※この作品はR-18です。

盈虚の華燭〜嫁巫女は双子のような義兄に溺愛される   作:朱河なつめ

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終章 蜜月②

 膣から陰茎が引き抜かれると、白濁色の体液がどろりと股の間を流れていった。

 ショーツはクロッチ部分が脇に追いやられ、陰裂の肉襞が丸見えだった。媚肉の花弁がくぱくぱと震える度に精液が奥から溢れ出てくる。

 そよぐは凌の肩に両手を置き、太腿を跨いで膝立ちになった。濡れそぼった陰裂を外気に撫でられて膣がきゅうっと収縮する。

 凌の手がずり落ちていたブラジャーの肩紐を本来の位置に戻し、フロントロックを留め直す。母乳と快感をパツパツに漲らせて弾けそうなIカップの乳房をカップの中へ押し込められ、そよぐは柳腰をくねらせた。

「なんで……脱がさないの?」

「折角だから新しい下着姿の奥さんを堪能しようと思って」

 凌は楽しそうに目を細め、ショーツのクロッチ部分を引っ張って元に戻した。

 濡れた布地が陰部にぺったりと張りついてもどかしい。勃起した乳首がブラジャーのカップと擦れてじんじんと疼く。

 ごく淡いオレンジの布地に透け感のある白のレースを重ねた下着は、夏らしく可憐なデザインだ。

 着け心地は軽くて良いのだが、面積におけるレースの割合が大き過ぎた。ブラジャーのカップは乳輪がちらりと見えてしまいそうに際どく、ショーツは臀部の大半がレース越しに丸見えだ。

 選んだのは勿論、目の前の男である。そよぐは耳まで真っ赤に染めて俯いた。

 凌は腰のくびれをするすると掌でなぞった。左手の人差し指で、クロッチ部分に浮かび上がる陰部の凹凸を前後にゆっくりと愛撫する。

「ひッ……あ、やァ!」

 湿った布地がぬちぬちと音を立てる。焦れったい刺激に腰が跳ね、窮屈そうにブラジャーに納まった豊乳がいやらしく揺らめく。

 凌の右手がクイッとフロントロックの留め具部分を下に引っ張る。僅かにカップがずり落ち、ぷっくりと熟れた乳輪と乳首がレース越しに顔を覗かせた。

 レースごと右の乳頭部に吸いつかれた。左の乳頭部をレースの上からカリカリと引っ掻かれ、そよぐは天を仰いで喉を震わせた。

「んあっ、ひ、ふぅぅ――ッ!!」

 右の乳頭部を力強くしゃぶられ、左の乳頭部をギュッと絞り出すようにつままれ、勢い良く母乳が噴き出す。同時にショーツの下の陰核を見出され、くりくりと指の腹で捏ねくり回さる。

「ふ、やあぁぁぁぁっ、おにいちゃん、アッ、だめえぇぇぇぇッ!」

 激しく下半身が痙攣し、ショーツの下で潮を噴く。しょわあ……と、小水が震える内腿を流れ落ちていく。

 凌はじっくり妻を責め苛んだ後、左右の手を入れ替えた。今度は左の乳頭部を咥え、右の乳頭部を指先で弄くり回す。

 そよぐの股間に伸びた右手の指が陰裂をグリグリと押し潰し、クロッチ部分を押し込むように陰裂の溝を抉る。左の乳首に歯を立てて痛いほど吸われ、そよぐの視界が真っ白に染まった。

