盈虚の華燭〜嫁巫女は双子のような義兄に溺愛される 作:朱河なつめ
尻の割れ目を伝い落ちる小水の感覚に、そよぐは凌にしがみついたままグスグスと鼻を鳴らした。
「おに、お兄ちゃんの馬鹿ぁ……っ」
「今更恥ずかしがる必要なんてねぇだろ」
凌は気にした素振りもなく低く笑うと、じゅぶじゅぶと音を立てて陰茎を行ったり来たりさせた。
「あ――ッ、や、んあァァ……」
腟内の性感帯を的確に刺激しながら、快感が抜けきらない下腹部――子宮を突き上げられ、そよぐは喉を反らした。
開かれたばかりの蜜壺を隈なく愛撫するような抽送に堪らなくなって腰が震える。助けを求めて兄を呼ぶと、優しく深いキスをされた。
「お前、本当に可愛いな」
「ンッ、おにいちゃ、んぅ」
「俺しか見てないから恥ずかしがらなくていいよ。そよぐのおねしょの始末なら慣れてるから」
意地悪く囁きながら唇を触れ合わせ、凌は亀頭部でゴツゴツと子宮口をノックした。
そよぐの口から零れる啼き声を啜り、小柄な女體を掻き抱く。
「こんな時でも……お兄ちゃんって呼んでくれるんだな、お前は」
「は……ふ、ぇ?」
「俺はお前の兄貴でも何でもない。それどころか、余所の女を食い物にするような頭のイカれた家の男なのに……今でも俺の妹でいてくれるのか」
鼻先が触れる至近距離で見つめ合う。
そよぐは涙で潤んだ瞳を緩慢に瞬かせ、弱々しく笑った。
「お兄ちゃんは――お兄ちゃんだから」
両手で凌の頬を包み込む。男らしい輪郭を撫でると、凛々しい眉が歪んだ。
「あたし、男の人とキスしたの、お兄ちゃんが初めて」
「……マジかよ」
「高校生の時に彼氏が出来たんだけど、ね、手を繋いで一緒に歩くと、なんでお兄ちゃんじゃないんだろうって……いつもお兄ちゃんが手を繋いでくれたなあって、そればっかり思い出して……」
凌は呻くように呟いた
「忘れろって言ったじゃねぇか」
「忘れた振りしてたよ、ちゃんと。……でも、やっぱり、忘れられる筈なんてなかったんだよ」
烟るように微笑み、腹に力を込めて凌の剛直を締めつける。
凌の肩が緊張して筋肉がグッと迫り出す。男の腰を引き寄せるように太腿で挟み込んだ。
「お兄ちゃん、凌ちゃん……大好き」
「――ッ」
ガッと腰を掴まれ、腹がめり込むような勢いで陰茎を打ち込まれた。
「ふあぁぁぁぁぁぁぁぁあッ!?」
ポルチオを抉り、子宮口を抉じ開けようとするように滅多刺しにされる。体が振戦し、噴水のように潮が何度も迸った。
快楽漬けの子宮口が緩んだかと思うと、ぐぽんッと亀頭部が胎内まで押し入ってきた。
「ひ、ぅ、やあァァァァァァァァァっ!!」
そよぐは両目を零れ落ちんばかりに剥いて絶叫した。小水混じりの愛液が溢れ返る。
ぐぽ、ぐぽ、と何度も子宮口を貫かれ、そよぐは短い失神を繰り返した。歯がぶつかる勢いで口づけられ、限界まで足を押し開かれる。
「そ、よぐ、そよぐ、そよぐ……そよぐッ」
掠れた声で呼ばれ、必死に凌の首に抱きつく。
彼の動きに合わせて腰を揺らすと、血管の浮き上がった太い腕に背骨が軋むほど巻き締めれた。
ずちゅんと胎内に亀頭部が突き立てられる。陰茎の表面の青筋をはっきり感じるほど子宮と膣が収縮した。
「あ、ぉ、おにいちゃんッ!」
「ッ、ぐぁ……っ」
亀頭部が膨れ上がり、凄まじい勢いで大量の精液を吐き出した。
子宮に熱い精液をドクドクと注ぎ込まれ、そよぐは溺れるように大きく喘いだ。
凌はそよぐを抱き締めたまま肩で息をしている。密着した腰に体重が掛かり、屹立が深みを抉って軽い絶頂を味わった。
永遠のような射精がようやく終わりの兆しを見せ始める。凌が身動ぎ、両肘を突いて顔を上げた。
