クラスから追放されたけどこちらは元気に温泉ハーレムやってます 作:姫ノ木あく
※R-18描写多めです。苦手な方はブラウザバック推奨
※ノクターンノベルズに同時投稿しています
「さて、できるだけのことはやった。後は仕合がマッチされるかどうかだな」
「お師匠様は復活早々、どこかで傭兵をしてもらうことになるかもしれませんね」
「そうか、代表者はファータになってるからフィーナが傭兵をするのは可能なのか」
「そうですそうです」
街の雑誌にもフィーナ死亡の経緯から如何にチーム〈シルヴァ〉が勝ち登ってきたかが盛んに取りあげられており、フィーナ復活までのカウントダウンをしている記事さえあった。
あと1マッチ。
少なくとも互角程度のオッズで対戦相手が組まれれば、その勝利によってフィーナは復活できるはずだ。
「……来ました」
ファータがそう言うと会議室の扉がノックされて、妖精のカナが入って来た。
「チーム〈シルヴァ〉! 次の仕合が決まりました! 24時間後、相手は〈アース1〉です!」
「〈アース1〉!?」
「天藤のチームか。〈アース1〉は〈シンシルヴァ〉にも勝ってる。対戦相手としては妥当な線だ」
「妥当な線とか言ってる場合じゃないです! アースのチームですよ!? 私たち勝っちゃっていいんですか?」
「〈シルヴァ〉こそ負けるわけにはいかないだろ。アースは1ヶ月以内にはすでに各選手は出場はしてるし、一敗したところでヴァロがなくなるわけじゃない。悪いがここは必ずこちらが勝たせてもらう」
「雪夜さんらしい言い方ではありますけど」
「そうだな、できれば殺さないでやってほしい。向こうは回復のアーケン持ちが複数いるから死にさえしなければどうにでもなるだろう」
ファータはため息を一つついた。
だが確かにチーム〈シルヴァ〉が負けるわけにはいかないのだ
「〈アース1〉の最大の利点はチームのバリエーションだ。決まっているのは代表者である天藤義一郎。あとは同じく代表者になってるまい先生、仁科、細江、島津の5人以外はメンバーの組みあわせは自由だということだ」
「翠さんや心晴さんもということですよね」
「それはそうだろう」
皆の脳裏には〈フラッシュ・ボルト〉の乱舞が駆け抜けていく。
「翠が出てきた場合は、仕合開始と同時に〈プレコグニション・アロー〉で翠を脱落させるのが第一だろうな。攻撃としては〈フラッシュ・ボルト〉の方が早くなるだろうが、その攻撃は俺が護る。この鎧なら〈フラッシュ・ボルト〉くらい無傷だからな。これに関しては天藤の〈スーパーマーケット〉でファータに攻撃がいった場合も一緒だ。基本的に俺がファータを護ることになる」
「あ、待ってください。翠さんのチーム参加はないようです。今〈プレコグニション〉に見えた画像には、〈アース1〉には女性は1人もいませんでした」
「回復なしの総攻撃で来る気か? 一気にファータ狙いのセンは考えられるな」
「それなら私がロングボウで代表者を射貫いてやろうか?」
「アリじゃねーの? それなら厄介な連射攻撃もできなくなるだろうし」
「待ってくれ。ファータの〈プレコグニション〉で見られるなら、もう少しメンバーを絞っておきたい」
「わかりました。やってみます」
まずは代表者、〈スーパーマーケット〉の天藤義一郎。
〈ライトニング・バット〉の加治田一誠。
〈ファイア・バング〉の難波一番星。
〈ジャスティス・ブレイド〉の安曇野万丈。
〈ワイルド・パンサー〉の新納朝陽。
〈オクトパス・ボール〉の上井湊。
「ありがとう、ファータ。少し休んでいてくれ」
「はい」
「総攻撃のセンで間違いないな。特に鉈尾山を外してきてるのがそれっぽい。代わりに攻撃もできる上井の〈オクトパス・ボール〉を採用したってところだろう」
俺は盤上にコインを置いてそれぞれのポジションを示した。
「さっきのフォーフォリアの案を採用して、天藤を集中的に狙ってもらおう。相手も刃物を投擲してくるから気をつけてくれ」
「そのアーケンは見せてもらった。わかっている」
「俺は基本的にファータを護る。ファータは俺の陰に隠れながら、〈オクトパス・ボール〉の上井と〈ファイア・バング〉の難波を撃ってもらおう」
