盈虚の華燭〜嫁巫女は双子のような義兄に溺愛される 作:朱河なつめ
※前話から引き続き月経の描写がありますのでご注意下さい。
古めかしい行灯が薄らぼんやりと光を室内に投げかけていた。
八畳程の広さの和室だ。斜面側に接しているのか、入って正面は一面のガラス張りの窓が広がっている。
高級旅館のように小綺麗な印象の部屋の真ん中に、これまた高そうな分厚い布団が一組延べられてあった。
敷き布団と掛け布団は一枚ずつだが、枕は二つ仲良く並んでいる。どうぞごゆっくり
「全く気が利くこった」
凌は鼻を鳴らすと、横抱きに抱えていたそよぐを布団の上に優しく下ろした。
そよぐが身に纏っているのは、ごく淡い水色の浴衣だった。濃い紫や藍色で大ぶりの朝顔の花が染め抜かれている。
折れそうに細い腰は群青色の兵児帯で締めているものの、ふわふわとした軽さのせいか簡単に解けてしまいそうな危うさを漂わせていた。
濃紺の浴衣をすっきりと纏った凌は、気遣わしげに兵児帯の腹に触れた。
「まだ辛いか?」
「ちょっとだけ……でも、痛み止めを飲んだから大丈夫だよ」
そよぐは微笑むと、凌へ甘えるようにしなだれかかった。
風呂から上がった後、凌に急いで荷物を取って来てもらい、手持ちの痛み止めを飲んで身支度を整えた。浴場を出ると、何処からともなく現れた下男に「お床の用意が出来ております。どうぞこちらへ」と部屋の前まで案内された。
「なら良かった」
凌は目を細めてそよぐに口づけると、肩に掛けたままだったスポーツバッグのショルダーストラップを外した。
「荷物、ここに置いておくぞ」
「ありがとう」
部屋の隅に荷物を置いた凌は、布団の上に座るそよぐの前で膝を折った。
「疲れただろ? 今日はもう休んでおけよ」
「……お兄ちゃんはどうするの?」
「側にいるよ。朝になったら一旦
そよぐは凌の顔をじっと凝視した後、濃紺の浴衣の太腿にそっと右手を置いた。
「そよぐ?」
「あたし、お兄ちゃん……凌ちゃんのお嫁さんになったんだよね?」
凌は軽く噎せ込んだ。精悍な頬が夜目にもほんのり赤らんでいる。
「うん、まあ、そうだな」
「じゃあ、今夜は新婚初夜だよね?」
「しょっ……」
そよぐは右手でするすると筋肉質な太腿を撫で、上目遣いで小首を傾げた。
「何もしないの?」
「あのなぁ……」
凌は困り果てた様子で眉根を寄せた。
「あんなに血が出てる所を見たら、無理なんかさせられねぇよ」
「本番はナシでも、他にも色々出来るよ」
そよぐは一瞬躊躇したが、するりと浴衣の衿元を緩めた。
瞠目する凌へ見せつけるように、たわわで柔らかそうな乳房が覗く。
凌の左手を取ると、深い谷間に押しつけるように浴衣の内側へ招き入れた。
「一杯触ってほしいの……貴方に」
妻から夫に対する呼びかけに、凌は息を呑んだ。
左手がそろりと右の乳房に伸びて、はちきれそうな膨らみを包み込む。
月経中の為、何時も以上に敏感で張り詰めた乳房をやんわりと揉まれ、そよぐは濡れた吐息を漏らした。
「んッ……凌ちゃ……お兄ちゃんっ」
ビンビンに勃ち上がった乳首と凌の指がこすれて快感と共に母乳が滲み出す。
水色の布地をツンと押し上げる左の乳首を凌の右手がつまんだ。
「ふあっ」
浴衣越しに尖った先端をカリカリと引っ掻かれ、溢れた母乳がシミを作る。腰をくねらせるそよぐに覆い被さるように身を屈め、凌は新妻の唇を貪った。
「む、ひぁ……んッ、あ、お兄ちゃ……」
「……初夜に『お兄ちゃん』って呼ばれると、なんかゾクゾクするな」
「あ……ふ、も、呼ばない方が良い?」
快感に喘ぎながら尋ねると、凌はうっそりと微笑んだ。
「もっと呼んで。俺は兄ちゃんのままそよぐを嫁に貰えたんだって実感して、滅茶苦茶興奮する」