「……、……そよぐ」
これ以上なく愛おしげに名前を囁き、凌はそよぐの唇を舐めた。
そよぐの両腕がぱたりと畳に落ちた。男の長身の下で打ち震えている女體は薄紅色に上気し、艶めかしく仄光りしている。
身を起こした凌はそよぐの体を見下ろし、訝しがるように瞬いた。
ゆるゆると浮き沈みするそよぐの乳房は、明らかにふっくらと容量を増していた。乳房らしい膨らみが火明かりに丸く浮き上がっている。
AカップのバストはCカップ近くまでサイズアップしていた。呼吸に合わせてふるんふるんと揺れる果実に凌の喉が鳴る。
痩せぎすの体は全体的に心なしか肉付きが良くなっていた。僅かに伸びた栗色の髪を指で掬い、凌はそよぐの腹を見た。
子宮に挿入されたままの陰茎の形にぽっこりと膨らんだ下腹部では、三日月の紋がゆらゆらと赤く光り輝いていた。
子宮の真上に刻まれた三日月は太さを増していた。水面のように揺れる光に触れ、凌は呟いた。
「『月』が盈ちれば巫女の身に水が満ちる……」
痣を撫でられ、そよぐはこそばゆさに甘く掠れた声を漏らした。
「ん……あ、お……に……ちゃ、ん?」
「そよぐ、大丈夫か?」
ぼんやりしながら頷くと、背中の下に両手を差し込まれて抱き起こされた。
「ぅあァァァァァァッ!?」
胡座をかいた凌の太腿の上に向かい合う形で尻餅をつく。射精しても硬度を維持したままの剛直にずぷんッと
白い胸の上で林檎ほどに膨らんだ乳房が二つ、ぽよぽよと弾んでいる。慎ましい乳輪と乳首は変わらず、桜色の残像を縦に描いていた。
凌の右腕にしなだれかかって悶絶していると、重みと張りが増した右の乳房を左手で鷲掴まれた。
「ンぅ――ぉ、ああァ!」
ふにゅふにゅとまろい実りを揉まれ、そよぐは上擦った嬌声を放った。
「すげぇな。本当にデカくなってる」
「あっ、お兄ちゃ、ひぅ、やッ、ふあァァァッ!」
左右の乳房を交互にじっくりと揉みしだかれる。単純に大きくなっただけでなく感度も跳ね上がったのか、軽く揉み潰されただけで接合部から潮が迸った。
短い絶頂が立て続けに訪れ、そよぐの子宮と膣が凌の陰茎を締め上げた。凌は悩ましい吐息を漏らすと、快楽にふやけた瞳を彷徨わせているそよぐに口づけた。
「そよぐ。自分の体が変わったの、分かるか?」
「う……んぅ……?」
「祁月の男とまぐわうようになった巫女は、月の紋が盈ちるにつれて体型や体質が変化するらしい。……要は豊満でエロいナイスバディな、滅茶苦茶イキ易い体になるんだと」
「……へ……は、うぇ!?」
そよぐは仰天した。
凌は控えめとは言い難くなった乳房を揉み続けながら、両目を眇めてみせた。
「大抵の変化は一度だけじゃなくて、まぐわってる間ずっと続く。お前の体も、どんどん変わっていく」
巫女の中には、自分の存在を根底から塗り替えられていくような変貌に耐えられず心を破壊される女性も少なくないそうだ。
凌は優しくそよぐの唇を啄み、直向きな眼差しで告げた。
「お前がどんなに辛くて泣いて嫌がっても、もう俺は止めてやれない。たとえ別人みたいに変わり果てても――お前を生かす道を選び続ける」
「……うん」
そよぐはこくりと頷いた。
両腕を筋張った太い首に、両足を引き締まった腰に絡める。凌の口元が微かに笑った。
「何があっても離さないから、覚悟しろよ」
まるでプロポーズのような台詞だ。高鳴るそよぐの胸を愛撫した凌は、ゴツゴツと子宮を突いて女體を揺すり上げる。
「ひ、ああァァァ――……!」
そよぐは白い喉元を反らして甲高く啼いた。