「後は基本1対1に持ち込む感じかい?」
とテラリア。
「そうだなテラリアは加治田の相手をしてもらう。加治田の〈ライトニング・バット〉はテラリアには効きにくいはずだ」
「〈ジャスティス・ブレイド〉の安曇野には……シャリアス、おまえが対応してくれるか?」
「ご言いつけのままに」
「そのケンドー部ってのは、剣術をちゃんとやってる人ってことじゃないんすか? だったら、あーしが行った方が……」
「安曇野には大変悪いんだが、シャリアスの見た目に対して本気で剣を振りかざせるヤツじゃない。あいつは正義の味方だからな」
「雪夜、そういうのは」
「わかってる、俺だってシャリアスには本当はこう言うことはやってほしくない。だけどこれが一番安全で確実だ。だからシャリアス、相手を絶対殺すな。降参させるか戦闘不能にしろ。いいな?」
「雪夜様のお心遣い、感謝いたします」
「んで、〈ワイルド・パンサー〉の新納だが、猫型獣人の本気を見せてやってくれ。〈カタログ〉の数値を見てもプライムが負ける要素はない」
「あーしの見せ場ッスね! いいっすよ!」
「よし、大まかな作戦はそんな感じで、あとは適宜指示を出すよ」
皆起ち上がってうなずき合い、各自会議室を出ていった。
休めと言われて寝たファータと、それを見守る雪夜以外は。
「ん、ああごめんなさい。作戦会議終わっちゃったんですね」
「まだ時間はあるから寝ててもよかったのに」
「一応、このチームの代表者はわたしですからね。しっかりしないと」
「それも次の仕合に勝つまでだ」
「ふふふ、まだ寝ていていいんですよね。じゃあ膝枕してください」
「いいけど、普通にベッドで寝た方が休めるんじゃないか?」
「わたしが膝枕してほしいんです~」
「いいよ、ファータ。ほら、おいで」
「ぅんにゃぁぁぁぁぁぁ……」
猫のように伸びをしながら俺の膝枕にファータは頭を乗っけた。
「猫はいいですよねぇ。ふわふわしてのびのびして。わたしももっと小さい頃はお師匠様の膝の上ごろごろにゃーんてしてました」
「アハハ、かわいい仔猫だな」
俺は膝の上のファータを撫でるとファータも気持ちよさそうに自分の顔をすり寄せてきた。
「俺もこのまま寝ちゃおっかな」
「いいですよ。2人でゴロゴロしながら寝ましょ」
「それじゃファータの横に」
「膝枕は~?」
「それじゃ俺が寝られないだろ」
「しょうがないなぁ。じゃわたしが雪夜さんの上に乗っかって寝よ」
「いいよー、かわいいファータ」
「にゃ~ん」
俺は上に乗っかったファータをきゅっと抱きしめながら、しばらくの間眠っていた。
◇ ◇ ◇
そして仕合の時間がやって来た。
コロッセオの廊下を通って闘技場の門を通ろうとすると
「うそ――」
とファータが足を止めた。
「どうしたファータ?」
「大変です! 今、お師匠様の遺体がある遺体安置所がめちゃくちゃにされています!」
「は!? なんだそりゃ!? ゴレムは対処してないのか?」
「そのゴレムが暴れてるみたいなんです! このままじゃお師匠様の遺体が!」
「行って対処するしかないか!」
「これから仕合が始まるんだぞ!?」
「カナ! 俺はこの仕合メンバーから外れる! 可能だな!?」
「ギリギリいけます!」
「フィーナの遺体がなくなったらフィーナは生き返れない! 仕合に負けても同じだ! だったらどっちも対処するしかない! 作戦通りなら俺がいなくてもまだ大丈夫なはずだ! 仕合の方は頼んだぞ!」
「だったらわたしも!」
「ファータは代表者だろうが! もう行くぞ!」
「雪夜さん……! お願いします……!」
「ファータさん、入場の時間です」
カナの声にファータは唇を震わせながらも硬く首を頷かせた。
「いきましょう」
コロッセオの門が開かれると、対面には6人のアースのメンバーがいた。
対するこちらは5人。
コロッセオの案内からも急遽メンバーに欠員が出たことが知らされた。
「三薗は、まさか逃げたのか?」
「所用ができまして、そちらに向かってもらいました」
「ハッ、そんないいわけ通用するかよ」