姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「皆、覚悟はいいですか?」
俺のそんな呼びかけに
「アタシはもう覚悟完了よ」
「私もすでに覚悟は決めています」
女性陣はもう、腹を括っていた。
強い瞳でそう返してきた。
……これから俺たちは、自分と全く同じ能力を持つ魔物と戦うんだ。
苦戦必至。
致命的な問題点「他人から見分けがつかないかもしれない」は指輪で潰せているので、そこだけは安心なんだけど。
「なあ、山本の奥さん」
……そこで。
修司さんが紗耶香に訊いて来たんだ。
「念のために。……ドッペルゲンガーの能力、分からない?」
まあ、紗耶香は時空王の杖については詳細分かったしね。
名前だけで。
魔物もイケるかもしれない。
すると
「……狙った相手の姿形、記憶、癖、能力、技能をコピーします。その精度は完璧。コピーミスは無いです」
スラスラと語ってくれたよ。
……やっぱ分かるのか。
嫁さん、グッジョブ。
で、考えうる限りで最悪の答えだった。
記憶までコピーとなると、ここで作戦考えてもダメなんだな。
戦闘開始と同時に筒抜けになるんだから。
「……なるほど。ありがとう」
修司さん、思案顔。
そして自分の左手薬指を見て
「……この指輪が本当に生命線だな。これがないと、誰も他人の助けをすることが出来なくなる」
それな。
ドッペルゲンガーで怖いのはそこだわ。
チームプレイが不可能になりタイマンが複数になってしまうということ。
何かの拍子で指輪を奪われたら、どうしようもなくなる。
本当に気をつけないと。
そう思い、俺が覚悟を固めていると。
……紗耶香が思案顔だった。
腕を組み、顔を
何を考えているんだ??
疑問。
なので俺は
「なぁ、何を考えているんだ? 何か今の修司さんの言葉に引っかかることでもあったのか?」
そう、自分の奥さんに訊ねる。
すると
「……一応、見分ける方法はそれ以外にもありますよ。おそらく」
紗耶香はそんなことを言ったんだ。
俺たちは赤い扉を開き、潜った。
そこには真っ直ぐな廊下があり。
奥に大きな円形の部屋があり。
そこに
……俺たちが居た。
姿形、服装。
全部一緒。
表情も。
別段凶悪な表情を浮かべているとか、そういうシャドウあるあるが無かった。
もう一人の自分の定番だろうに。
……紗耶香もどきに俺は注目した。
……本物と見た目からの区別が出来なかった。
指輪以外で見た目からの判別は出来なさそう。
……その手のラブストーリーにありがちな「愛の力で判別可能」
それがどうも、無いみたいだ。
ちょっと、ショックだった。
俺は嫁さんを心から尊敬して、愛しているのにさ……!
本当に、心から愛しているのに……