折れそうに細い腰を凌の両手が掴む。律動に合わせ、そよぐの裸身を大きく上下させた。
「お兄ちゃ、や、ふあぁぁぁぁぁッ!!」
信じられない思いで凌の腕を押し退けようとするが、屈強な青年の膂力に敵う筈もなかった。
怒張した陰茎は鋭利な雁首で膣壁を削りながら、膣口と胎内を何往復もする。亀頭部が子宮口を貫通する度、自重が加わって脳天に響くような勢いで最奥を突き上げられる。
跳ね回る乳房は重く、月経の最中のように痛いほど凝っている。ビンビンにいきり立った乳首を凌の唇で、指先で今すぐ可愛がってほしくて堪らない。
「ふ、う……あ、ぉ、にぃちゃあ……お兄ちゃん……」
凌の両手に触れ、そよぐは拙い動きで腰をくねらせた。熱と涙に潤む双眸が縋るように凌を見つめる。
「そよぐ?」
「う……あの、ね……ぉ……おっぱ、い……」
凌はいやらしく弾む乳房を凝視した後、そっと耳元で囁くように尋ねた。
「吸われるのと揉まれるの、どっちが良い?」
「……りょ、両方」
顔から火を噴きそうになりながら答えると、凌は愉快そうに笑って口づけてきた。
「ちょっと待ってな」
畳に放られていた着流しと長襦袢を適当に丸めて即席のクッションを作る。凌はそこへ凭れるように仰向けになった。
「俺の肩に手を突いて……もっと前傾になれるか? バイクに跨る時みたいな姿勢」
凌の両肩に掴まると、ぐいっと背中を引き寄せられた。凌が膝を立てた事で陰茎が挿入されたまま尻が浮き上がり、彼に向かって乳房を突き出す形になる。
ぷるんっと揺れた乳房が凌の鼻先を掠め、そよぐは羞恥に頬を染めた。
凌は楽しそうに笑った。
「絶景だな」
「お兄ちゃん……っ」
左右の膨らみを下から掬うように掴まれ、ゆっくりと揉みしだかれる。
「ふ、う……っ、んッ、あぁ……」
先端まで熱く張った
腋窩から膨らみの外側を撫でるような手つきで性感が高まり、乳首を絞り出すように握り潰されると下腹部がキュウキュウ屹立を食い締めた。
「やっ、あ――お兄ちゃんっ、お兄ちゃ……ッ」
凌の腰が揺れてグリグリと胎を突かれる。そよぐは栗色の髪を振り乱して啜り泣いた。
「は……お前のナカ、熱くてちんこ溶けそう」
「うあ、ひっ……」
「気持ち良さそうによがる顔も堪んねぇ。可愛い、そよぐ」
ぷっくりと膨らんだ右の乳頭部に噛みつかれた。ちゅるちゅると咥え込むように吸われ、乳首を舌で舐め回される。
「はッ、あ、ンぅあァァァァァァ……!」
左の乳首をつままれて扱くように磨り潰されると、そよぐの背中が激しく震えた。
緩み切った陰部が潮を噴き、小水が凌の腰からぽたぽたと垂れ落ちる。
「ふ、え……ごめ、なさ……また漏らしちゃ、た……」
「気にしなくていいから」
慰めるように乳首を甘噛みされて子宮を揺すり上げられる。そよぐは両目を見開いて切なく喘いだ。
白桃のような尻たぶがひくつき、押し開かれた割れ目から秘部を貫く剛直がちらちらと覗く。ずぷずぷと軽く抜き差しするだけで子宮の行き止まりまで突き上げるので、そよぐは短い絶頂を絶え間なく味わっている状態だった。
凌が腰を前後に揺らした拍子に、恥丘が鉛のような陰嚢とこすれ合った。陰核と恥骨の真上を圧迫される。
「ひぁあッ!」
そよぐが声を上げると、凌はすかさずより大きく腰を前後させた。陰嚢と胎内の陰茎に挟み込まれるように恥丘周りを刺激され、娘の悲鳴が火明かりを震わせる。
「あァァァァァァッ、や、らめ、ダメっ、あ、あアッ、いひゃあああぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
子宮と膣がぎちぎちと陰茎を締めつけ、凌はきつく眉根を引き絞った。