「あああああああッ、いってる、いってるの、に、あッ……や、も、んあァァァァァァァァァァッ!!」

 にゅぷにゅぷとクロッチ越しに膣口をほじくられる。泣き叫んでも凌は許してくれず、更に続けて二度失禁するまで絶頂へ追い立てられた。

「おにい、ちゃ……ッ、おにいちゃん、も、やあ……」

 ひぐひぐと咽び泣きながら懇願すると、凌は漸く胸から口を離した。

 カップのレース部分は母乳と凌の唾液でベタベタだった。凌が更にブラジャーをずり下ろすと、レースの内側から鮮やかな乙女色の乳首と乳輪がぷりんっと飛び出す。

 ふくよかな乳房がぎゅっと身を寄せ合い、深い谷間を作る。凌は双乳の間(あわい)に舌を這わせ、首筋を啄むようにキスを落とす。

「そよぐちゃん、もっと声を抑えないと恥ずかしい格好誰かに見られちゃうよ」

「お、お兄ちゃんのせいじゃん……!」

 凌はククッと笑った。

 ブラジャーのカップ部分を限界まで引き下ろして双乳を剥き出しにする。ボリュームのある乳房を根元から締め上げられ、そよぐは悩ましい吐息を零した。

 柔らかくひしゃげながら迫り出したIカップの双球が呼吸に合わせ、ふるふると波打つ。

 凌の左手が右の乳房を持ち上げるように掴み、ふにゅふにゅと揉みしだく。

「そよぐのエロくて可愛いおっぱい、俺以外の奴に見せたりするもんか。……将来、子供が生まれたら別だけど」

 骨張った左手が脇腹を滑り落ち、白々とした腹部を撫で回す。臍とショーツの間に浮かぶ薄赤い痣――半(・)分(・)虧(・)け(・)た(・)下(・)弦(・)の(・)月(・)の(・)紋(・)を指先でなぞった。

 祠の封印が解けた後、満月だった紋は半月へと変化していた。哭女が本来の力を取り戻した事で、憑坐に分霊を繋ぎ止めていた桂男の術を上書きした結果らしい。

「神様の力って便利だよな。幾ら中出ししても百パーセント避妊できるなんて」

 盈月の祭が終わり、そよぐは凌の子供を妊娠する事が可能になった。

 二人ともいずれ授かりたいとは思っているが、これからの生活を考えれば今すぐにでもという段階ではない。入籍後は合意の上で毎回避妊していたのだが、それに哭女が待ったをかけた。

 ――そなたらのまぐわいは単なる交歓ではない。わたくしの憑坐である故に、内侍の身には必然的に負荷がかかる。弱まった生命力を、桂男の余りある精気で補っておるのだ。

 ――胎に子種を注がなければ、桂男の精気を吸収する事が出来ぬ。まだ孕みたくないのであれば、そなたらが真に望む時まで子が出来ぬようわたくしの水の気で子種を弾き、精気のみ受け取れるように取り計らおう。

 哭女の提案を凌は積極的に、当のそよぐは困惑しつつも受け入れた。精気の補給を絶やさない為、なるべく日を空けずに性交するよう助言された時には、本気で頭を抱えたくなった。

 身も心も今以上に凌に囚われてしまったらどうなるのか、考えると幸せ過ぎて恐ろしい。

「まさか本当に――俺が桂男の末代になるとは思わなかったけど」

 凌の掌がそっと半月の紋を覆った。

 そよぐははたと瞬いた。夕日が凌の面に濃い陰影を落としている。

「哭女様が言ってただろ、俺達の子供は必ず娘だって。その子供も、孫も、女の子しか生まれない血筋になるって」

「完全ではないけど哭女様が神格を取り戻した事で、山姫の血が桂男の血を凌駕したから……だよね」

「ああ。俺の後に桂男の血を引く男の子は生まれない。生まれてくるのは山姫の血を引く女の子だけ。それを聞いて……ホッとしたんだ」

 ぐいっと腰を引き寄せられ、凌が胸元に顔を伏せた。

 甘えるように唇で何度も乳房を吸われる。こそばゆさに似た快感に腰を揺らすと、尻から太腿にかけてフェザータッチで撫ぜられた。

 そよぐが吐息を震わせると、凌の左手がショーツの中へ潜り込んだ。

「ンッ、あ……っ」

 長い指がくぷりと膣の泥濘に沈み、あっと言う間に四本挿入された。

 硬い指の腹で恥骨の裏側やポルチオをくすぐられ、思わず凌の頭を抱え込む。

 くちゅくちゅと水音が聞こえてきて息が上がる。愛液と共に精液の残滓が溢れ、凌の手首まで濡らして滴り落ちた。

 そよぐの腟内を優しく嬲りながら、凌は独白する。

「何時か子供が生まれても、俺や親父と同じ気持ちを味わう事はない。自分の子供を不幸にするかもしれないって悩んだり怖がったりする必要はもうないんだって、安心したんだよ」