左の乳首を弄られながら乳房を揉みしだかれ、そよぐは甘ったるく啼きながら兄を呼んだ。
水色の浴衣の胸元がはだけ、Hカップの大ぶりな乳房がぽろんと飛び出した。
ぷっくりと膨らんだ乳輪の縁を指先でなぞられ、そよぐは凌の首に腕を絡めながら仰け反った。
「あッ、おにいちゃ、お兄ちゃん……ンっ、う,凌、ちゃ……ふあっ!」
じゅぷじゅぷと唾液を泡立てて口腔を陵辱される。同時に男らしい両手で優しく双乳を愛撫され、ちぐはぐな快感の板挟みになったそよぐは浴衣の下の太腿を擦り合わせた。
腋窩から乳房の外側にかけてのラインをなぞるように掌で撫でられ、火が点いたように熱い乳首を親指の腹でぐりぐりと転がされる。時折引っ張られたり扱かれたりすると、びゅくびゅくと母乳が噴き出して甘い匂いが立ち込めた。
「んんッ、は、くっ、あ――やァ! お兄ちゃんっ、おっぱいばっかりぃ……あ、ひぃ!」
「そよぐ、おっぱい虐められるの好きだもんな?」
「ふ、ぁ……あっ、ん、すき、おにいちゃん、すき、好き……んむぅ!?」
夢中で好きと繰り返すと、凌の舌で舌を搦め捕られて喉の奥まで押し入られた。
軟口蓋の柔らかい部分を舌先で舐られ、そよぐは潤んだ瞳を見開いた。
舌先で硬口蓋をなぞって奥の軟口蓋をぬろぬろと舐め回される。下腹部から痺れるような快感が沸き起こり、そよぐは腰が抜けてすっかりへたり込んだ。
女體の微かな震えから軽い絶頂に達した事を察したのか、凌は黒い瞳を烟らせて笑った。
「口の中もグチュグチュにされるの、好き?」
「は――あ、ンッ、ァア!?」
凌の指が両の乳首をキュッとつまみ、乳輪ごと引っ張ってスリスリと撫でられる。乳汁が勢い良く飛び散り、凌の手首を濡らした。
「ぷりぷりしたおっぱいの先っぽと口の奥のやわこい所、どっちをもっと虐められたい? そよぐの好きな方教えて?」
キスしながらくちゅくちゅと唇の裏側を舌で愛撫される。
朧な火明かりに透き通る瞳から涙を零し、そよぐは自ら舌を絡めて鼻にかかった嬌声を漏らした。
「ふ、ぅ……あっ、どっちも……どっちも好き、お兄ちゃんが触ってくれる所、全部気持ち良いの……ッ」
凌は唸るように低く笑うと、人差し指で乳首を乳輪に埋め込むように押し潰した。
「ンぅ――ッ!?」
母乳をパツパツに漲らせた乳房を揉みしだき、そよぐの軟口蓋をぷにゅぷにゅと舌先でつつき回す。
兵児帯に飾られた腰が何度も跳ね、生理用ショーツの内側で経血に混じって潮と愛液が溢れた。
そよぐの体からくったりと力が抜けると、凌は細い背中を抱え直して口を離した。
二人の唇の間に銀色の糸が伸びて、ぷつりと切れる。
浴衣から零れ落ちた豊満な乳房がそよぐの呼吸に合わせてぷるぷると弾んでいる。そこへ唾液の糸の切れ端が滴り、火明かりにぬるりと光った。
凌の腕に抱かれたそよぐが陶然と視線を向けると、彼は自分の唇をぺろりと舐めた。
「俺にされる事は全部気持ち良いんだ?」
「お兄ちゃんが、好き、だから」
はふりと息をついて頬を寄せると、堪らないとばかりに凌の眼差しが情愛に染まった。
左の首筋に残る歯型にキスが落ちた。くすぐったくて首を竦めると、右胸の歯型を指先で撫でられる。
「そよぐはさ、俺に関して度量が広過ぎ」
そよぐの首や胸元を啄むように口づけながら凌が呟く。
「え、そ……そう?」
「嫌って言って泣いても、最後には結局許しちゃうじゃん」
「何て言うんだっけ、惚れた弱み?」
湿り気を帯びた黒髪を指先で梳いていると、ぐいっと目線が高くなった。
「わっ」
そよぐを膝に抱き上げた凌はふくよかな双乳に鼻先を埋め、母乳に濡れて艶めく乳首を舌でつついた。
「んあッ、お、お兄ちゃん……っ」
「俺の方が先に惚れたのに」
右手で腰を抱かれ、浮き上がった尻を左手でさわさわと撫で回される。
