盈虚の華燭〜嫁巫女は双子のような義兄に溺愛される 作:朱河なつめ
水の滴り落ちる音が冷たく響く。
暗闇に青白い二本の足がぼうっ……と浮かんでいる。ほっそりとした女性の足だ。
女性の足には白い長襦袢がぴたりと纏わりついていた。濡れそぼった長襦袢の裾から水滴が垂れると、古びた畳に染み込んでいく。
――着物だけでなく、女性は全身ずぶ濡れだった。
視点がゆっくりと上を向く。むっちりとした太腿、対照的な柳腰。
驚くほど豊満な乳房が長襦袢の胸元を押し上げ、今にも零れ落ちそうに深い谷間を見せつけている。
青白い肌と肉感的な凹凸が濡れた布地に透ける様はなんとも淫靡だ。腰まである黒髪は乱れ、一房乳房の丸みを強調するように張りついている。
視点が定まると、深く項垂れていた女性がのろのろと頭をもたげていく。
水を滴らせる毛先に縁取られた細い顎、血の気のない薄い唇、青褪めた頬――。
鼻筋の通った、人形のように美しい顔立ちをしている。形の良い眉の下の瞼は閉じられ、黒々とした睫毛の内側から涙が滂沱と溢れていた。
青白い瞼がぴくぴくと震え、豊かな睫毛が持ち上がる。
――両の眼窩には何もなかった。
正確には、ぽっかりと開いた黒い空孔一杯に水を湛え、眼球の表面に当たる部分が夜の水面のようにゆらゆらと揺らめいているのだ。
女性が緩慢に瞬くと、眼窩の中の水が涙となって流れ落ちた。
青褪めた唇がゆるりと解かれる。
「こ」
怖気立つほど澄んだ声が囁く。
「こ」
「こ」
「こ」
「こ」
「こ」
ぽたぽたと落ち続ける水滴の音のように、女性の声が鼓膜に染み込んでくる。
「こ」
「こ」
「こ」
「こ」
「こ」
「こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ……」
耐え切れなくなって耳を塞いでも、声は頭蓋の内側で響き続けた。
頑強な巌すら年月をかけて削り、
「こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ、こ……」
仄暗い、凍てつくように
溢れ、盈ちて、同化する――。
――そよぐは息を呑んで両目を押し開いた。
「はッ……ハアッ、は……ぁ……夢?」
大きく息を繰り返し、鍾乳石に埋め尽くされた天井を見上げながら脱力した。
暫くして呼吸が落ち着くと、そよぐはのろのろと上体を起こした。
布団代わりに掛けていた鉄紺の着流しが素肌を滑り落ちた。微かな火明かりに裸身が仄白く浮かび上がる。
滑らかな背中を半ばまで覆う栗色の髪。小柄な体躯は程良く肉付き、健康的な印象だ。
見る者の目を真っ先に奪うのは、細い二の腕からまろび出るようにたわわに実った双乳だった。
美しい椀形に膨らんだ二つの乳房は陶磁器のような乳白色に艶めき、呼吸に合わせて小刻みに揺れている。Fカップの巨乳の頂きでは、桜桃色に熟れた乳輪と乳首が控えめに主張していた。
折れそうに儚い柳腰が豊乳をより際立たせている。淡い陰毛の翳りの上、白々とした腹部には半月の形をした痣が赤く浮かんでいた。
褐色の睫毛に縁取られた双眸がきょろきょろと周囲を見回す。
火明かりに照らされた瞳は深い淵のような海松色ではなく、木漏れ日が射し込む清流の浅瀬を思わせる裏葉柳に変化していた。
岩屋の牢内にはそよぐ一人きりだった。堅牢な格子の向こうの暗がりにも誰もいない。
そよぐは安堵の息を漏らすと、膝の上で蟠っていた着流しを胸元まで引き寄せた。
鉄紺の布地に顔を伏せて息を吸い込むと、この十日ほどの間ですっかり馴染んだ凌の匂いがした。
