街へ向かっていた。
電車に揺られながら繁華街へ向かっているその時、ついに見つけてしまったのだ。
ショウちゃんに似の、可愛らしい男の子を──。
ただ、顔立ちはそれほどそっくりというわけではない。
しかし、どこから見ても頼りなさそうで、つねにオドオドとした様子は、まさしくショウちゃん。
見た瞬間、強い衝撃が走った。
鼓動が高鳴り、身体中から一気に汗が吹き出していく。
頭の中には、こんな場所でしてはいけない妄想が、次から次へと浮かび上がっている。
自分でも気づかないうちに一歩、また一歩と足が前へ進む。
あいにく電車内は、まばらに人が混み合っているものの、それほど混雑してはいない。
そんな中、何かに憑りつかれたように、ただ一点だけを見つめ人の間をすり抜けていく。
気がつくと、私はドア近くの窓辺に立つ、その男の子の真後ろに立っていた。
それほど混んでもいないのに、あとわずかで密着しそうな距離──。
私より少し背の低いその男の子は、気配を感じた途端、すぐに身をすくめた。
ビクビクと怯えて、額にはじんわりと汗を滲ませている。
(……こ、これだ……私が求めていたのは、この臆病さだ)
居ても立ってもいられなくなった私は、押されてもいないのに、その子に凭れ掛かるように身体を預けていった。
「……えっ!?」
その瞬間、その子の背中とお尻に、私の身体がピッタリと貼り付いていく。
自慢できるほどのものではない。
だが、女性の胸の柔らかさと、欲情して熱くなった股間の温もりは、きっとはっきりと伝わっているだろう。
現に目の前のうなじと耳が、みるみるうちに赤く染まっていく。
それでも、逃げようとも、身体を引き離そうともしない。
ただ俯き、ばつが悪そうに肩をすくめている。
(いい匂い……クラクラしちゃう)
私はクンクンと音を立てながら、目の前にある首筋の匂いを嗅いでいった。
私の方が少し背は高いが、それほど差はない。
少しだけ小首をかしげ、その肩に頭を近付ける。
すると、肩口まで伸びた私の髪が、Tシャツからのぞく、むき出しの首回りをサラッとくすぐっていった。
「ひゃっ!」
男の子は明らかに動揺していた。
得体の知れない女が、ピッタリ身体を密着させて、自分の匂いをクンクンと嗅いでいるのだ。
どう考えても普通ではない。
何をされるのかわからないという恐怖で、頭の中はきっとパニックになっているだろう。
しかし、あたふたしてはいるものの、はっきりとした拒否反応は示さなかった。
ただ、時が過ぎるのを待ちながら、この場を何とか耐えてやり過ごそうとする──そんな思いがはっきりと伝わっている。
それは期待通りの反応だった。
嫌なのに何も言えず、ただひたすら我慢している姿は、まさにショウちゃんだ。
心の中でニヤリと笑う私は、電車の揺れを利用しながら、その首筋にチュッチュチュッチュとキスを繰り返していった。
「あっ…………あっ……」
首やうなじ、その肩口に唇が触れるたびに男の子からやるせない声が漏れる。
汗ばんだその身体から漂ってくるのは、香水のようなきつい匂いではなく、芽吹いたばかりの花のような自然な香り──。
こんな大胆なことをしてるのに、男の子は石のように固まり、身動き一つしない。
小刻みに身体を震わせ、まるで魂が抜けたような表情で、口を半開きにしながらぼんやりと立ち尽くしている。
「ハァハァ」と呼吸を弾ませ、今にも泣き出しそうな、やるせないその顔──
この子にしてみたら、自分がどうしてこんな状況になっているのかさえ、わからないだろう。
その最中にも小鳥が餌をついばむように、唇は吸い付いては離れていく──。
偶然だとでも思っているのか、男の子は外の景色を遠い目で眺め続けている。
その不安そうで頼りない眼差し──
私は男の子の反応を確かめるように、太股の辺りをさり気なく触り始めていった。
「……わっ!」
一瞬の驚きとともに、その手が私を拒んだ。
しかし、偶然を装った私の手は、触れてはすぐに離れていく。
まるでいたちごっこのように、触れようとする手と払いのける手。
その手がだんだんと、大切なところに近付いているのを、この子は気付いているのだろうか。
恥じらいながらも、必死に操を守ろうとしているその健気な姿──
(……もう、我慢できない)
私は大胆にも、そんな男の子の股間のもっこりとした部分をむんずと掴んだ。
「えっ? …………えぇーっ!?」
その瞬間、血の気が引いて真っ青になった男の子。
信じられないといった表情で、初めて私に目を向ける。
呆然としたその様子は、まるで天変地異でも起こったかのようだ。
私はうっすらと微笑みながら、掌の中のプニプニしたものを、ゆっくりと揉みしだいていった。
「や、やめて……」
初めて発したその声は、まるで蚊の鳴き声のようにか細かった。
周りを気にして、大きく声を出せないのだろう。
私の手を掴んで止めようとしてはいるものの、それにもまるで力が込められてはいない。