驚いて凌の頭を抱え込んでしまい、顔面から谷間に埋まった凌が「ぶっ」と間の抜けた声を漏らした。
「ご、ごめ、だいじょ、お……ぅ、ひゃあんッ!」
左の乳頭部にがぶりと噛みつかれ、膨らみに立てられた歯の内側でぬろぬろと唾液を塗りたくるように舐られる。
ひくつく尻たぶを両方鷲掴まれて、力強く揉みしだかれる。
そよぐは凌の首に前傾気味に寄り掛かり、顔を真っ赤にして肩を震わせた。
「そよぐちゃん、お尻もやわこいね」
「おっ、おっぱいしゃぶったまま喋んな、ぃ、でぇ……!」
「おっぱいほど肉は付かなかったけど、丁度良い揉み心地で凄ぇ好き」
「ん、ひっ、お――お兄ちゃんの助平!」
罵倒すると咎めるように右の乳首を音を立てて吸われた。流れ出る母乳を当然のように凌が飲み下す。
「あぁ、やッ……おっぱい、そんなに吸わな、いで……っ」
「出さないと溜まって痛くなると思うよ」
「そう、だけど、はっ、あぅ……んひッ!」
乳首を甘噛みされたそよぐは短い絶頂に達した。
ぐにゃぐにゃになった女體を鍛え抜かれた体幹で軽々支え、凌は愉快そうに笑った。
「助平な旦那は嫌い?」
「……ぅ、ふ」
涙目で口をへの字に押し曲げると、右の乳房の歯型をちゅうと唇で吸われる。
「何だっけ? 助平で変態で人でなしで童貞……は、そよぐにあげちゃったけど、鬼畜で、妹誑かして奥さんにしちゃった悪い男」
「そ、そこまでは、言ってない」
「後は悋気持ちで滅茶苦茶度量が狭い。でもそよぐは、こんな俺が良いんだよね?」
尻の割れ目を開かれ、浴衣越しに陰部の凹凸をねちっこくなぞられる。
重怠い下腹部からどろりと熱が融解して流れ出す。そよぐは双乳を押しつけるように凌の頭を抱き締め、コクコクと頷いた。
「凌ちゃんっ、凌ちゃんじゃなきゃ、やぁ! そよぐは、お兄ちゃんの――っ!?!?」
無防備な陰核を探り当てられてギュッと押し潰される。視界がハレーションを起こし、そよぐの口から甲高い悲鳴が迸った。
経血と共に愛液と小水がドッと漏れ、浴衣越しにも触れて分かるほどショーツの布地が重くなった。
ずるすると崩れ落ちたそよぐを抱き締め、凌は熱の籠もった吐息を漏らした。
「……そよぐは俺のものだもんな」
耳元で囁かれ、そよぐは白い肩をひくりと揺らした。
ぼんやりと視線を向けてくる妻の唇に噛みつき、凌はハッと笑い声を漏らした。
「思い出した。絶倫もあった」
「……そよぐもいやらしいから、お互い様だと思う」
「そよぐは可愛いから良いんだよ」
バードキスの合間の蜜語だけで全身が溶けそうだ。ふにゃふにゃの顔つきで喘いでいると、凌の左手に右手を取られた。
「絶倫で、俺の奥さんが可愛過ぎて勃っちゃったんだけどさ」
「ん、えっ」
「そよぐに無理はさせたくないから……手ぇ借りてもいい?」
ぱちくりと瞬くそよぐに、凌はちょっと苦しそうに眉根を寄せて笑った。
「あたしの手?」
「うん。そよぐに手コキしてもらいたい」
「てこ……、てっ!?」
ボッと赤面したそよぐの肩口に唇を落とし、深い谷間の始まりをちろりと舐める。
「そよぐのおっぱい飲みながら手コキしてもらって抜きたいんだ」
そよぐは思わず叫んだ
「す……凄くエッチ! 凌ちゃん、エッチな事考え過ぎ!」
「十九歳男子の性欲舐めんなよ。十三年も拗らせた初恋成就したばっかなんだよ、こっちは」
「高校時代にどんなAV見てたの!?」
「五月蝿ぇ、お前が女子高生なんだから女子高生モノに決まってんだろ。都会の女子高生ならブレザーかもって、ブレザーの制服モノばっかり見てた」
「あー……あたしの母校、セーラー服だよ。襟とスカートは紺で、リボンは赤い割と古風なデザイン」
凌がぐっと押し黙る。そよぐの胸に突っ伏して悔しそうに呻いた。
「そよぐのセーラー服、滅茶苦茶見たかった……」
「そ、そんなに?」
