あれからそれなりの時間が過ぎた。本編を撮影し切らなければ始まらず、出演者のスケジュールや撮影現場への話合わせ等、個人製作の映像作品としてはかなりの期間がかかってしまった。それに加えて編集やグッズ制作も並行して進める必要があっため、やっと計画が始まったのは俺の41の誕生日だった。とにもかくにも祝わないと始まらないので、ドスケベ遊園地のステージを借りて祝賀会を開くことにした。
「と言う訳で本日は『ドマンコー』改め『
というのも本島規制版ですら72万本、青藍島版に至っては195万本の予約が入っている。さらにはグッズも今まで生産した在庫全てが売り切れる計算で、スポンサー側から資金を出すからもっと作れと言われる始末だ。止めに、今朝から青藍島行きチケットの予約用回線がパンクした。青藍島復活以上のイベントを覚悟し、俺を始めとしたSHO役員達は向こう2か月の休みを返上した地獄の労働が確定している。
「言っとくがめでたい席だからと無礼講をしていいわけじゃねえぞ! 羽目を外して無許可証や合意なしでハメた奴は遠慮なく"性教育センター"送りだ!」
そんな性が氾濫しかねない状況から生まれたのが新施設の"性教育センター"だ。名前は微笑ましいが、実態はHENTAIの扱いに長けたチューリップ・プリズン刑務官が条例違反者に1から10までキツくガチ説教する施設だ。ここに送りこまれてなお条例違反をした場合、問答無用でチューリップ・プリズン送りになる。夕顔所長に提案した所、『丁度特殊警備隊が退屈してたのよ。プリズンの新しい事業にも丁度いいわ』と、とても楽しそうに笑って受け入れてくれた。センター長はもちろん我らが青藍島一番の出世頭、ノロマンちゃんこと太田部夏海だ。俺直々に真ドスケベ条例と条例違反者の待遇を教え込んだので大丈夫だろう。
「だからルールを守って楽しくセックス! ということで祝砲を上げろぉ! 乾杯ぃ!」
俺がグラスを掲げると共に花火が打ち上がる。空にNSNS、No Sex No Seiranの頭文字が浮かび上がる。それと共に会場のボルテージは最骨頂を迎える。程なくして酒池肉林の混沌が始まり、これぞ青藍島という光景が広がる。
壇上から降りて禁交エリアに向かい、一足先に楽しんでいるNLNS組の所に向かう。
「相変わらずの演説だな精。拍手がまばらだった水乃月学園生時代が嘘みたいだ」
「しかしその時から一切変わらぬ血気で今なお進む雄姿……淳之介様も少し見習ってもらいたいです」
「セレンくんに奥さんができてしまいました……時の流れとは無情なのですね……」
「大丈夫だよ文佳。お前はいい女だからすぐにいい男を取っ捕まえられるさ。ラーレ作の問題格ゲーの投げキャラみたいに。何だよあのキャラ投げ判定を飛び道具のように飛ばしてくるから倫理観投げキャラとか言われんだよ」
「あなたに狙われてた時期が懐かしいわね……もう狙われる心配がないのは嬉しい反面、礼さんが不安になるのだわ」
「大丈夫だよ奈々瀬ちゃん! 精くんも礼ちゃんも毎日幸せそうにしているからね! これからも2人で幸せになっていくんだよ精くん!」
「うまいうまい! 今日はチートデイですよ! 日が変わるまで食べ続けますよ!」
それで動けなくなったら吐かせてでも動かすからなと畔に釘を刺し、彼女から分けてもらったカルビを噛みしめながらラーレ組の所に向かう。
「ラーレ史上最大の売り上げを叩き出しそうです。誠にありがとうございます、精さん」
「おかげで目が安物のササミみたいにぱさぱさになりましたけどね。目薬代は後で請求しますよ」
「こちらも当分の休みなしが確定したからな。お前の『
「相変わらず御白子は食が細いな。食える時に食っておかないと体がもたないぞ?」
「違うんです妙花さん……食べ過ぎると仕事に支障が出るから程々にしてるんです……あと、単純に受注生産の量が多すぎて不安が勝ってるんです……」
「そうなんだよねぇ……生産能力を超えた予約が入ると、作る側は嬉しさよりも不安が勝るんだよねぇ……はぁ……ネットでオナホの評価を交換し合ってた頃が恋しいよ……」
「ガツガツ! むしゃむしゃ! ガツガツ! ガツガツ! むしゃむしゃ! ガツガツ!」