ぶしゅるッと派手に潮を迸らせたそよぐの体から力が抜ける。凌は崩れ落ちた娘の上半身を両手で支え、胸を密着させるように抱え込むと少女のような唇を貪った。
「むぅ、ふ……んあ、あふ……」
そよぐは虚ろな瞳で従順に凌のキスを受け入れた。小刻みに痙攣する腰を撫でられ、ゆさゆさと胎を揺さぶられると口づけの狭間で甘ったるい啜り泣きを零す。
「お兄ちゃんッ、おにぃちゃ……あっ、んぅ……」
震える腕をもどかしく伸ばして凌の首に抱きつくと、体の隙間に潜り込んだ両手が双乳を包み込んだ。
「気持ち良過ぎて辛い?」
小さく笑いながら問われ、そよぐは頭を縦に振った。
凌は「俺も」と呟きながら唇を重ね、潰れてひしゃげた乳房をやんわりと捏ね回す。
「そよぐ。滅茶苦茶突かれるのと優しく突かれるの、どっちが良い?」
そよぐは濡れた睫毛を揺らし、両腕に力を込めた。
「めちゃくちゃ……に、して……」
凌は目を眇めて微笑むと、どちゅんッと勢い良く剛直を突き立てた。
「ふあァァァァァァあぁァァァッ!?」
陰核も、恥骨の外側も裏側も、ポルチオも、漏らさず抉るような動きて子宮を穿たれる。
腫れ上がった乳房を乱暴に揉みしだかれ、痛みを感じる強さで乳首を捻り潰され、そよぐは弓形に反り返って叫んだ。
「やあァ、いひゃ、おにちゃ、お兄ちゃあぁぁぁんッ」
「――そよぐ……ッ」
そよぐの下腹部に秘められた性感帯を掘削しながら、凌は押し殺した声で妹を呼んだ。
ごりゅごりゅと胎を貫く抽送はスピードを上げていく。そよぐの視界が白く明滅し、今にも体の中心から弾け飛びそうだった。
「ヒッ、あっ、ぁあ、うぁああ――」
快感が臨界点を突破する。
三日月の紋を胎内から突き上げられた刹那、子宮が雌の悲鳴を奏でるように収縮した。
「……ッ、あ、ぐっ……」
鋼のように硬い屹立から精液の奔流が切り放たれた。びゅるびゅると溢れ返る精液が接合部から流れ出し、痙攣するそよぐの太腿を伝い落ちる。
凌はそよぐの背中を掻き抱き、彼しか知らない彼女の唇の味を貪欲に堪能した。
ぐったりと凌に寄りかかったそよぐは、放心状態で口腔を深く犯された。胎内で脈打ちながら射精し続ける陰茎の存在感だけで狂おしいのに、舌を搦め捕られて愛撫されたら絶頂から下りられる筈がない。
弱々しい潮が断続的に吹き零れた。膣が忙しなく屹立の竿を締めつけ、凌の腕にグウッと力が籠もる。
「そよぐ」
名前を囁かれるだけで腰が跳ね、凌の胸板に潰された乳房が快感に張り詰める。そよぐは涙を散らし、兄に縋りついて泣き崩れた。
「あアっ、ンああッ、お兄ちゃんっ、お兄ちゃんお兄ちゃん……ッ!」
凌は腹筋を使って起き上がると、腕の中を覗き込んだ。胎内を抉られる角度が変わり、そよぐが仰け反る。
「ふあぁ……っ」
たぷたぷと柔らかそうに波打つ乳房は更に重量感を増し、大ぶりなCカップ――と言うよりもDカップまで実っていた。谷間が際立ち、乳頭部は瑞々しい赤みが濃くなっている。
下半身もまろやかな柔さを纏い、花開いたばかりの女の色香が匂い立つ。
凌は複雑そうに顔を歪めた。
「怖いくらい綺麗だな……」
「は、あ……ぁ、たし?」
「そうだよ。これから先もっと綺麗になっていくのかって思うと堪んねぇけど、同時に桂男役としてお前を巫女に作り替えていくって事だから……昔のそよぐを俺の手で少しずつ消していくみたいで、苦しい、な」
左手でそよぐの頬を撫で、凌は痛みを堪えるように笑った。
そよぐはとろんと潤んだ瞳を細め、広い掌に頬を寄せた。
「どうなっても、お兄ちゃんが側にいてくれて、可愛いって言ってくれるなら……大丈夫」