男っぽい汗臭さを嗅いだ途端に下腹部がずくりと熱くなり、太腿の間からとろとろと愛液が溢れ出す。
「お兄、ちゃん……」
気絶するまで熱烈に自分を抱き潰した青年を思い描き、太腿をこすり合わせる。
試しに袖を通してみると、まるで凌に抱き締められているような感覚に陥った。
凌の長身に誂えた着流しは大き過ぎて、するすると肩から滑り落ちてしまった。
はだけた前身頃からたっぷりと肥えた乳房が飛び出し、澄まし顔でツンと上を向いている。そよぐはだぶつく袖から両手を伸ばすと、掌に収まり切らないサイズの膨らみを掬い上げた。
「んっ……ふ、う」
凌の手つきを思い出しながら、腋窩から膨らみの外側を撫でるように揉みしだく。
弱々しい揉捻でも痺れるような快感が沸き起こり、そよぐは軽く仰け反った。
「は――ハッ、ぁんっ、ひあ、ア、ああっ」
双乳をひたすら揉み込むと内側から熱く蕩けていく。つきたての餅のように柔らかくなる頃、そよぐの指先が乳頭部に移動した。
「あ、ンッ……んく、ふうぅ……ッ」
ぷっくりと腫れ上がった乳輪を撫で回す。痛いほど凝った乳首をつまむと、先端をカリカリと引っ掻いた。
陰裂からは大量の愛液が滴り、陰核に火が点いたようにむず痒い熱を感じる。
「うぅ――は、あ、ぅ……」
体勢に限界を感じたそよぐは、畳の上で仰向けに寝転んだ。
開いた両膝を折り曲げて尻を浮かせ、背を反らして胸乳と恥丘を突き出すようなポーズを取る。丸見えになった陰裂はてらてらと濡れそぼり、折り重なった肉襞が物欲しげにひくひくと震えていた。
「あぁ、アッ、お兄ちゃんっ、お兄ちゃん、おにい……ちゃ、あッ」
兄を呼びながら左右の乳首を弄くり回し、火照る腰をくねらせる。乳首を引っ張られてFカップの乳房が淫らに揺らめく。
膨らみの内側に熱が溜まって重く張る。再び腋窩から外側をさすりながら揉みしだくと、一瞬で絶頂に追いやられた。
「はアぁぁぁぁぁぁンっ!」
ビクンッと女體が跳ねると、盛大に潮が噴き上がった。
笑う膝が崩れ落ちないよう堪えながら、夢中で両の乳房を捏ねくる。
陰核は火傷したようにジンジンと疼いていた。二、三度潮を飛沫かせた後、そよぐはそろりと両手を陰部へ伸ばした。
右手の指で陰核をクリクリと転がし、左手の指で陰裂を押し広げると尿道口の周辺を撫で回す。絶頂の波が立て続けに押し寄せ、そよぐの背骨が弓形を描いた。
「ふ――あァァァッ、ぁあああッ!!」
もっちりとした椀形の巨乳がぼいんッと弾み、天を向いた乳嘴がますます尖る。激しく浮き沈みする恥丘の麓から四度目の潮が迸った。
膝と腰が砕けたように力が抜け落ちる。そよぐは畳に仰臥すると、はしたなく大股に広げた足の間からしょろしょろと小水を垂れ流した。
連続絶頂の余韻に揺蕩っていると、格子の方からガチンと錠前を外す音が聞こえた。
「え……」
水を浴びせられたように頭が冷える。呆然と視線を巡らせると、出入り用の戸口を潜り抜けた凌と目が合った。
錆納戸色の着流し姿の凌は立ち上がると、そのまま腕を組んで格子に凭れ掛かった。薄い口元は実に楽しそうにニヤついている。
パクパクと意味もなく口を動かして見つめ合っていると、とうとう凌が喉を鳴らして笑った。
自慰に耽る痴態の一部始終を黙って見られていたのだと悟り、そよぐの羞恥心は爆発した。
「おっ……兄ちゃんの、馬鹿あッ!!」
どっと涙が溢れ、そよぐは両手で顔を覆って号泣した。
「ばかっ、馬鹿馬鹿馬鹿、痴漢、覗き魔、馬鹿――!」