「今日は許すますよ。明日からの地獄が目に見えてるから、今日だけは現実から目を逸らすます」
「すごく美味しいです! 今日はチートデイですよ! 日が変わっても食べ続けますよ!」
妹を見習って少しは抑えろと山城に釘を打ち込み、彼女から奪ったカルビを噛みしめながらSHO組の所に向かう。
「もはや知名度は私よりも上になってしまいましたね。会長の交代も時間の問題でしょうか?」
「生憎まだまだ前線で働きますよ。ところで郁子先輩は……あっちで大乱交中か。らしいや」
「精さんも奥さんとすすっとドスケベセックスしてきたらどうすか?」
「明日から体力勝負なのに今消耗してたら話にならねえよ。当面セックスレスだ」
「精くんがそんなことを言うなんて……僕のデータにはないぞ……!?」
「どうせ三日も持ちませんよ。コイツがセックスしないなんて、死ななきゃあり得ない事なんですから」
「こら蘭! 折角精さんが頭を下げて復職させてくれたのになんてこと言うんですか!」
蘭は俺の熱い懇願によってSHOに復帰させた。筋金入りのろくでなし下衆外道屑畜生女だが、人の扇動に関してはまあまあ使える所もあるので、誘導係に最適だと思ったからだ。最悪、縛って首から"Free Sex"とでも書いたボードを下げておけば、最低限の観光客の相手にはなるだろう。
「精さんも年を取ってシブくなったであります」
「そうね。まぶし銀というやつね」
アラザンかよ。それを言いたいならいぶし銀だし、俺のパーソナルカラーは金だ。相変わらずのバカ達にツッコミを入れ、一通り回りたい所は回ったので土口家と合流する。
「お前の分のカルビはとっておいてあるから安心してくれ。なんなら今すぐあーんしてやろうか?」
「ただ食べ盛りの娘がいるのは忘れんなよ。それにしても向こうはすげえな……あーしも早くセックスしてぇ」
「レイラはまだ未性人だからダメだよ。まして年齢的にはロリだから、相手にも迷惑かけちゃうからね」
「うーん……精さんの粗っぽさと優しさが見事に分けられた兄妹だなあ……」
「自慢の息子と娘です。セレンとセックスするならしっかり禁交エリアから出てくださいね。あーん……」
ボンと顔を赤くした恵理子さんとセレンの肩を叩き、礼からあーんしてもらったカルビを噛みしめながら喧噪を眺めることにした。一時は俺のせいで滅亡の危機にあった青藍島も、俺のおかげで今や映像作品の聖地になろうとすらしている。これで俺は青藍島にとって欠かせない存在になったに違いない。憎くて仕方がなかったこの島も、うっかりしていると愛おしさすら感じてしまう。愛憎は表裏一体とは正にこの事だったのか。今更ながら自分の本心に気付いてしまい、思わず笑みが浮かんでしまう。
「本当に嫌なら礼を連れて出て行ったはずだ……それでも青藍島に残ったのは、心のどこかでは青藍島を信じていたからなのかもな」
「それもあるだろうが、私はそれだけじゃないと思う」
零れたぼやきに礼が穏やかに笑いながら俺の肩に手を置いた。
「お前は何よりも自分を信じたんだ。他人を信じる時も自分が信じられると思ったから信じて、自分を失った時すらも自分を信じたんだ。だからお前はここまでやってこれたんだ」
彼女が、俺が心の底から信じた彼女がいうのなら間違いないだろう。彼女を人生の伴侶に選んで本当に良かった。感謝を伝えるためにがっしりと抱き着く。
「……ありがとう礼。俺を救って、導いて、支えて、送り出して、待って、迎えてくれて、本当にありがとう」
「……誕生日の奴からこんなプレゼントをもらうなんてな。私からもありがとう精。私を何度も幸せにしてくれてありがとう」
ギュッと抱き返される。温かくていい匂いがする。でも、興奮はしなかった。ただひたすらに幸せだという感覚が全身を駆け巡っていた。
「明日からは中々できないかもしれないから、今日の内に一杯抱き合おうか」
「そうだな。今の内に精を一杯感じておきたい」
太陽が沈んで星が昇るまで抱き合っていた。どこにでもありふれていて、それでもとても尊い、愛というものを改めて実感した。