「……嘘でもお世辞でもないからな。お前がどうしようもなく可愛くて、時々心臓が持たなくなりそうになる」
凌の顔が近づいてきて当然のようにキスを交わす。つい数時間前までは誰にも触れられた事がなかったのに、体の外側も内側も凌に染め抜かれた。
舌を絡める口づけにも夢中で応じていると、いつの間にか陰茎が硬さを失いつつあった。
「そよぐ、一旦抜くぞ」
腰を持ち上げられると、ゆっくりと胎内から陰茎が引き抜かれた。どぷりと精液が垂れ落ちる。
「ん、うッ」
凌の形に拡張された膣がひくひくとわななき、喪失感すらも火種になって快感を齎した。無意識に内腿をこすり合わせる。
逞しい太腿に座らされると、凌の匂いがする着流しを羽織らされた。その上から肩を抱かれ、もう一度口を吸われる。
「そのうち検分の下男が様子を見に来る筈だから、拭くものと着替えを用意させるからちょっと我慢してくれな」
「検分?」
「儀式……まぐわいがちゃんと行われているか確認する役だよ。桂男役が快楽に溺れて巫女を手酷く犯していないか確かめる意味合いもある」
祭の間、巫女は変若水の盃に成り得る存在として丁重に扱う事が決まりだ。しかし、巫女とまぐわう桂男役の中には勘違いをしている者もいるらしい。
「巫女には何をしても……それこそ死ななければ、死にたくなるような目に遭わせても構わないんだってな」
すうっと血の気が下がる。青褪めるそよぐを抱き寄せ、凌はぼそりと打ち明けた。
「お前に拒否されても、力尽くで抱くつもりだった。他の男に汚されるぐらいなら……恨まれても、俺が抱きたかった」
「お兄ちゃん」
凌の腕は微かに震えていた。
そよぐは泥のように重い体を動かし、凌の太腿を跨いで膝立ちになった。凌の正面から手を差し伸べると、着流しが滑り落ちて変わりゆく女體が露わになる。
凌の頬を両手で包み込み、黒曜石のナイフのような双眸を見つめる。
「お兄ちゃんだけだよ。あたしがこんなに好きなのは、お兄ちゃんだけ」
「……お前が俺を慕ってくれる気持ちと、俺がお前に向けてる気持ちは、多分違う。俺の感情は――お前みたいに純粋じゃない」
凌は俯きがちに視線を逸らした。
むっとして堅い胸板に抱きつき、上目遣いに睨みつける。Dカップの乳房が窮屈そうにたわんだ。
「散々キスしたり、おっぱい揉んだり吸ったり、お股グチュグチュにしたり、お漏らしさせたり、好き放題した癖に今更格好つけないでよ」
「別に、格好つけてる訳じゃ」
「お兄ちゃんはもうキスしたくないの? あたしに触りたくないの?」
「そっ……んな事は……ない」
凌の耳がじわじわと赤くなる。
もしかして巨乳好きなのだろうかという考えが浮かび、谷間を寄せるように双乳を押しつけた。
「お兄ちゃん、あたしのおっぱい嫌い?」
「……嫌いじゃねえよ」
「なら触ってよ。あたしはお兄ちゃんとキスしたいし、一杯触ってほしいし、気持ち良い事してほしい。……あたしだって、全然純粋なんかじゃないもん」
凌はのろのろと振り向くと、薄氷のように今にも罅割れてしまいそうな表情でそよぐを腕の中に閉じ込めた。
「そよぐ」
「うん」
「――会いたかった。ずっと……お前に、会いたかった」
十三年、凌が自分へ注ぎ続けた想いの全てが込められているような言葉だった。
そよぐは涙を一筋静かに流し、大きな背中を抱き返した。
「憶えていてくれてありがとう……お兄ちゃん」
凌の体温に包まれているうちに、眠気と疲労感が急激に押し寄せてきた。
――意識を失う寸前。
格子の向こうの暗がりに冷然と佇む、青白い女の影を見た気がした。