 下腹部から痺れるような快感が広がる。膝がガクガクと震え、そよぐは掠れた悲鳴を漏らして潮を噴いた。

 凌に抱き着く格好で脱力すると、右腕ががっちりと腰に巻きついた。

「ひゃ……ッ」

 自然と前傾姿勢になり、ブラジャーのカップに括られている乳房が両の二の腕でぎゅむっと潰れる。中央に寄った左右の乳首をすかさず凌が頬張った。

 ぢゅうッと音を立てて母乳を啜られ、眼前に火花が散る。やんわりと乳首を歯で挟まれチロチロと舌先で舐られると、そよぐは声も出せず激しく痙攣した。

 乳を吸われながら腟内を甘やかに苛まれ、何度も潮が飛沫く。脳裏は真っ白に染まり、掠れた喘ぎ声が軒先に響いた。

「は、ぁ……ひっ、ああ……」

 とうとう腰と膝が砕けてチノパンの太腿の上に座り込むと、漸く乳首と膣を解放された。

 男の腕の中で女體をのたうたせながら失禁すると、凌がうっそりと囁いた。

「それ以上に、そよぐが俺に抱かれなくちゃ生きていけない体になったって知って嬉しくて気が狂うかと思った。俺は一生そよぐの桂男でいられるんだって、精通したての餓鬼みたいに興奮した」

 そよぐはぼんやりと瞬いた。

 恋情を燻ぶらせる桂男の眼差しに子宮が切なく疼く。

 両手をひたりと凌の頬に添え、艶かしく濡れた唇を薄く開いた。

「貴方だけ」

 驚いた表情で瞠目する凌の唇をちろりと舐め、柔く口づける。

「そよぐが欲しいのは貴方だけ。そよぐだけを見て、そよぐの為に生きて、ずっと側にいて」

 凌の頬が忽ち真っ赤に染まった。

 噛みつくようにキスを返され、口腔を貪られる。そよぐから舌を絡めると、凌の腕に力が入ってグッと筋肉が盛り上がった。

「ふ……ぁ、んっ」

 口づけの合間にブラジャーのフロントロックを外した。

 Iカップの乳房がぶるんと弾む。尻を浮かせて苦戦しながらショーツを脱ぐと、ブラジャーと一緒に凌の背後へ放り投げた。

 凌の口内へ舌を潜り込ませながらYシャツの釦を一つずつ外していく。

 Yシャツの下から現れたランニングシャツの裾を引っ張り上げると、凌は両目を眇めた。

「……脱いだ方が良い?」

 唇を重ねたまま苦笑混じりに問われ、そよぐは頷いた。

 凌は上衣を全て脱ぐと、濡れ縁にYシャツを広げてその上に妻を横たえた。

「このシャツ、まだ新品なのに」

「クリーニングに出せば良いよ。板の間に裸で寝っ転がったら背中が痛いだろ」

 凌はそよぐの両足を開いて脇に抱え上げると、夕日を遮るように覆い被さってきた。

 すっかり硬度を取り戻した陰茎が肉襞を割り開き、ずぷずぷと膣口に潜り込む。泥濘んだ蜜壺は従順に剛直を最奥まで誘い、そよぐは反らした胸を重たげに揺らした。

「ん――あッ、ひ……!」

 ちゅぷちゅぷと子宮口を亀頭部でノックされ、膣が痛いほど収縮する。

 尻が高く浮き上がった拍子にぬるんっと胎内まで貫かれると、両足が跳ねた。

「ああっ、おにいちゃ……ッ」

 凌の左手が仰向けになっても見事な半球を描く乳房を揉みしだく。そよぐは凌の首に腕を回し、夢中で唇にしゃぶりついた。

 そよぐからのキスを蕩けるような笑顔で味わいながら、凌は乙女色の乳首を指先でぷにゅぷにゅと押し潰す。母乳がしとどに滲み出し、揉みくちゃにされる膨らみを伝い落ちる。

 亀頭部で子宮を捏ねるように小突かれる。そよぐは甘ったるい喘ぎ声を上げた。

 影になった凌の肩越しに残照に燃える空が見えた。透き通るような深い群青が広がり、涙の粒に似た星が儚く瞬いている。

 視線を巡らせると、東の空を静かに月が昇っていく所だった。

 黄金色の満月は、およそ一ヶ月前と変わらず冷ややかに下界を見物していた。哭女のような人と通じる感情らしきものは読み取れず、無機質で絶対的な存在感だけがあった。

 ――神話の時代は遠く過ぎ去り、神が人と交わる事は本来起こり得ない。

 沢鳴集落が滅びた今、哭女と変若水の存在はこのまま歴史の影に消えなければならない。哭女の真名を探し出し、本来の水源まで連れて行く旅は、とっくの昔に終わる筈だった神代の幕を下ろす為の旅でもあるのだ。

