姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
お説教と釘差しが終わって。
アタシたちは2人きりになった。
場所はオニイの部屋。
オニイの部屋……
アタシが処女を失った場所。
オニイの部屋はアイドルのポスターみたいなものが無い。
かなり無骨な部屋。
この部屋の持ち主の真面目な性格が伺えるね。
……まあ、ベッドの下にエッチな本と小説があるのは知ってるけど。
本棚に並んでいるのは、勉強関係以外は武器に関する資料本。
オニイ、そっち方向のマニアだから。
鎖鎌がどうとか、モーニングスターがどうとか。
話始めると止まんないんだよね。
……そんなことを思い返しながら、オニイと向き合って座っていた。
ぺったんこの座布団2枚、並べて。
で。
「……怒られたけど、認めて貰えてよかったね」
「……そうだな」
まさか、兄妹の設定が義兄妹に切り替わっていたなんて。
希望が広がった。
……ひょっとしたら、あの幸せを取り戻せるかもしれない。
そんな希望が。
アタシは
「オニイ、セックスは我慢してね」
……まずこれを言った。
母さんに釘を差された。
この約束は破れない。
アタシはそう思うんだ。
するとオニイは
「……分かった」
ちょっと迷いがあったけど。
同意してくれた。
……10年も夫婦してて。
男の人の性衝動の厄介さは理解してるから。
すっごく申し訳なかった。
だから……
「毎週水曜日が部活休みだから、アタシ学校終わりに、オニイの下宿に顔を出すよ」
オニイの下宿のある街までは電車で1時間ちょい。
アタシの高校のある街の駅までは電車で20分。
ちなみにアタシの駅は、オニイの街までの途中の駅だ。
なので、学校帰りに寄るなら1時間掛からないで行ける計算。
オニイは
「……良いのか? しんどくないか? それに母さんが……」
そう、気遣ってくれる。
嬉しい。幸せだ。
まあ、母さんはアタシがオニイの下宿に顔を出して、こっそりセックスする可能性を考えそうだけど。
そこは神に誓って「しない」って言おう。
……なんか妙な気分だけどね。アタシが神を口にするの。
成り損なったのがあるから。
アタシは
「将来的に結婚する気なんだから、週一でご飯を作りに行くって言うし、実際それもするつもりだし」
そう。
ある意味本命は……
「本番さえしなければ大丈夫なわけだし。……水曜日に、その、色々してあげるから……」
本番セックスは無理だけど、毎週水曜日に将来のお嫁さんの責務として、ナマの女の奉仕をしてあげよう。
もの足りないかもしれないけど、それで我慢して欲しいな。
……そしてアタシは意を決した。
息を吸い込み
「修司」
……オニイを呼び捨てにした。
思えば、拓斗はお嫁さんであるお姉さんを、アタシらの前では常に名前で呼んでた。
子供がいるときだけ、パパママ呼びだったけど。
この辺の、夫婦としての覚悟の違いが、あの最終決戦で出た気がする。
あの夫婦、完全に姉弟から夫婦に移行していたんだ。
……なんか悔しいじゃん。
だからアタシも、これからはそうしようと思うんだ。
……どうだろう?
オニイ、怒るかな?
表情を伺った。
すると
……抱きしめられた。
大きな身体で。
もう、絶対に逃げらんない。
ドキドキしちゃう。
そんなアタシにオニイ……修司は
「……これからは2人きりのときは呼び捨てで頼むな。すごく嬉しい……」
……許してくれた。
嬉しいのはこっちだよぉ……修司。
アタシは思わず泣いてしまった。