愛を胸に刻んだ所で、その後の青藍島について話そう。翌日からの青藍島は混沌を極めていた。純粋に観光客が多すぎた。俺はどれだけ多くても例年の3倍ほどだろうと踏んでいたのだが、集計したデータによると約6.9倍来ていた。FS及びSHO総動員に加えて本島からも派遣のガードマンを雇い、それでもなお人手不足が起こったのだ。そうなると人目の届かない所でよからぬことをする奴も出てきて、俺はそういう奴らを片っ端から"性教育センター"に送り込んでいた。
「言って分からない奴は暴力で教えこめ! 条例も守れない奴に人権なんかねえ!」
「落ち着いてください精さん……! 暴力は良くないですって……!」
「ノロマン、暴力はいいぞ! 暴力は全てを解決するからなぁ!」
こんなことをしていても不届き物は全く減らず、"教育センター"は1週間にして常に満席になるようになった。そんな治安問題を解決するべく俺が思い浮かんだ妙案は、かつて異世界で行った"ハメドリくん大量発生ハメ"作戦だ。内容は単純で、俺がハメドリくんの人形を着て不届き者をぶちのめし、島のあちこちにダミーのハメドリくんを立たせるというものだ。これで大多数の奴はハメドリくんの前では大人しくなる。しかし、本物の悪はそれぐらいでは止まらない。
「たっ、たすけて! ハメドリくん!」
「ハッ! この気持ち悪い鳥は偽モンだよ! さっき蹴って確かめたからなあ!」
ダミーだと分かれば遠慮なく悪事を働くのだ。
「だから大人しく俺に犯されて分からされて────」
「手前の蹴りなんぞ、蚊に刺された方が痒いわ」
だからちょくちょく日替わりでダミーに俺が入って分からせてやった。
「そこのお嬢ちゃん……おじさんとイイコトしようよ……」
「あ? 手前ロリコンか? 止めとけ。手前は好みじゃねえ」
「なら好きにさせてあげる────」
「ロリコンは問答無用でセンター行きだ。もっとも、私が出るまでもなかっただろうがな」
「その通りだぜソフりん。すでにあーしの足はコイツのキンタマをぶっ潰している」
稀にソフりんやレイラが分からせることもあった。
「先生……僕の股間も治療してくださいよぉ……!」
「……ここはそういうプレイスポットじゃないですよ? あと今は冗談でも止めたほうが────」
「僕の恵理子さんに手を出すな」
極稀にセレンが分からせることもあったが、彼が分からせるとまあまあな後始末の書類が必要になることが多かった。そんなこんなもあって、最初の1か月を乗り切った。しかし、正念場はここからだった。この機に乗じて利益を出そうとする企業がドッとやってきたのだ。NLNSでは淳之介君が、ラーレでは内呂君の誘導によってやってきた釘谷さんが対応したが、SHOでは原作者である俺が対応することになった。
「本島でのグッズの販売権利は我が社に!」
「いやいや、我が社に!」
「アニメ制作は私たちにさせてください!」
「私たちならフル3DCGで本編再現できますよ!」
「当社の栄養ドリンクとのコラボCMを是非!」
各社のデータを取り寄せて実績や作品の評価を見て、何所が一番信頼できるかを吟味する。好きではないデスクワークが主になってきたが、主催者が逃げ出していては話にならないので、本気で検討して契約を結んでいく。
「グッズ販売に関しては『株式会社マラット』、アニメに関しては『マッパデシヨーネ』、コラボCMは『有限会社モロダス
そこからは監督として方々へ飛び回り、故郷に戻っては指導と現場対応と、青藍島なのに取り付く島もない日々だった。
「言ってる場合か! 明日はロボハメドリくん説明会の日だぞ! 演説の最中にそんなこと言ったら吹っ飛ばすからな!」
「ソフりんの当たりがキツイよ礼ぃ……おっぱいかお尻を枕にさせてぇ……不可能ならまんこ吸わせてぇ……」
「フットインザドアにするなら順番が逆じゃないか……? 今は車の中だから太腿を枕にしてくれ」
言葉に甘えて礼の太腿を枕にしたらの間にか意識を失っていて、ベッドの上で目を覚ましていた。
「……俺はどんぐらい寝たんだ……?」
確か最後に見たカーナビの時間は16時半で、今はスマホに5:30と表示されているから、13時間ぐらい寝ていたことになる。
「……夢すら見れなかった辺り、一気に眠って一気に目が覚めたな。不安な睡眠だぜ」
