姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
第150話 そろそろ考えないとな
「やっぱコの字型迷宮だったか」
「試練の扉か……」
男2人。
俺と修司さんで周囲を見回す。
でっかい廊下に、両サイドに並ぶ扉。
3階と6階と一緒の構造。
「3階でお互いのなかよしを見せ合って、6階で作文書いて朗読会」
「……9階は何をさせられるんでしょうね?」
ちょっとだけ不安げな顔で由宇と紗耶香。
予感としてはバトルは来ないと思ってるんだろうけど。
別方向のキツさを予想してるんだろうね。
地下9階は伝説級の怪物が魔物として出てくるフロアだった。
全身を炎に包まれた巨鳥。
フェニックス。
クエエ、と鳴き声をあげて宙を舞い、火炎の吐息を吐きかけてくる。
その鳥としての姿は孔雀に似てる。
紗耶香に訊いたら「朱雀か鳳凰では?」って言われたんだけど。
両肩にアナコンダ級の大蛇を生やした身長3メートル超えの髭面の巨人。
ザッハーク。
両肩の蛇が、涎を垂らしていて。
その涎が床に落ちて煙をあげていた。
紗耶香曰く、蛇の食糧は人間の脳なので、噛み付く力が恐ろしく強いらしい。
「ダイヤモンドダスト!」
「ブリザード!」
フェニックスへの修司さんと紗耶香の魔法攻撃。
刀を鞘に納めて居合腰。
その状態で両手の平を向け、絶対零度の冷気を放射する修司さん。
それに追随し、吹雪の嵐を呼び起こす紗耶香。
冷気の攻撃を2連続で叩き込まれ、悶え苦しむフェニックス。
そこにチャージを終えた修司さんの全部乗せ居合斬りが閃き、一刀両断。
フェニックスはゴッド貨幣に変わって消え去った。
「ゲイボルグ!」
由宇が飛行状態になり、光の翼を羽ばたかせて舞う。
そして槍を召喚してはザッハークに投げつけ、ゲイボルグを発動させる。
降り注ぐ投げ槍の雨は、確実にザッハークを削っていく。
そして
「ダブルゲイボルグだぁ!」
召喚槍とドラゴングレイブによる2連打ゲイボルグ。
その発動を合図として俺は跳躍し、空中で回転。
……真空波の予備動作。
回転により、真空波のエネルギーを溜めるんだ。
まあ、数回の回転なんだけども。
そして放出。
空中回転からの、
俺の素手斬撃の攻撃効果範囲が数メートルに拡大され。
満身創痍のザッハークの顔面から胸、股間まで一刀両断。
唐竹割で、左右に倒れる。
そして着地。
片脚だ。
微動だにしない。
その後2つの転倒音がしたとき、ザッハークは大量のゴッド貨幣に変化した。
「……真空波、どんな感じ?」
「んー、初回よりは消耗がマシになったかな」
由宇の問いに俺は素直な感想を述べた。
真空波には「慣れ」が必要のようだ。
初回はしんどくなったけど、回数を重ねるとどんどんマシになり。
今はちょっと足の関節に少しギシギシした感覚がある程度で。
回復なしで2発目いけそうなんだよね。
「なるほど……山本旦那氏が強くなれば、戦闘が安心になるからそういうことならありがたいよ」
由宇は喜んでくれる。
うん。ありがとう。
素直に俺は感謝し
「まぁ、我が家の助力は任せてくれ」
山本家の代表者として俺は由宇にそう胸を叩きながら言った。
……ちなみに、先日胸を斬られたときについた黒装束の裂傷。
1回脱いだら塞がった。
……破れたまんまだったらどうしようかと思ったけど。
そうじゃなかった。ありがたい。
……しかし。
もうすぐ地下10階で、この試練の迷宮が終わる。
そうなると、次は世界創造だ。
……そろそろ、考えるべきなのかもしれないな。
俺たち、どんな世界を創っていくべきなのか?
そのことを。