「十九歳のそよぐは滅茶苦茶エロくて可愛い人妻だけど、十八歳のそよぐは可愛くてあどけない女子高生だったんだろ。しかもセーラー服姿の。どっちも最高に決まってる」
「お兄ちゃんの高校の制服は?」
「普通の黒の学ラン」
学生服姿の凌を想像し、そよぐは思わずときめいてしまった。
成程――今の凌も格好良いけれど、高校生の凌もさぞや格好良かっただろう。
「……じゃあ着てあげようか? セーラー服」
「は?」
勢い良く顔を上げた凌に、もじもじと提案する。
「本物は実家に置いたままで取りに行けないし、第一、む……胸がおっきくなっちゃったからきつくて入らないと思うの。でも、ほら、コスプレ衣装? 偽物のセーラー服ってネットでも買えるし、似たようなデザインは探せば幾らでもあると思うから……その、全部無事に終わったら、着てもいい……よ?」
「マジで?」
凌は食い気味に尋ねてきた。そよぐは紅潮した頬に睫毛を伏せて首肯した。
「お兄ちゃんが着てほしいなら、着てあげる」
「……ちなみに水着もアリですか?」
「みっ……え、あの……ふ、普通の水着なら、良いけど」
普通、と呟いた凌は、真剣な表情で沈思した。
「普通、普通か……良し、分かった。その時までに、そよぐに似合う水着を厳選しておく」
「あんまり恥ずかしいデザインは駄目だからね!?」
「大丈夫、俺しか見ないから」
キリッとした顔で断言されても少しも安心出来ない。
そよぐは溜め息を吐き出すと、するりと凌の頬を撫でた。
「あたしも十八歳の、高校生のお兄ちゃんに、会いたかったな」
凌の表情が変わる。
シャープな輪郭を描く青年の頬に唇で触れ、そよぐは浴衣の衿を肘の下まで落とした。
「でも――十九歳の、大人の男の人になった凌ちゃんは、もうあたしのものだから良いの」
嫣然と笑った女は、夫を誘うように豊かな乳房を揺らしてみせた。
「貴方の我が儘なら、幾らでも聞いてあげる」
凌の股間に張り出した濃紺の膨らみを右手で包み込む。凌は凛々しい眉をきつく歪め、浴衣が剥かれた滑らかな背中を掻き抱いた。
「俺、そよぐのものなんだ?」
「そうだよ。だってあたしの旦那さんだもん」
「はは……ヤバい、幸せ過ぎて死にそう」
凌はそよぐを膝から下ろすと、布団に寝転んで頭をそよぐの太腿に乗せた。
「はー、絶景」
まじまじと下から乳房を視姦されると恥ずかしい。そよぐはぺちりと凌の額を軽く叩いた。
「痛ェ」
「一々言わなくて良いからっ」
「感動してるんだよ。凄ぇ眺めだもん」
凌の右側に腰を下ろしたそよぐは左腕で凌の後頭部を支え、右手をそろりと堅い筋肉によろわれた腹に置いた。
「凌ちゃん、ここからどうすれば良い?」
「ん」
凌は浴衣の裾をはだけ、色白だが逞しく素足を晒した。
ボロンッと飛び出した赤黒い陰茎に息を呑む。
既に二回そよぐの胎に吐精しているにもかかわらず厖大な屹立の表面には青筋が浮かび、亀頭部が先走りで滑っている。
下腹部が疼くように熱くなる。尻をもぞもぞさせていると、凌が目を眇めて左手でそよぐの右手を引き寄せた。
「握って」
凌の左手が右手を包み込み、やんわりと陰茎を握らされる。
カウパー液を薄く纏った竿の部分は硬かった。相変わらず鉄の芯が入っているようだ。
掌中でにちゃにちゃと粘っこい水音がする。凌の息が乳房を掠めてむず痒い。
「そよぐの手……ちっちゃ」
「お兄ちゃんのおちんちんが大き過ぎるんだよ」
「親指と人差し指で輪っか作って、そこに通すみたいに……そう。それで優しく扱いて」
ゆるゆると右手を上下に動かされる。凌は頬を上気させ、呼吸を乱していった。
「は……そよぐ……そよぐっ……」
凌はそよぐの胸元にすり寄ると、まろやかに迫り出した左の乳房に吸いついた。
「んひゃっ!?」
