※この作品はR-18です。

クラスから追放されたけどこちらは元気に温泉ハーレムやってます   作:姫ノ木あく

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※重要:登場するヒロインは全員成人済みです(エルフ・ドワーフ設定のため見た目と実年齢が大きく異なります)
※R-18描写多めです。苦手な方はブラウザバック推奨
※ノクターンノベルズに同時投稿しています


必要のないもの③

 

「フン!」

 

「いでぇっ!」

 

 隣にいたゆかりは思いっきり俺の足を踏んづけると、「先生!」と叫んで飛び出していく。

 ゆかり以外の数名の女子も駆けよっていった。

 まい先生は「大丈夫よ、私はなんともないわ。アーケンも解くわね」とみるみるうちに145センチいつもの小さな身体に戻った。

 小さな身体でもおっぱいはいい形にぷっくり膨らんでいる。

 

「ね? 大丈夫だったでしょう?」

 

「被害という意味では……鼻血を出した男子が何人かいるみたいです。それより、これを……」

 

「へ? 鼻血? あ、ありがとう――――――」

 

 ゆかりから学生服の上着を受けとったまい先生は、そのまま自分の身体を見回した。

 靴も靴下もストッキングも履いてなかった。

 いや、上着も下着もなにも身に着けてはいなかった。

 ブラジャーやぱんつだって……。

 すなわちこれは、全裸だった。

 

「いつから!? いつからわたし裸に!?」

 

「大きくなるところからです」

 

「全部じゃない!!」

 

まい先生はそう叫ぶと、「いやあああああああああああああ」とその場にしゃがみこんで泣き出した。

 ゆかりが裁縫部の多田(ただ)美春(みはる)と一緒に「服はどうにかしますから」と言いつつなきじゃくるまい先生を連れていく。

 正直、この時勃起していなかった男子生徒は1人もいなかったと思う。

 みんなちょっとポジションを直していた。

 ……俺も細かい筋までもろに見ちゃったし。

 眼福眼福。

 そんな風に心の中で祈っていると

「ちょうどいい。このまま全員のアーケンを確認しよう」と天藤義一郎が言ってきた。

 当然とばかりに場を仕切りだしたのが気にかかるが、言い分に異論はない。

 俺も頷いて、その場をどいた。

 だが、天藤はニヤニヤとして俺の目の前に立ったままだ。

 

「まずは三薗雪夜、あまえのアーケンを見せてくれよ。できるんだろ?」

 

 これだ。

 普段は優等生気取りのくせに、なぜか俺にだけはヤンキースタイルでちょっかいをかけてくる。

 ゆかりに告白してこっぴどく振られた噂は前に聞いたが、それのせいかも知れない。

 俺とゆかりは幼なじみなだけ。

 付き合ってもなければ、幼い頃の甘い思い出なんてのもないんだが。

 確かに仲はいい方に入ると思うが、それでも教室で多少会話を交わすくらいだ。

 

「まあ、出来そうな気はするからやってみるよ」

 

(〈ウォリアーズ・カタログ〉)

 そんな単語が頭に浮かんできた。それだけで、目の前に情報が出てくる。

 

「天藤義一郎。アース所属。高2男子。まだ転生してきたばかりの闘技者。アーケンは……〈スーパーマーケット〉……?」

 

「ちょ、な、なんだぁ……?」

 

「出てきた情報を読んだだけだ。相手の闘技者の情報がわかるアーケンみたいだな」

 

「ちっ」

 

 あからさまに態度悪く土を蹴る天藤。

 だが、すぐ思い直したように、その手になにかを取りだした。

 

「三薗雪夜。アース所属。高2男子。まだ転生してきたばかりの闘技者。アーケンは〈ウォリアーズ・カタログ〉……。なるほど! おまえのアーケンはカタログ雑誌の受け売りを見られるアーケンか」

 

 天藤のその手に合ったのは、A4版程度の本だ。

 今はその中身を読んだのだろう。

 

「天藤、おまえのその雑誌はどこから?」

 

「これが俺のアーケンさ! 〈スーパーマーケット〉なんてださい名前かと思ったら、どうやらなんでも欲しい物が手に出せるアーケンらしい」

 

「なんでも!?」

 

「多分な。ほれ、にんじん、じゃがいも。りんご」ぽいぽいと女子に野菜や果物を投げる。

 

「さっきの雑誌みたいなのも取り出せれば――――ッ」

 