それどころか、全身がブルブルと震え、立ってることすらおぼつかない。
私は膨らんだところを構わず揉み続け、男の子の耳元で甘く囁いていった。
「お姉さんにまかせて……気持ち良くしてあげるから……」
その瞬間、男の子の動きがピタリと止まる。
しかし、今、この子の耳に、その言葉は届いていないようだった。
虚ろな目をして涙を流し、どうにかして私の手を退けようと懸命になっている。
侮辱されているのに、どうすることもできない自分に、悔しさを隠しきれないその様子。
だが、柔らかかった手の中のものは、芯の部分が硬くなり、少しずつムクムクと大きくなっている。
何もかもが、私の期待通りだった。
嫌がっている相手を、屈辱の中で気持ち良くさせ、快楽の虜にさせる──
それこそが、心の奥で求めていた私の欲望なのだ。
感情が高ぶって、もう自分を抑えることなどできない。
身体をピタリと密着させて首筋に続けるキス──
揉んでいるところがギンギンになった途端、私はズボンのファスナーを下ろし、中からそれを取り出していった。
皮を被っているのに、頭の部分が少し大きい、キノコのようなその形。
それが剥き出しになった瞬間、発酵したチーズのような臭いが辺りに漂い始めていく。
ショウちゃんより少し大きく感じるが、彼氏に比べればまだまだ小さい。
遮るものを失って、縦横無尽に激しく揺れ動いている。
男の子は、もう抵抗するそぶりさえ見せなかった。
今の自分の情けない姿を悲観するかのように、大粒の涙をボロボロとこぼし、窓の外をただ呆然と眺めている。
私がそれを掌に包み込むと、歯を食いしばり、身体までカチコチにさせていく。
掌から伝わってくるのは、火照るような熱さと、はち切れそうなほどパンパンになった漲る力──。
私はやんわりと握ったそれを、形に沿って上下に扱き始めていった。
「あっ……や……やめてぇ……あぁ」
その時、男の子の口からすすり泣くような声が漏れた。
やり切れない想いを漂わせつつも、どこか心地よさげなその声色。
それを繰り返すたびに、手の中のものは硬さと温みを増し、先端からネバネバしたものがジワジワと溢れていく。
険しかった顔からは徐々に力が抜け、身を委ねるように寄りかかり、虚ろな瞳でハァハァと息を荒げていく。
その子を後ろから抱え込むような体勢になった私は、様子を伺いながら、それを淡々と扱き続けていった。
ガタンゴトンと走る電車の音──
少し騒がしい車中に、手淫のリズムがシュッシュ、シュッシュと響き渡る。
こんな卑猥なことをしてるのに、誰も私たちの行為には気付いていない。
ドア付近のこの場所は、もう二人だけの特別な世界。
朦朧としながら窓の外を眺める男の子は、完全に私の手中に堕ちている。
もはや、射精は時間の問題だった。
生まれたての子犬のようにプルプルと震え、遠くを見つめるその瞳には景色などまるで映っていない。
出すことを躊躇っているのか、身体をそわそわと揺らしながら、浅い呼吸をひたすら繰り返している。
額から汗をダラダラと流し、泣き出しそうなその表情。
──だが、焦る必要などない。
強弱をつけて、イクかイカないかのギリギリのラインを保ち、男の子の反応を存分に楽しむのだ。
私は男の子の様子に背筋をゾクゾクさせながら、硬くなったものを甚振り続けていった。
先の部分を爪先で軽めに引っ掻いたり、カリの部分だけを握り、手首を捻ってクルクル回す。
掌に包み込まれたそれは、汗と粘膜でヌチャヌチャと卑猥な音を立て始めている。
その時だった──
「……うっ……う゛ぅ────っ!」
男の子の口から切羽詰まったような声が漏れる。
それと同時に、白く濁った液体が昇降口のドアに、ビュッビュビュッビュと勢いよく打ち当たっていった。
放出されるそれを見ながら、何もかもが終わったかのように途方に暮れる男の子。
悔しそうにボロボロと涙を溢しながらも、虚ろな瞳で身動き一つせず、ただ呆然と佇んでいる。
絶頂の余韻に浸ってでもいるのか、心ここにあらずの抜け殻のようなその状態。
肩で大きく息をしながら、崩れるようにその場にペタンとへたり込んでいった。
私はその状況を見て、心の中でほくそ笑んでいた。
その子を無理に立たせ、少し萎み始めたそれをズボンの中に仕舞い込む。
そして、愛おしむように身体を抱きしめ、その肩口に頬擦りを繰り返す。
男の子は、もはや抵抗する気配もない。
私にされるがまま、すべてを受け入れるように身を任せている。
その時、電車が次のホームに滑り込んだ。
目の前のドアが開き、私は男の子の手を引いてその駅で降りた。
朦朧とする男の子は、まるで考えることを止めてしまったかのように、私の思うがままになっている。
これから自分が、どんなことをされるのかさえ気付いていない。
手を引かれるまま、朦朧とした足取りで私の後をついてくる。
まだ明るい日差しが差し込む日中だというのに──
私たち二人は迷うことなく、ラブホテルの門をくぐっていった。
~to be continued~