姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「オニイ、愛しているよ!」
そう言いながら、指輪をしていない由宇もどきが本物の修司さんに襲い掛かり
「由宇、世界で一番好きだ!」
同じことを言いつつ、由宇に修司さんもどきが襲い掛かる。
……クロスか。
やり方に人の心を感じないわ。
攻撃に躊躇をしてしまう組み合わせで襲うなんて。
例え正体が分かってても、全く同じ顔で、同じ表情で、愛を口にされながら襲われたら。
手が鈍る。
……そして俺の方は……
紗耶香もどきが襲っては来なかった。
俺もどきが来た。
理由は簡単だ。
バトルの面で見れば、アタッカーとバッファーじゃ勝負にならないもの。
手が鈍っても、やる気になったらその時点で終了だ。
向こうは両方ともアタッカーだから成立するんだ。
クロスカップリング。
だからさすがに来なかったし。
俺もどきは無言だった。
俺は俺もどきの刃物のような手刀、蹴りを避け、流して対応する。
……俺、強いな……。
自分の攻撃を捌きながら、実感する。
なんか、自画自賛みたいだけどさ。
自分の必殺の攻撃が通りにくいと判断したのか。
俺もどきはバックステップし。
金色の球……金霊石を取り出し、印を結び
「発動!」
……金遁の術を躊躇なく使ってきた。
こいつにとってはこのバトルが全てだから、惜しむ理由がないもんな。
俺には難しい話だが、
……どうしよう?
俺も使うべきなのか?
金霊石、数がもう無いんだが……?
迷った。
迷ったけど……
ええい!
「発動!」
俺も金霊石を消費し、金遁の術をこっちも発動させた。
ケチったせいで敗北したら、節約どころの話じゃないからな!
俺と俺もどき。
双方ゴールドカード二丁拳銃で撃ち合いをする。
乱射するときはそのままで。
単発のときは曲がる弾丸を。
……ハッキリ言って膠着状態。
早くこいつを倒して、紗耶香を助けて。
そのまま川上さん夫婦を助けないといけないのに。
焦ってしまうが、相手の実力は俺と一緒。
落ち着かないと。
そのときだった。
「アアアアアッ!」
悲鳴が轟いた。
俺の心臓が掴まれてしまう。
何故って……
「紗耶香ッ!」
思わず視線を向けてしまった。
紗耶香の悲鳴だったから。
……紗耶香と紗耶香もどき。
消去法でいけば残るのはこの2人なんだから、当然戦っているはず。
そして
そこにいたのは、左手の指を親指以外全部無くした紗耶香と。
左手の手首から先を無くした紗耶香がいた。
双方、青い顔で。
出血を右手で押さえている。
双方の足元にアセイミーナイフが落ちていた。
……流石に何が起きたのか理解した。
この2人、互いの左手をアセイミーナイフで斬り落として無くしてしまったのか!?
俺たちの結婚指輪が嵌った左手を……!?