泣きじゃくりながら罵倒すると、びしょ濡れの内腿をぬるりと撫でられた。
「ひっ……アッ、う」
「馬鹿になるしかないだろ、あんなエロくて可愛いオナニー見せられたら」
耳に蜂蜜を流し込むような声が笑いながら囁く。
蕩けた膣口へ我が物顔で男の指が潜り込み、ぬぷぬぷと搔き回す。
「あ――ッ、やあ、お兄ちゃんっ!」
「俺の着物着て、俺の事考えながら一人で気持ち良くなって漏らしたのか? あーあ、着物ぐちゃぐちゃだぞ」
「ふ、え……あ、ごめ、なさ……」
啜り泣きながら謝ると、親指の腹で陰核を捏ねくり回された。
「んィ、あ!」
「怒ってねぇよ、別に。洗濯は大変そうだけど」
長い指が二本、三本とあっさり数を増やし、恥骨の裏側に当たる箇所を集中的に愛撫する。凌に開拓された性感帯を的確に責め苛まれ、そよぐは甲高い悲鳴を響かせて絶頂に達した。
ビクビクと痙攣する女體に凌の長身が覆い被さった。左手の指で膣内を刺激しながら、右手でそよぐの左の乳房を鷲掴む。
張り詰めた乳肉を揉み潰され、そよぐは激しく頭を振った。右の乳房も放っておかれる筈がなく、ぱくりと乳首を咥えられた。
硬い歯で挟まれ、ちろちろと先端を舐られる。時折ちゅうと吸われると、そよぐは堪え切れず二度目の放尿に至った。
「ああ、いやぁ……うっ、えぐ、お、にいちゃ……おにいちゃん、も、ゆるしてぇ……」
ぷしゅ、ぷしゅ、と弱々しく潮を噴き、嗚咽混じりに懇願した。
カリッと乳首を甘噛みされた。
「ひぃ――あッ」
喉を反らして悶絶する。
思わず顔を隠していた両手が外れて、待っていましたとばかりに唇を貪られた。
同時に腟内をつつき回され、左の乳房を揉みしだかれ、そよぐは絶え間ない絶頂の波に呑まれた。体も思考も麻痺し、ひたすら悦楽に沈められる。
酸欠一歩手前の状態になって、ようやく凌の唇が離れた。
「そよぐ」
名前を呼ばれて瞬くと、汚れた着流しを剥かれた。
畳に寝たまま左向きの体勢を取らされる。凌はそよぐの背後にぴったり密着すると、そよぐの右の太腿を高く持ち上げた。
「ちょっ……お兄ちゃ――ンあぁ!?」
格子に向かってあられもないポーズを強いられ、文句を言いかけたそよぐは一息に子宮口まで貫かれて声を引っ繰り返した。
錆納戸色の裾を絡げた凌は、怒張した陰茎でそよぐの胎をずちずちと揺すり上げる。
右足を広げているせいで焼けた鉄の棒のような屹立を奥深くまで咥え込み、そよぐの口から嬌声が迸った。
「やアァァァァァァ! いやッ、らめぇ――ッ!」
嫌々と首を横に振っても聞き入れてもらえず、それどころか自分で右足を持つよう促された。
「頑張れ、そよぐ。良い子だから」
「ああッ、ひぃ、おにいちゃっ、お兄ちゃん……ッ」
凌の両手が左右から回り込み、ピストンに合わせて跳ねる乳房を鷲掴む。重く張った膨らみを解すように揉みしだかれると、そよぐは凌の胸板に寄り掛かって泣き叫んだ。
「ふあァァァァッ、ン、くッ、あう……ぁあああっ!」
鋭い雁首で何度も子宮口をこすられると、視界に火花が飛び散った。
極太の陰茎を健気に飲み干そうとする陰裂から小水混じりの愛液が流れ落ち、娘と青年の太腿を濡らす。
「お前の胸、本当にデカくなったよな。……まだ育つ余地がありそうだけど」
Fカップの巨乳を揉みながら、凌はしみじみと呟いた。真っ赤に充血した乳首を引っ張るように捻り潰されたそよぐは、ガクガクと裸身を震わせた。
「おに、ちゃ……お兄ちゃ、ん……」
「気持ち良いか? そよぐ」
「んぅ……うん、きもちぃい、よ……アッ、はアぁぁ!」