 今度は俺の方に手を振りかぶって、洋風の直剣を俺の額で止めた。

 

「武器なんかも取り出せるみたいだな。これはずいぶん便利なアーケンだぜ」

 

 気分をよくした天藤は、順番に他の生徒のアーケンも見聞していく。

 いいアーケン、悪いアーケン、特に仕合に使えるかどうかというと微妙なものも多かった。

 一通りのアーケンを確認すると、今度は天藤は近くにいた案内役チャイム・スマイルに声をかける。

 

「それで仕合はどんな風に決着が付くんだ?」

 

「チームのリーダーである代表者が降参するか、殺されるかすると負けです」

 

「チームは1チーム6人まで。6人までなら2人でも3人でも構いません」

 

「ふぅん」

 

 天藤はぐるりと周りを見渡す。

 

「この人数で1人多いか少ないかは大きな問題だな?」

 

「ん? まあ、そうだな」

 

 野球部の鉈尾山(なたおやま)正隆(まさたか)が、天藤の促しに頷く。

 

「うちのクラスは先生も含めて31人だ。全部6人のチームにすると1人余っちまうなぁ」

 

「なにが言いてえんだよ」

 

 口は悪いがガールズバンドボーカルをやってたりする仁科(にしな)芽衣子(めいこ)が天藤に尋ねた。

 

「仁科のは〈ボーカル・メッセージ〉、だっけ? 歌唱中に任意の相手にだけ真意を伝えることができる……」

 

「!?」

 

「ずいぶんとまたロマンチックなアーケンだが、戦闘には使えないよなぁ」

 

「あなたねぇっ!」

 

 ロングヘアのお嬢様感がある小笠原(おがさわら)美雪(みゆき)が声をあげた。

 普段から仲よくしてる様子は見られないが、小学校から仁科とずっと同じクラスの腐れ縁らしい。

 

「おまえもだよな、小笠原美雪。〈オーロラティック・キーボード〉? 音楽が奏でられるピアノが出現するだけで、他に能力はねえの?」

 

「くっ……」

 

 そろそろ天藤の言いたいことが、みんなにもわかってきた頃だった。

 つまりこう言いたいのだ。

 役に立たない奴は出ていけと。

 必要のないものは邪魔なのだと。

 

堀江(ほりえ)みのり! おまえの〈ウィル・オ・ウィスプス〉なんかもそうだよなぁ!」

 

「もういいよ、天藤。俺がいく」

 

「あ? なんの話だ?」

 

 俺の手を振り払う天藤。

 

「俺の〈ウォリアーズ・カタログ〉はおまえの〈スーパーマーケット〉の下位互換だ。他はそれぞれ役割が違う。30人もいるんだ。組み合わせ次第では役に立つものもあるかもしれない」

 

「三薗、おまえ!」

 

 仁科がなにか言おうとしたが、俺は話を止めなかった。

 

「俺のは情報系能力だからな。元々組み合わせてパワーアップってのが考えにくいんだ。一番役に立たないって言っても過言じゃないだろ」

 

「聞いたか。みんな! 三薗雪夜くんは自分が一番役立たずだって、自分でそう認めたんだぜ?」

 

「案内役」

 

 俺は近くにいた案内役を呼び寄せた。

 確かプランタンだったか。

 

「あら、なぁに?」

 

「仕合に出てない闘技者は一体どうなるんだ?」

 

「一ヶ月以内に仕合がないと消失することになるわね。この消失というのは死亡と違って、存在としての消失で死亡のように復活することはもうないわ」

 

「チームに入ってない闘技者もいるんだろ? そいつらはどうしてる?」

 

「メンバーが空いているチームに雇われたりして食いつなぐのが普通かしらねぇ」

 

 雇われる、か。

 初心者を雇ってくれるようなアルバイトとも思えないが。

 

「一ヶ月のうちにどっかのチームに入れてもらって一戦できればいいんだろう? なんとかなるさ」

 

「でも!」と言いかける仁科。

 

「じゃあ三薗くんはとっとと別のチームでも探しに行ってくれ。敵チームってことになるからな、対戦相手になったらお手柔らかに頼むぜ」

 

 プランタンが

 

「無謀ですけど1人でチームを作って代表者になるって手もあるわよ?」

 

 と声をかけてきたが

 

「そっちの方がよっぽど無謀だよ」

 

 と苦笑して俺はこの崩れた教室を去った。

 

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