※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第12章 世界創造開始
第169話 新しい世界へ


 紗耶香が修司さんを道連れにして自爆し。

 そして今、由宇を俺が倒した。

 

 俺はこの迷宮最下層の試練の部屋にひとりきり。

 そこに

 

『よくぞ勝ち残った。お前たち夫婦の勝利だ』

 

 天の声が降って来た。

 

 ……黙れ。

 

 そう言いたかった。

 けれど

 

 創造神になるために、俺たちはここまでやってきて。

 そのために今、川上夫婦を倒した。

 

 ……それをフイにするわけにはいかない。

 

 沈黙する。

 

 天の声は続ける。

 

『さあ、思うままに新しい世界を創造するがいい』

 

 その言葉を聞いた直後。

 俺の視界が真っ白になった。

 

 

 

 気が付くと。

 

 暗い空間に居た。

 暗いのだけど、視界は問題なくて。

 

 目の前に紗耶香が居た。

 

 格好は、デスブラストで自爆したときのまま。

 金色の西洋古代の巫女風衣装。

 金色のドレス。

 

 彼女は無反応で。

 俺の目の前にいるのに、何も言わない。

 

 でも俺は、予想が正しかったんだと思い、構わず彼女を抱きしめる。

 そして言った。

 

「紗耶香。勝ったよ」

 

 その言葉を口にしたとき。

 俺は苦しかった。

 

 由宇の最後の泣き顔が目に浮かんだ。

 俺は自分の家族を守るために、戦友の家庭を消滅させたんだ。

 

 ……罪悪感に震える。

 

 彼女は何と応えるだろうか……?

 

 いや、それよりも……

 

 ここで恐怖が沸き起こる。

 

 ……この紗耶香は、本当に紗耶香なんだろうか?

 最終試練で死んだ場合は精神が死に、身体だけ生き人形として復活する……そんな可能性は無いだろうか?

 

 そこに気づき、恐怖に染まりそうになった。

 だけど……

 

 そこでスッと、紗耶香の手が俺の背中に回されて

 

「あなた……家族のために辛いお役目、ご苦労様でした」

 

 こんな言葉が掛けられて。

 俺は自分の予想が正しかったんだと、今度こそ確信した。

 

 そして

 

「……もう我慢しなくて良いんですよ?」

 

 こんなことを言われて。

 

 そこで俺は、堪えていた涙を流し、嗚咽を洩らした。

 

 

 

 しばらく泣いて、落ち着いたので。

 俺たち夫婦は、周囲の状況を確認する余裕が出来た。

 

「……子供たちはいないですね」

 

 紗耶香の言葉。

 ……そうだな。

 

 まず、そこが気になるし。

 不安になるよな。

 

 まさかとは思うが、試練を突破するしないに関わらず、子供たちはいなかったことになる?

 そんなの酷いだろ。無いわ。

 

 俺たちは我が子を守るために決断したのに。

 

 ……だから、それは無いと信じたい。

 

「どうすれば来斗たちをこっちの世界に呼べるんだー?」

 

 俺は声を張り上げて、天の声、黒幕、運営……あの試練を計画し、俺たちを次元移動させた超越存在に届けと呼びかける。

 しかし、待てど暮らせど無反応。

 

 ……もう、サポートはしないよと。

 そういうことか?

 

 どうしよう……?

 

 俺たちはまた周囲を見回した。

 何もない。

 

 天も地も無い。

 

 いや、俺たちは確かに立っているんだけど、地面がさ、なんか確認できないんだよね。

 2本足でしっかり立っているのに。

 

 どこに立ってるんか分からんのだよ。

 

 ……ああ、でも。

 

 何か居るわ。

 

 遠くに。

 

 でけえ象に似た生き物と

 超でかい鳥。

 そして宙を舞う大きな魚。

 あと、身体から炎を噴射してガ〇ラみたいにぐるぐる飛んでる変な球形の生き物。

 

 ……こっちを襲う意思を感じないけど。

 居る。

 

 ……ありゃなんだ?

 

 紗耶香もその変な生物の一団には気づいたみたいで。

 自分の顔を触りながら、じっと考え込んでいた。

 

 そして

 

「あなた、とりあえずあの生き物を全部殺してみましょう」

 

 いきなり、そんな物騒なことを言い出したんだ。

 ……えっと?

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