陶然と頷くと、一層重く子宮を突き上げられた。
凌がうっそりと笑う。
「じゃあ、もっと気持ち良くなっていいぞ」
腰を両手でがっちりと摑まれた。
ガツンッ! と胎内の深奥に亀頭部がめり込み、そよぐの喉が掠れた悲鳴を漏らした。
上体を激しく揺さぶるように子宮を滅多突きにされる。
「あァ――……ッ、あひっ、はァァァァァァァァッ!!」
まろやかに熟れた双乳がぶるんッぶるんッと弾む。重量のあるバストが振り回される感覚が更なる快楽を呼び、そよぐは着流しの袖にしがみついて海老反りになった。
「おにっちゃ、お兄ちゃんっお兄ちゃんっ、お、ぁ、ンあァァァァ――ッ!」
「は……っ、そよぐ……ッ」
凌が苦しげな呼気を吐き出す。
処女雪より白い巨乳がいやらしく波打つ谷間から、薄い陰毛が楚々と茂る恥丘の麓に太い杭のように打ち込まれた陰茎の抽送を捉え、青年は雄臭い笑みを滲ませた。
そよぐの腰を強く引き寄せて屹立を根元まで捩じ込む。亀頭部で胎内をグリグリ撫で削ぐと、子宮と膣が陰茎を食い締めた。
「――ッ!」
「ひあァァァぁあああああああッ!!」
陰茎の鈴口から凄まじい勢いで精液が溢れ出る。
凌は背後からそよぐを掻き抱き、余す事なく吐精するように亀頭部を子宮の内壁にこすりつけた。
「あ、あぁ……や、ゃあ……」
体内から炙られるような快感に見舞われ、そよぐは凌の腕の中で身をくねらせた。胸の下に回された腕をピンピンに勃った乳首が掠め、呆気なく気を遣ってしまう。
臍の下に刻まれた半月の紋がゆらゆらと仄赤く輝く。
月の面積がじわりと広がり、盈ちゆく弓張月が浮かび上がった。
長い射精は漸々収束し、そよぐはくたりと四肢を投げ出した。両腕の間で双乳が窮屈そうにふくよかな身を寄せ合っている。
凌の匂いに包まれて茫洋と視線を彷徨わせていると、格子の向こうに立つ青白い人影が視界に映り込んだ。
氷の手で握り潰されたように心臓がギュッと縮み上がる。
熱に浮かされていた意識が冴え、ぶわっと冷や汗が噴き出した。
水の滴り落ちる音が冷たく響く。
――小柄な、そよぐと同じほどの背丈の女性だ。
びっしょりと濡れた長い黒髪、水滴が伝う血の気のない美貌。
白い長襦袢の胸元から溢れるように豊かな胸乳、湿った布地がぴったりと張りついた肉付きの良い下半身。
ほっそりとした素足の周囲には水溜まりが広がり、雫の滴る音を暗がりに木霊する。
女性の両目には――闇色の水がゆらゆらと揺らめいていた。
白ばんだ唇が微かに動く。
「こ」
ゾッとするほど澄み切った声が
「こ」
「こ」
「こ」
「こ、こ、こ、こ、こ……」
ひたすら「こ」と繰り返す声が波紋のように脳裏に広がる。
声にならない悲鳴と共に吐き気が込み上げ、咄嗟に両手で口元を押さえた。
女性はゆるりと瞬き、眼球のない両目を僅かに眇めた。
「こ」
「――いまし」
女性の唇の動きが変わる。
「まれびとのないし」
「あがいぬるふちへ」
「こ」
静かに滂沱の涙を流す女性の声がふるりと揺らいだ。
平坦な口調に生々しい感情が滲む。身を引きちぎられるような悲嘆、身を焦がすような渇望、身をどす黒く染めるような憎悪――。
「あがみときはなて」
女性が瞼を閉ざす。
ぱしゃんっと水音を立てて女性の体が崩れ落ちた。
ハッとして瞬くと、水溜まりは幻のように掻き消えていた。
「……そよぐ?」
怪訝そうな凌の声に詰めていた息をようやっと吐き出す。
震えながら凌を振り仰ぐと、彼は驚いたように切れ長な目を瞠った。
「急にどうしたんだ。顔、真っ青だぞ」