生まれたての子犬が母犬の乳を求めるように夢中で乳首をしゃぶる。重く凝った乳房から母乳を吸い出される快感に、そよぐは目を潤ませて戦慄した。
すっかり疎かになっていた右手は凌の好きなように動かされていた。そよぐの指や掌の感触が心地良いのか、切羽詰まった強さで上から押さえ込まれている。
額に汗を浮かべて自分の胸にむひゃぶりついてくる表情が可愛く思えて、そよぐは凌のこめかみにキスをした。
「凌ちゃん……そよぐのおっぱい、好きなだけ飲んで良いからね?」
凌の瞳がうっすら開く。
硬い歯でカリッと乳首を噛まれ、先端を舌でチロチロと撫で回された。
「ふ、ぉ、あッ!」
右の乳首を右手で抓られた。指で乳首をふにゅふにゅと捏ねられ、乳輪に押しつけるように転がされる。
「あぁ――ひぎ、ァ、やぁ、凌ちゃ……っ、お兄ちゃん、ぅあぁ!!」
ぴゅるぴゅると熱い母乳が飛沫き、そよぐは声を振り絞って啼いた。
「あっ、そよぐ……ッ」
凌は腰を揺らめかせ、水音が響くほどそよぐの右手を大きく動かしていた。緩んだ浴衣の胸元から覗く胸板が忙しなく上下している。
そよぐはフェラチオをした時の事を思い出し、人差し指で陰茎の裏筋をツウッと撫で上げた。
凌が目を見開く。
亀頭部に触れた時に鈴口の辺りをくすぐると、凌の喉が鋭く鳴った。
「え――」
陰茎が張り詰め、凄まじい勢いでそよぐの手中に精液を解き放った。
「……っ!」
凌がぶるりと身を震わせる。精液はドクドクと鈴口から溢れ、そよぐの手首を伝い落ちる。
たっぷりと新妻の掌を白濁色に染めた凌は、射精が収束すると全身を弛緩させた。
凌が震える左手でそよぐの右手を握り締める。勢いが途絶えた陰茎が抜け落ち、右手で強く腰を抱き寄せられた。
「お、お兄ちゃん?」
凌はそよぐの乳房に顔を埋めたまま身動ぎしない。苦しくないのだろうかと思っていると、ようやく凌が薄赤い面を覗かせた。
目が合うと、凌は気まずそうに瞳を泳がせた。
「……今更だけと、この体勢ヤバいな」
「へ?」
「そよぐの――匂いが、ダイレクトに来てヤバい」
腰に回った右手がいつの間にか尻を撫でている。下半身の匂いを嗅がれたのだと察し、そよぐは耳まで真っ赤にした。
「ばかっ、お兄ちゃんの馬鹿!」
「後、予想以上にそよぐの太腿もおっぱいも掌も気持ち良過ぎて早漏になるしかなかった。俺の奥さんがマジで死ぬほどエロ過ぎる……」
凌はのそのそと起きあがると、熱に蕩け切った顔でそよぐの唇を食んだ。
「あっ……ふ、ぅ……」
「……このまま続けたらそよぐに酷い事して絶対後悔するから、今日はこれでお終いでもいい?」
唇を重ねたまま囁かれ、そよぐは瞬いた。
黒曜石のナイフのような瞳は今にも溶け落ちてしまいそうだ。
「今凄ぇふわふわしてるんだけど……そよぐにギュッてされて、寝たい……」
何時になく幼い口調に胸がキュンとした。
そよぐは微笑んで口づけを返すと、「いいよ」と頷いた。
「汚れを拭くからちょっと待ってて」
スポーツバッグからウェットティッシュを取り出して、二人の体のあちこちに付着した母乳や唾液、精液を簡単に拭き取る。口元を拭われている間、凌はむっすりとした顔で押し黙っていて妙に可笑しかった。
部屋の隅の屑籠へゴミを捨て、凌と一緒に布団に潜り込む。
要望通り凌の頭を抱える形で添い寝すると、はだけたままの胸元に頬を寄せてきた。乳房に頬擦りをしてそよぐの腰を抱き寄せる。
「ああ……そよぐがここにいる……」
微睡んでいるような呟きに、そよぐは凌の額に唇で触れた。
「ずっといるよ――貴方の側に」
「そうか……なら、良かった」
すとんと凌の瞼が落ちて、散々そよぐを味わった唇から細い寝息が聞こえてきた。
そよぐは裏葉柳の双眸を細め、凌をそっと抱き締めた。
「お休みなさい、お兄ちゃん」