※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第15話 理解不能の戦い

 ゴブリンに見つかった。

 見つかってしまった……。

 

 こうなってしまえば、俺のやることは1つだ。

 

 ……逃げ帰るのは無理だ。

 もう、戦うしかない。

 

 何故って……

 

 この状態で逃げ帰れば、ゴブリンどもに自宅の位置を教えることになる。

 それだけは絶対にダメだ。

 

 家には大切な妻と息子がいる。

 あの2人だけは絶対に守らないと。

 

 ……例え、それで俺が死ぬことになっても。

 

 周囲に武器になるものを見つけられなくて。

 俺は最終手段として、ケーキの箱を足元に置いて半身の構えを取る。

 

 ……空手を使う。

 

 これしかない。

 

 ……俺は別に、部活で弱くは無かった。

 わりと上位勢だった。

 

 トップでは無かったんだけどな。

 

 だからまあ、ワンチャンこれでアイツらを全滅できる目はあるんじゃないか?

 

 ゴブリンどもの持っている武器は……

 

 短剣、棍棒、そして手斧。

 

 幸い飛び道具が無い。

 イケそうだ。

 

 ……いや

 

 やってみせる!

 

 

 

「うおおおおおお!」

 

 俺は雄叫びをあげて地を蹴って、ゴブリンどもの群れに突っ込んだ。

 

 ギイギイいう耳障りな鳴き声をあげて、ゴブリンどもが迎え撃って来た。

 

 俺は突っ込んで、一番近くにいた、短剣を逆手に持って襲ってくるゴブリンに……

 

 喉を狙って貫手を繰り出していた。

 

 ……無意識だ。

 何故、貫手だったのか。

 

 俺は理解できなかった。

 貫手の稽古なんてやったことなかったのに。

 

 そして俺の貫手は……

 

 ゴブリンの喉を貫き、半ば斬首していた。

 ブシュア、と紫色の血液が噴き出る。

 

 後から考えると、え? って感じなんだが。

 その時の俺は興奮状態で

 

 そのまま別の近場のゴブリンに、足刀蹴りを頭部目掛けて繰り出して。

 ゴブリンは回避が間に合わなくてそのまま喰らい

 

 ……その頭部が吹っ飛んで、永久に黙ることになった。

 

 ありえない……

 

 重ねて言うが、その時はそうは思わなかった。

 興奮状態で。

 

 ギイイイ!

 

 そしてゴブリンたちは仲間を2匹瞬殺されたので、不利と思ったのか。

 

 ヤツらが出て来た地下道に一目散に逃げこんでいく。

 

 ……勝った……のか?

 俺は臭いゴブリンからの返り血を浴びた状態で、今の戦いを反芻していた。

 

 ……ありえない。

 

 何で俺、無意識で貫手を繰り出していたんだろうか?

 

 自分でやったことだけど。

 意味不明だ。

 

 空手を知らないイキリ野郎の悪ふざけみたいな。

 そんなことを無意識でしてしまった。

 で、それが通用した。

 それもありえないレベルで。

 

 考えられない……

 

 何なんだ……?

 

 生き残れて、家族を守ることにも成功した俺だが。

 俺は自分のやったことが理解できなくて、困惑というか……

 

 恐怖にも似た想いを抱いていた。

 

 ……何が起きている?

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