姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「しばらくセックスできないですよ。分かってると思いますけど」
トイレでふたりの気持ちを確かめ合った後。
そんなことを紗耶香が言った。
そんなの分かってるさ!
俺だってな、お前のお腹のなかに、俺の子供がいることを喜んでるんだから。
そんなことくらいで、文句言ったりしないから!
「……本当に、これで良いんですか? あなた」
紗耶香は困惑していた。
俺の要望を聞いて。
彼女は
俺のお願い通り。
服をまくり上げて、まだ平らな、綺麗なお腹を見せてくれている。
……俺にはそれで十分だった。
このお腹の中に、俺たちの愛の結晶が宿っている。
その事実だけで興奮する。
ぶっちゃけ、オカズになる。
夜、寝る前の時間。
夫婦の寝室で。
ダブルベッドの上。
俺と彼女。
紗耶香は寝巻の上を捲り上げて、お腹を見せてくれている。
そんなお腹を凝視しつつ。
俺は一心不乱に自慰行為をした。
紗耶香のお腹を見るだけで、激しく勃起して、ムラムラするから。
あっという間に射精。
俺はティッシュでそれを受け止め、処理をする。
「……」
紗耶香は複雑な表情をしていた。
自分のお腹を見せるだけで、ひとりで処理してしまう自分の夫に。
喜んでいいのか、呆れるべきなのか。
迷っているのか。
だから
「言っておくけど」
ティッシュをゴミ箱に捨てながら俺は
「大切な紗耶香の俺の子を妊娠したお腹だから、興奮してるんだからな? そこのところ、誤解しないでくれよ?」
そう言ってあげると。
紗耶香はちょっとだけ、照れた顔をした。
その後。
だんだん大きくなっていく紗耶香のお腹に。
俺は嬉しいのもあったけど、興奮しっぱなしで。
毎日、無事に産まれてくれ。
逆子になるな、と言い続けた。
……本来なら、産婦人科に掛かって万全の態勢で出産に備えるんだろうけど。
生憎、この環境ではそれは望めない。
だからその代わり、産婦人科に頼らずに出産する方法を考え続けた。
不可能ではないはずだ。
原始時代ではそんなもん無かったんだから。
だけど……
出産は命懸け
こういう言葉、あるよな。
大人が言うには、それは昔の話で。
今はそんなのはオーバーだ。
そりゃ楽ではないだろうが、命懸けではない。
統計に出ている。
そんなことをネットで言ってるのを聞いた覚えがある。
だけど
……この状況、その「昔の話」の状況なんじゃないのか?
どうしよう……?
出産で、紗耶香が死んだら。
そんなことになったら、俺は生きていけないかもしれない。
そのくらい、愛おしくて、大切な女なんだ。
俺はそんな自分の気持ちを、紗耶香の前で正直に口にした。
すると彼女は
すごく優しい表情になって。
俺を抱いてくれた。
そして俺の手を臨月に近づきつつあるお腹に当てさせて。
こう言ったんだ。
「……私は絶対に死にませんから。そして3人で……ううん、4人……いや5人で……幸せな家族を作っていきましょうね」
……紗耶香!
俺はこのとき。
色々あったけど、俺は……最高の女性と結婚して、お嫁さんになって貰えた。
俺は幸せ者だ……
そう、心底思ったんだ。
そしてとうとう……
彼女が臨月を迎え。
俺たちの子供が生まれる日がやってきたんだ。