 胸の奥深く、最近は鏡のように凪いでいる仄暗い水面が微かに波立つ。

 集落を一つ滅ぼすほどの力を振るった後、哭女は大半の時間をそよぐの身の裡で眠って過ごしている。そよぐや喜世を通して外界の様子は把握しているようだが、普段は水底深く沈んで姿を見せない。

 今も仄暗い水面が揺らめいているだけで、はっきりとした思念は伝わって来ない。欠伸でもしたのだろうかと考えていると、ずちゅんッと子宮を突かれた。

「ひぁんッ!?」

 衝撃に背中がしなる。

 ぶるんとたわんだ双乳を力任せに揉みしだかれ、乳汁と共に快感が弾けた。

 両膝が顔の横に突くほど尻を持ち上げられ、胎内を深々と抉られる。凌は腰を揺らしながら不機嫌そうに睨んできた。

「何処見てるんだよ、浮気者」

「う、浮気なんかしてな……あっ、ンぃ!」

 ぐにぐにと乳首をつまんで捻り潰され、そよぐは嬌声を放った。

 両足を凌の腰に絡ませ、乳房を揉み潰す両手に掌を重ねる。下腹部に力を込めて陰茎を締めつけると、凌の眉間に皺が寄った。

「俺しか要らないって言うなら、俺だけ見ろよ」

 乱暴な口調とは裏腹に、黒曜石のナイフを思わせる双眸は縋るような懇願を浮かべていた。

 そよぐは嫣然と唇を綻ばせ、凌の手の甲に浮かぶ筋を指先でなぞった。

「悋気なんか起こさなくても、そよぐは貴方のものなのに」

「悪かったな、狭量な男で」

 凌は不貞腐れたように呟き、絞り出した乳頭部をギュッと圧し潰した。

「はあぁッ、んぅ――!」

 そよぐは高く啼いて裸身を震わせた。

「ふ……そよぐ……っ」

 ギチギチと陰茎を食い締められた凌は、吐息混じりの声を漏らした。

 母乳を吹き零す乳首を握り込まれ、くちゅくちゅと揉むように扱かれる。指の腹で先端を撫で回されると、脳髄が煮立つような快楽に襲われた。

「あ、ひゃんッ、おにいちゃん……っ、アッ、ちくび、ばっかり……ふあぁ!」

「は……ぷりぷりの乳首、虐められて気持ち良い?」

「きもちい、きもちいーよぉ……ッ、ん、でも……ちゅーしてほし……ぃあッ」

 口寂しくなってキスを強請ると、凌はうっすら笑った。

 凌の左手がそよぐの右手を攫い、指を絡ませて板の間に押しつける。のしかかってきた凌に唇を塞がれると、舌を喉の奥まで挿し込まれた。

「ンっ、ふぅ……ッ!」

 水音を立てて軟口蓋を愛撫され、そよぐは右手で凌の左手を握り返した。両足をきつく巻きつけて凌の腰を引き寄せる。

 子宮の深部に亀頭部がめり込み、ズンズンと何度も打ち据えた。右手で左乳首を躙られ、止め処なく湧き上がる母乳を放り出される。

 溢れた唾液が口の端から伝い落ちる。酸欠と快感で頭の芯が痺れ、思考の全てが凌に染まる。

 影になった青年の面の中で、濡れたような漆黒の瞳が夕闇より深く、鮮烈だった。

 再会の夜から胸を焦がして止まない、そよぐだけの桂男の眼差しが。

「おにい、ちゃんっ、ちょうだい、そよぐのナカに……いちばんおくまで、きて……っ」

 渇愛に突き動かされるまま凌に告げる。凌は息を呑み、そよぐの乳房が潰れるほど体を密着させた。

 左の首筋に噛みつかれ、凌が喉の奥で獣のように唸る。

 ずぶんッと子宮の最奥に肉棒を突き立てられた直後、熱い精液が再び迸った。

「ふあああぁぁぁぁぁぁぁ……ッ!!」

 そよぐは凌の肩にしがみつき、両足を突っ張らせた。

 脳裏が真っ白に染まり、瘧のように震えていた肢体からガクンと力が抜けた。