朝シャンを浴びて、家族の朝食を作って、今日も今日とて働きまくる。給与明細を見るのがとても楽しみだ。
"
「今度本島に真ドスケベ条例適応地を作るんだ」
「急にすごい事をぶっこんで来るな……具体的な計画は考えているのか?」
「俺の知名度と青藍島の経済効果と圧倒的な金銭で押し通す」
この度の『青誉』ブームは歴史的な経済効果を生み出し、約1919億円の経済圏を作り出した。大成功と浮かれたかったのだが、"青藍島の領土が足りない"という非常にシンプルな課題が浮き彫りになった。じゃあ広げればいいんじゃないかと思いSHO本部で会議をし、本島の過疎化が進んでいる地域は探せばまあまあありブルーンホォシャンが広がっている、とのことで今なら可能だとGOサインが出たのだ。なのでこの休みが終わったら桐香様と一緒に本島のお偉いさんと話をする予定だ。それを聞いて彼女は真顔で数回瞬きをして、思考が停止したのかそっかと気が抜けた言葉を吐き出した。
「それなら問題ないな」
「行く行くは日本をドスケベ先進国にしようと思っているが……まずは真ドスケベ条例の本当進出が最優先だ」
「うん、いいんじゃないかな」
「いつの日か本当にUSDができるかもな」
「感動的だな」
彼女の反応を見るに、この話題はちょっとハイレベル過ぎたようだ。なので別の話題を振るとしよう。
「3人目欲しい?」
「うーん……欲しくないと言ったら嘘になるが、年齢的に厳しいものがあるな……」
お互いに45になってしまい、出産適齢を過ぎている。妊娠するのも難しいし、したとしても母子ともにかなりのリスクがある。ならば無理をする必要はないだろう。
「それじゃあ子供の分はセレンの孫を可愛がるとしようか」
ついこの間セレンから恵理子さんとの間に赤ちゃんができたと報告があった。まだ男の子か女の子か分からないが、どちらでもおじいちゃん面して溺愛するとしよう。彼女もそのつもりの様でふっと軽く笑って頷いた。
「それが無難だろうな。でもこの雰囲気で何もしない、なんてことはないだろうな?」
「もちろん。あの時みたいに激しくはできないけど、礼を満足させるようなセックスをするつもりだよ」
仕事と必要最低限の家族としての交流しかできなかった激務明けの休み、俺達はただひたすらにセックスをした。気が付けば1日半経っていて、そこから礼が起き上がって騎乗位から再びセックスが始まり、最終的には脱水症状で病院に運ばれるまで続いたのも覚えている。1つの命も作らねえくせに2つの命を消そうとするなと、レイラからガチ説教されたのはいい思い出だ。
「今度はレイラに怒られないようにしないとな……んじゃ、今日はどんな体位にしようか?」
「そうだなあ……でも前回は私が決めたから、今回はお前が決めていいぞ」
「それじゃあ後背位だな。それも腰を掴んでやる激しいヤツ」
「アレだな。それじゃあ……ほら」
彼女が四つ這いになってプルンと臀部を突き出す。俺の指示で処理をさせておらず、もしゃもしゃの毛が秘部を隠している。すでにてらりと濡れており、肉棒を今か今かと待ち構えていた。だから俺はあえて顔を埋めて匂いを楽しんだ。
「んんっ……毎回やるよなソレ……そんなにいい匂いか?」
「汗で蒸れてほかほかになっていて、礼の匂いと愛液が混じって最高。これだけで射精したのも納得だね。この匂いで目覚めたい」
「そ、そうか……でも、私がお前より早く起きるのは相当難しいだろうな……」
「死ぬまでにやってくれたらそれで良いよ」
「……それじゃあ長生きするんだぞ。私も頑張るから」
最低でも彼女と同じ時に死に、その時が来るまで『金色の狂犬』として進み続けるつもりだ。返事をするように、パンパンに勃起した陰茎を尻にあてがう。
「んっ……♡火傷しちゃそうなぐらい熱いぞ……♡」
「それじゃあ礼のまんこで収めてもらおうかな?」
「もっと熱くなっちゃうかもな……♡だから早く挿入れてくれ……♡もう我慢できないんだ……♡」
彼女が自ら秘部を開いて誘う。ぽたぽたと愛液が垂れ、言葉以上に今夜を期待しているようだ。
「それじゃあ……『やりたいようにやらせてもらう』ぜ、礼」
さて、頑張りますか。
番外編を1話投稿して最終回とします。