「おっ……お兄ちゃん、さっき、あそこ……に」
女性が立っていた場所を指差しても、凌は不思議そうに首を傾げるだけだった。
「誰もいないよ。暫く近づかないように、下男に伝えておいたから」
「だ、だって、女の人が……」
「……女? この屋敷で働いてる使用人も、祁月家の一族も男だけだ。女は……お前を含めて巫女として囚われている子達しかいない」
そよぐは呆然と言葉を失った。
蒼白になって凍りついている妹に、兄は声を潜めて尋ねた。
「どんな女だったんだ?」
「え……あ、あの、真っ白な着物を着ていて、頭からずぶ濡れで……目、が……」
「目が――なかった?」
凌の問いかけに、そよぐはぎこちなく頷いた。
青年の表情がみるみる強張る。「
「そいつは哭女だ」
「哭女?」
「里近くの渓流の
言い伝えによると、哭女はかつて嫁巫女の女性だったが、産まれたばかりの息子を祁月家の跡取りとして取り上げられ、悲しみのあまり両目が涙となって溶け落ちてしまった。
我が身の不幸を憂えた末、彼女は淵に身を投げた。
優れた巫女であった女性は淵に潜む水妖に化け、時折里に姿を現しては「子、子、子」と我が子を探し求めているのだという。
「哭女は、なぜか巫女の前にしか現れないんだ。……奪われた子供の代わりに巫女の子供をくれって乞うているって言われていて、だから子乞い女とも呼ぶんだよ」
凌の説明を聞きながら、そよぐを違和感を覚えた。
あの女性は、本当に子供を欲しているのだろうか。仄暗い水を湛えた虚ろな眼窩は、そよぐに何を求めていた?
「ときはなて――解き放て……『解放して』?」
「そよぐ?」
「消えた女の人が『こ』以外にも話しかけてきたの。何か……言い伝えとは違う何かを訴えたかったんじゃ――」
「そよぐ」
凌の腕にきつく抱き竦められると、挿入されたままの剛直にぞぶりと子宮を突き上げられた。
「ヒぁッ、お、兄……!?」
唐突に始まった乱暴なピストンに、思考も言葉も引きちぎられる。
凌は怒っているような、怖いほど真剣な表情でそよぐを見据えていた。
「忘れろ、そよぐ」
「はっ、お兄ちゃん、何、んあッ」
「さっき見たものは全部忘れろ。お前は哭女を見ていない。いいな?」
そよぐは大きく喘ぎながら、格子の先の暗闇に視線を向ける。
水の――哭女の涙が滴り落ちる音が、今にも物悲しく聞こえてきそうだった。
「でも、でも……ッ、ふあぁぁぁぁぁ!」
ギュッと陰核を押し潰され、喉を反らして嬌声を上げた。
凌は腰の律動を緩める事なく、左手で陰核を執拗にしだく。そよぐは嵐のような絶頂の高波に溺れた。
「いやあぁぁぁぁッ! お兄ちゃ、止まって……やァ――ッ!!」
絹を裂くような嬌声が岩屋に反響する。
飛び跳ねる双乳は今にも弾けそうに快感を漲らせていた。胸の下に巻きついた凌の右手が右の乳房を捕らえ、万力のような強さで揉み潰す。
「あ、ぁ、あ――はァァァァァァァァァァッ!!」
そよぐは間欠泉のように潮を噴き上げた。
桜色を帯びた女體がしなりながら悶絶し、押し開かれた股間から小水の滝が伝う。
凌は歯を食い縛って身を震わせ、そよぐの胎内に精液の濁流を解き放った。白濁色の雫が接合部から漏れ出し、愛液や小水と混ざり合って広がっていく。
指一本動かせず放心するそよぐの首筋に口づけ、凌は柔らかい娘の肢体を抱え込んだ。
「そよぐ……俺の、そよぐ」
「お……にい、ちゃん……」
大きな掌が視界を覆う。
薄闇の中で、まるで哀願するような声が囁いた。
「俺だけを見てくれ……お願いだ」