姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
第129話 子供たち
地下8階。
地下8階は映画に出て来そうな怪人、怪物が襲ってくるフロアで。
俺は今、ピエロと戦っている。
名前はデスジョーカー。
見た目は赤毛のハゲピエロ。
頭頂部分が禿げてて残りの頭髪が血のように赤い。
衣装は典型的ピエロ衣装。
で……
紗耶香曰く、その獣のような爪が生えた手には石化と麻痺の毒があり。
口から吹雪のブレスを吐く。
そして身が軽く……
跳躍したデスジョーカーが俺の首を狙い手刀を真横に繰り出して来る。
それを俺は身を反らして躱した。
……こいつは忍者同様の身体能力を持ってるんだ。
躱しざま、俺はホルスターから抜いたゴールドカードを抜いて抜き撃ち。
全弾命中して、デスジョーカーは空中で踊った。
攻撃した瞬間しか、隙が無くてさ。
銃弾を喰らったデスジョーカーは墜落した。
……床に倒れ伏したデスジョーカーが塵になり、ゴッド貨幣に変わっていく。
かなり強かった。
……さて、向こうはどうだろう?
俺は由宇と修司さんが担当している相手は……
確か名前はダークビースト。
見た目は骸骨と爬虫類と男性器を融合させたような姿。
およそ現実に地球にいる生き物に、似た生き物は存在しない。
骨をイメージさせる爬虫類のような体に、異様に長い後頭部。
顔面に目のようなものがなく、骸骨のような口腔部分だけがある異様な姿。
怪力と強酸を吐き出す能力を持ち、体液も強い酸性を持ってる。
ゆえに、距離を置いて戦わないと返り血で深刻な怪我をする。
目が無いので、目潰しが効かない。
そんなのを相手にして
向こうは向こうで、修司さんは波動斬、居合加速、鉄斬を合わせた必殺剣。
由宇は高所からのゲイボルグを2回連続で浴びせて、遠距離で倒していた。
「2人ともナイスです」
俺は親指を立てて2人を賞賛した。
「あ、母さん父さんたちお疲れ様」
「留守番ありがとね」
「結子、ご苦労」
今日の分の探索が終わったのでタマミさんの店に戻ってきたら。
川上さんのとこの長女の
子供たちの面倒を見てくれていたんだ。
……出会ったときは10才だったけど。
今は12才? いや13才?
まあ、小6か中1の年齢か……
あと数年で、母親の由宇の外見年齢に追いつくな。
結子ちゃんは、母親の容姿を引き継ぎながら、修司さんのインテリっぽい雰囲気を持ってる子で。
こう言ってはなんだけど……
由宇より勉強できそう。
学校に通ってれば。
実際、俺の子供たちと、妹と弟の面倒。
タマミさんのサポートありだけど、見てくれているし。
出来る子なんだよな。
「ありがとう結子ちゃん」
「ありがとうね」
俺たちもお礼を言う。
「このくらい楽勝です山本のおじさんおばさん」
そんな返答をする。
多分楽勝じゃないはずなんだけどな。
まぁだから、謙遜か。
なんだかんだ言って、お姉さんっぽいよな。
この子。
読んでいた文庫本を閉じながら、そんなこと言ったのを見て、俺はそう思った。
……何を読んでたのかなと思ったけど。
どうも、推理小説らしく。
海外のやつ。
その辺訊くと
「アガサ・クリスティーです」
ああ、名前だけは聞いたことある気が。
ポワロだっけ?
言ってあげると、エラい喜ばれた。
……読み書きは多分由宇か修司さんが教えてるんだろうな。
ウチも、いずれは俺か紗耶香がやんなきゃならんのか。
そんなことを考えていたけど
ふと
……学校に通わせてあげられないのは、可哀想だな。
そんなことを思ってしまった。
この世界の状況からは、どうしようもないことなんだけど。
他に人がいないんだから。
だから思わず
「いつもウチの子を遊んでくれてありがとう」
お礼を重ねた。
するとだ
「ウチの両親と、山本さんが迷宮を踏破しないと私たち、産まれなかったことになるんでしょ? だからこれぐらい当然ですよ」
……なんか大人びてるな。
そんな答えが
「それに」
結子ちゃんは続ける。
「妹の面倒見るので慣れてますから、気にしないで下さい」
そんなことを言ってくれた。
俺は嬉しくて。
頭を撫でてあげたかったけど、そろそろそんなトシでも無いのかなと思ったので、やめといた。