ラスボス倒して世界を救った死を操る魔法少女の僕♂が終末思想教団の教祖にさせられた 作:ことばの目
ファメちゃんに案内され向かった先のビル内のオフィスの一画に、終末思想教団の拠点があった。
このオフィスビルの中でも1番小さい面積であろう広さの空間は、変なものが置いてある訳でもなく整理されており、何の会社のオフィスなんだろうかと思ったくらいだった。
ただ一点、常にこちらに対して常に正面を向いているカートゥーン調のゾンビが居なければの話だが。
僕悪夢の続きを見てる!?
最初は何かのキャラのパネルかと思ったのに「あー……。」と喋る上に、ずっと掲げた状態の白いパネルに文字を写して対話してくる。
初めまして真斗さん
丁寧で優しい感じなのがなんか嫌……。
他の人達はエキテカちゃん、握手会で見た事ある顔ぶれが5人程居るだけなので比較的安心は出来る。
出来るが、ゾンビさんのインパクトで全部吹っ飛ぶ。
「はじめまして……。真斗と言います……。」
「サナ様のお兄さんで、今ニートなんだね。」
「はい……。」
エキテカちゃんに聞かれそう答えるしかなかった。
サナの姿でしかずっと外に出てないのでそう言われても仕方ない。
そもそもサナの活動は仕事なのかな……一応アイドルみたいなものか……。
「そもそもなんでそうなったんですか?」
まあ当然の質問だ。
「僕……いや違った、サナが魔法少女の力に目覚めた時、周囲の人が力の暴走でみんな死んでしまって……。あっ、えっと……僕はその時偶然近くに居なかったから助かって……。まあ、家族仲良くは無かったからそれ自体は別にだけど、頼る人が居なくて……。」
魔法少女は、突然魔力に目覚めて生まれる存在。僕でさえ知っている話だ。
ある人は運命や神の導き、ただの偶然とも言う人も居る。
そして魔力に目覚めるのは女性だけとも言われている。
サナと真斗が同一人物って言う方が不自然だし、それ以外は本当の事なので多分信用してもらえる……。
僕は……なんで魔法少女なんだろう……。
「そうなってすぐ、アタシとサナが出会って魔法少女コンビ誕生したの。合ってるよね?」
「はい……。」
これは本当。
「んで、当然サナの方があっという間にファン獲得して人気者になって生活は成り立つようになった。兄は相変わらずクソニートのまま。合ってるよね。」
「はい……。」
後半以外は本当。
昔は、警察とか裁判所ってのがあったのはアニメとかで見た事あるけど、魔法少女が出てきてから消えたらしい。
噂には魔法少女達を制御出来ないまま、「魔法少女に滅ぼされた」なんて事も聞く。
だから治安を守る魔法少女に投げ銭しようって話になったとか。
……そのせいで真斗は何も出来ないまま、魔法少女サナの方で生活する事になった。
「これがサナ様エピソードゼロ!」「やはりサナ様は凄い」サナ様最高ですよね
信者のみんなは口々にサナを褒める。
ゾンビさんのフリップ気になるなぁ!
まあこんな話するタイミングなんて無かったから、ファンならそうなる。
そんな中、エキテカちゃんだけが俺の目を真っ直ぐ見てこう言った。
「そんな大変な事を乗り越えたんですね……!真斗さん偉いです!」
僕の味方はエキテカちゃんだけだよ……。と涙を流しながら伝えそうになったが必死に堪えた。
そんな空気じゃないから。
「そんなどうでもいいニートの話は置いといて、今回の議題について話そ。問題は山積みなんだから。」
本題について忘れてた!ファメちゃんが切り出したお陰で思い出した。
なんか運営上に問題があるから僕を誘った、だったよね。
「まずこの辺に現れる、通称ゴミ男。コイツが周りに被害を出しまくってるなんて話が信者から出てる。」
割と深刻そうな問題出てきた!
「次に、信者行方不明の件。誰がやってるのか未だ誰かすら分かってない。」
もっとやばそうなの出てきた!!
「やっぱこれ証拠はないけど、断罪の聖女かその信者の聖女の会が怪しい。それでいいよね?」
んん??
頷き合う信者達。
「サナを愛でてたアタシ達に、最初にケンカ売ってきたのは断罪の聖女の方だ。それの真似して聖女の会も真似し始めたのが悪い!アイツらは一方的に攻撃してきたんだ。こっちのファンを消すような奴らだ!!」
感情的に捲し立てるファメちゃん。
そんな事になってたの……?
「お前ら!今から聖女の会にカチコミかけるぞ!」
オオー!
僕はカチコミのアルバイトに参加してしまったようです。
そんなアルバイトに参加した記憶はないです!!!!