※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第16話 息子の導き

「ただいま」

 

 帰って来た俺が、変な臭いのする液体で汚れまくっていたからか

 

「パパ、どうしたんですか!?」

 

 そう、紗耶香が玄関で俺を見て驚く。

 そりゃま、そうだよな。

 

 奇跡的に無事だった誕生日ケーキ……

 それを一応、渡して

 

「それを食べたらすぐに引っ越し準備だ」

 

 そう言い残し。

 

 俺は風呂場に直行した。

 

 紗耶香は色々訊こうとしてきたけど。

 悪いけど無視した。

 

「シャワーしてから話す」

 

 そう言って。

 このときばかりは、効率を重視したかったからだ。

 

 

 

「怪物が駅前地下道から出て来た? ……それもゴブリンが?」

 

 紗耶香の反応は、心底驚いていたけど。

 ……俺を疑ったり、馬鹿にする様子は全くなくて。

 

 ただ、信じられない話だ。

 何が起きているんだ?

 

 そういうもので。

 

 彼女の俺への想いの一端を見た気がして、嬉しかった。

 

「そういうわけだ。すぐに引っ越しだ。細々としたものは、転居先でまた手に入れよう」

 

 ……転居先もここと同じように、生活インフラ完備、物資無限湧きの状態である保証は無いんだけど。

 ここにいると、怪物と隣接して生活することになる。

 

 その危険性。

 

 こっちは絶対に無視できない。

 

 だからそう言ったんだけど

 

 反対の言葉が、意外なところから来たんだ。

 

 それは……

 

「ぱぱ、まま、逃げるのダメ」

 

 ……紗耶香の腕に抱かれている、息子の来斗の口からだった。

 

 

 

 え……?

 

 混乱する。

 

 意味が通る文章を、息子が口にした。

 1才になったばかりの息子が。

 

 ……この前も複数の単語を駆使した言葉を発語していたけど。

 あのときは意味が分からなかったから

 

 ただの偶然だろう。

 

 そう思って、流していたんだけど

 

「逃げたらぜんぶ終わる」

 

 ……明らかに意味が通る複数単語の言葉を話している。

 

 俺は息子に「詳しく話して」って言いそうになったけど……

 

 1才の息子に、流石にそれは無理だろ。

 

 この状況が意味不明で、ありえないレベルなのに。

 そのいっこ先「詳しい説明」

 ……流石に無理だろ。

 

 そう思ったので、躊躇う。

 

 すると

 

「ぱぱ、ぱそこ、つけて」

 

 ……ぱそこ……パソコンのことかな?

 

 俺は

 

 息子がそういうならと

 

「分かった。パソコンだな」

 

 頷いて。

 家族の共用パソコンが置いてある部屋……夫婦の寝室に向かったんだ。

 

 

 

 パソコン。

 今も使えるし、ネットにも繋がる。

 無論、今は更新が無いんだけどさ。

 

 時期は2年前になるけど、一応当時の最新型。

 俺たちの父親の趣味で、ゲームをするのに最適の、お金が掛かった高額パソコンだった。

 

 俺たちはそこに行き、パソコンを起動した。

 

 すると普通に立ち上がり。

 基本画面に。

 

 そして

 

「……あれ?」

 

 ……なんか、見慣れないフォルダがあったんだ。

 フォルダの名前は「今すぐこれを読め」ってなっていて

 

 一瞬、ウイルスを疑ったけど……

 

 今の世の中で、ウイルス?

 むしろありがたいだろ。

 

 それって、この状況でも活動している他人が居るってことの証明になると思うし。

 

 そう思い、ちょっとだけ躊躇った後、クリック。

 

 すると……

 

「ステータスモード、そしてリードミーの文書ファイル……」

 

 中にはファイルが3つしか入ってなかった。

 ステータスモードというアプリのファイルが2つ。

 それぞれに「山本拓斗」「山本紗耶香」

 ……俺たち夫婦の名前が入っていた。

 

 で、リードミー。

 説明書ってことか?

 

 それは何の変哲もない文書ファイルで。

 

 俺はそれをクリックした。

 

 そこに書かれていたのは……

 

「君たちは創造神候補生に選ばれた……?」

 

 そんな一文から始まる、とんでもない話だったんだ。

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