 凌は肩で息をしながら、グリグリと亀頭部を奥底にこすりつけた。剛直は脈打って精液を吐き出し続け、下腹部が重く熱を孕む。

 噛まれた首筋が腫れぼったい。歯型の凹凸を舌先で労るようになぞられると、背筋がゾクゾクと震えた。

 ひくつく膣壁が陰茎に絡みつき、凌が押し殺した声を漏らした。

 胸の谷間にポタポタと汗の粒が滴り落ちる。こそばゆい感覚に身動ぐと張った垂乳がゆさりと波打ち、凌が生唾を飲んだ。

 二度目の射精がそろそろ収束するが、このまま三回戦に縺れ込みそうだ。伊織と喜世が帰って来るまでに事を終えられるだろうかと現実逃避気味に考えていると、凌がのそりと身を起こした。

 汗ばんだ掌が右頬をそっと撫ぜる。

 残照の消えた宵空が精悍な肩のラインを仄青く縁取っていた。情欲が燻る双眸を眇め、凌はほろ苦い笑みを零した。

「ずっとこんな風に暮らしていけたらって思うけど、色々と落ち着いたら哭女様との約束を守らなくちゃいけねぇな」

「……そうだね」

 そよぐは凌の手を両手で包み込んだ。

 およそ一月(ひとつき)の間、哭女が旅立ちを急かすような言葉を口にする事はなかった。

 しかし、これからの拠点となる地に移住し、新しい生活の基盤が整った今、自ずと潮時であろうと感じていた。

「夏が終わったら……」

「うん?」

「関西の方に行ってみたいの」

 凌はぱちりと瞬いた。

「関西に?」

「京都とか、奈良とか……あっちは謂れのある古い神社が沢山あるでしょう? 哭女様が元々どんな神様だったのか手掛かりが掴めないかと思って」

「確かに……現代語訳してない哭女様の言葉遣いや仕草って、十二単着てそうな感じがするよな」

「そう、西の方の出身なのかなって。東京の大きい図書館で文献から調べる方法もあるけど……暫く都内には近づかない方が良いでしょ?」

 そよぐが苦笑すると、凌は複雑そうに眉根を寄せた。

「……それじゃあ手始めに、関西方面から攻めてみるか。神社だけじゃなくて、博物館や郷土資料館みたいな施設も当たってみても良いかもしれないな」

「ん……ふふっ」

 凌の親指がふにふにと下唇を揉む。

 くすぐったくて思わず笑うと、唇を軽く吸われた。

 啄むようなキスと並行して緩々と腰を揺さぶられる。何時の間にか硬度を取り戻した剛直の切っ先で子宮をぬぷぬぷと捏ねくり回され、呆気なく絶頂に達した。

 膣がきゅうきゅうと肉棒の竿を食い締め、刺激された膀胱が瞬く間に決壊する。

 生温かい小水が接合部を濡らし、尻の割れ目を流れ落ちる。凌は満足げに喉を鳴らした。

「そよぐちゃん、気持ち良いと何処でもお漏らししちゃうから使い捨てのペットシーツは忘れずに持って行こうな」

「ばっ……お兄ちゃんの馬鹿!」

 赤面するそよぐを腕の中に囲い込み、凌は烟るような目で囁いた。

「無期限のハネムーンみたいだな。そよぐと一緒に、何処へだって行けるんだから」

 何年、何十年かかるかも定かではない流離の日々を形容するには、何とも優しく甘ったるい言葉だ。

 だが二人にとって嘘偽りのない本心であり、どんなに歪でもかけがえのない幸福だった。

 そよぐは泣き笑うように微笑み、両腕をするりと夫の首に回した。

「不束者だけど――末永く宜しくね」

「こちらこそ」

 凌は妻の唇に噛みつくと、なよやかな両足を抱え上げて腰を沈めた。

 忽ち上がった娘の啼き声を、熟れた夏の月だけが聞いていた。

 

 END

 

 

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