姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
水族館に来た。
少し、ドキドキした。
……発案者は俺だからな。
魚が1匹も居なかったり、全滅してたら俺の立場が無い。
「まぁ、行きましょう」
紗耶香に、転移が起きる前には良くデートで行きましたよね。
そんなことを言われる。
……うん。
そうだな。
まあ、ハタから見たらトシの離れた姉弟にしか見えないので、デートだとは思われて無かったと思うけどさ。
で、開きっぱなしの水族館の入り口の門を潜り。
中に入ると
別に水族館は滅んではいなかった。
何故か、現役でやっている。
人間は誰も居ないんだけどな。
「おお……」
大型水族館とは比べ物にはならないけど。
エイや、カラフルな南国産の魚。
海の魚だけじゃなく。
アロワナや、ピラルクまでいたよ。
……この水族館から目を放している間に進化したのか。
それとも、家の近くのスーパーが季節の特売品を揃えてくるような感じで。
独自進化したのかな?
まぁ、ありがたいわ。
ピラルクを見た来斗が、明らかにビビっててね。
でっかいもんな。
地下2階に到達したら、タマミの店に預けっぱなしだったし。
魔物を目にする機会が無いから怖いのかね。
なんとなく、思うところがあったので肩車をしてやった。
そのまま水槽を順繰りに見て行って。
ピラニアの水槽を発見。
「変な顔の魚だー」
来斗が俺の上でそんなコメントを。
目の付け所が嬉しくなり
「この水槽に入ってしまうと食べられてしまうぞ」
まぁ、嘘ではない。
あの変な顔は、噛み付きが凄い表れで、水に落ちた生き物を群がって食べるんだと教えた。
来斗は
「うわーん」
……やっぱりちょっとビビッていた。
「嘘の話だとは思うんだけどね、ピラニアがいるアマゾンってところでは、ピラニアの川を渡るときに、川に牛を投げ込むって話があるわ」
……俺の話を紗耶香が引き継いで。
紗耶香がそんな創作だけど、ピラニアの恐ろしさを表現するお話を来斗と明日香に。
そんな話を聞かされた息子は
「牛さんが食べられている間に渡るの?」
そう、自分の母に問い
「そう」
母がそう答えると
「牛さん可哀想」
息子は感想を返す。
……紗耶香の話に、来斗のそんなコメント。
こういうコメント出るの、嬉しくはあるかな。
優しさを感じるわ。
子供っぽい、幼稚な純粋真っ直ぐかもしれないけどさ。
……実際子供なんだけど。
俺は思わず、来斗の頭を撫でてしまった。
……この子たちを絶対に守る。
それは俺たち夫婦の責任だ。
俺たちのところに来てくれた愛しい我が子を「居なかったこと」になんてさせやしない。
そうして、俺たち家族は水族館を満喫し。
その次にデパートの屋上のプチ遊園地にも行ってみたけど。
そっちはメリーゴーランドが動かせなくてね。
しょうがないから、パンダの乗り物に息子を乗せた。
お金を入れると一定時間客を乗せて動くやつだ。
……ゴッド以外の貨幣を久々に使ったなぁ。
まあ、別に惜しくは無いけどな。
これ以外、使い道なんて無いんだしな。
動くパンダに大喜びする息子を見れて、俺は嬉しかったよ。
紗耶香も嬉しそうに見ていた。
明日香もやりたがるかなと思ったけど。
明日香にはまだちょっと、早かったみたいだった。