姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「作文しろって……」
なんだか拍子抜けした。
前の試練のハードさと比較して、ヌルい。
小学生か中学生を相手にしてる気なのか……?
そんなの、試練でも何でもない……
そう思った俺に
『作文の内容が嘘であると感じたら、不合格。それどころか場合によったら資格剥奪もあると心得よ』
そんな追撃の言葉。
……前言撤回。
厳しく内容をジャッジされる……
つまり、嘘を書くことは許されない。
そう思うべきだ。
……来る内容次第だけど、十分試練として機能する。
そう思える試練だ。
『席につけ。どこでもいい。今回は出直しを認めない』
……まあ、2回目だし。
戦闘でも無いからね。
2人ペアになり、向かって右に山本家。左に川上家の夫婦が座った。
……原稿用紙は……
そしてそう思うと、いつの間にか机の上に。
1枚の原稿用紙と筆記用具のボールペン。
それに1通の封筒が
『封筒を開けて、書き始めよ。制限時間は3時間』
……時間制限ありか。
さて、どういう内容を指示されているんだろう?
俺は封筒を開けて確認をする。
そこには……
1.初夜を迎えるにあたっての気持ち
2.はじめて伴侶に精を放ったときの気持ち
3.はじめて伴侶が身籠ったときの気持ち
……こういう内容か。
どう書こう……
まず1だけど……
あのときは、紗耶香とキスを繰り返して、紗耶香のことを姉さんではなくただの良い女だとしか思えなくなって。
こんな綺麗で色っぽい女とセックスできる。やりたい。
……それしか無かったような気がする。
むしろ……そんな状態で無いと、実の姉と肉体関係を結ぶなんてありえなくないか?
紗耶香は美人だし、スタイルが抜群に良かったからな。
姉というカテゴリが曖昧になると、それが関係を持ちたい女性になるのは変では無いと思うんだ。
2は……
気持ちよかった。
男として、女の子宮に射精できたということに、達成感を感じた。
雄として一番したいことをした感じ。
それだけ……
いや……それだけじゃないな。
……全能感があったよ。
自分は凄い奴なんじゃないのか、みたいな。
何でそう感じたのか……?
そりゃ……
紗耶香が姉だったからだろ。
姉に精液を注ぐなんて、自分の上に存在していた紗耶香を、自分のモノにしたような……
紗耶香と同じところに上がったか、それ以上になったような感覚があった。
俺は夫婦は対等であるべきだと思ってる。
けどさ……射精した瞬間は、そうじゃ無かったな。
俺が紗耶香を手に入れた、って思ってた。
それと……
そんな大きな達成感と一緒に、確かに喪失感があったよ。
最初の1回目は。
はじめて女を抱けた達成感と引き換えに、俺から姉がいなくなった。
そんな思いがあった。心の片隅に。
最後の3は……
そこに至るまで、それが目的になってたから……
嬉しかった。
それ以外無かった。
……これ、異常なのか?
異常じゃ無いよな?
そこに至るまで、何回も紗耶香と身体を重ねて、どんどん紗耶香を女として好きになって行って。
そんな女性が自分の子供を妊娠したんだ。
それ以外、あるか?
そう思ったとき
あ、そう言えば……
俺は、出産で紗耶香が命を落とすことを頭の片隅で考えたな。俺。
喜び以外の感情で、俺が思ったのはそのことだ。
俺に身体を許してくれただけでなく。
ご飯を作ってくれて。
妻の立場で、俺を愛してくれる愛しい人。
そんな人が出産で死ぬかもしれないんだ。
その予想が湧き、恐怖した。
こんなに愛しい人がいなくなったら、俺はどうなってしまうんだ? って。
……こんなところだろうか?
そしてそんなふうに。
方向性が決まったので
俺は原稿用紙に向かい始めた。