姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
第188話 世界の完成
「空に天体がありませんね。そういえば」
紗耶香の指摘。
そういやそうだ。
この世界、視界は利いてるんだけど暗いんだ。
天体が無い。
なーんも無い空。
……どうしたものか。
しばし、考えて
……ああ、そっか。
俺は気づいてしまった。
俺は来斗と明日香、美香を見る。
ハイハイでこの場までやって来た美香は、すでに紗耶香に抱き上げられている。
そして俺の足元で、立って見上げてる幼い息子と娘。
3人の子供たち。
この子たちが鍵なのか。
俺は来斗を抱き寄せ、頭を撫でて
「来斗」
「何? パパ?」
俺を見上げてくる我が子。
大切な、紗耶香が産んだ俺の息子。
俺は……
「来斗。お前には太陽の神になって欲しい……頼めるか?」
そう、息子にお願いする。
俺の言葉に
「……うん!」
来斗は満面の笑みでそう頷いた。
「じゃあお前は太陽の神の……アポロニアスだ!」
神としての名前を付けることで、神はこの世界の神の一員に組み込まれる。
邪神たちはそう言った。
邪神たちにはチカラへの制限を設けるために名付けたけど……
息子たちには、チカラの方向性を決定づけるために。
……元々、俺たちの子供たちは全員神。
いけるはず……。
俺が来斗に神としての名前を与えた瞬間。
大空に輝く天体が出現し、世界が本当に明るくなった。
おお……!
思った通りになった……!
太陽神の役割を得た来斗は、いきなり起きたこの現象に驚いていた。
空を見つめて硬直してる。
俺は
「名前はギリシャ神話の太陽神の名前を捩ってつけた。センスが無いとか言わないでくれよ」
そんなことを、少し照れながら言ったんだ。
「明日香。あなたは月の女神のアルティマ」
紗耶香が明日香に神の名を与えた。
その瞬間、夜が訪れ、空に満月が輝く。
「そして美香。あなたは星の女神アストリアよ」
美香が神の名を得た瞬間。
夜空に無数の星の輝きが散りばめられた。
……娘たちの神名の命名は紗耶香にお願いした。
やっぱ女親だしね。
まぁ、とにかく。
この最初の3人の我が子たちが神の役割を得て。
この世界に太陽と月、星が出現したんだ。
その後、4人目と5人目の子供が紗耶香に出来た。
どうも、来斗たちを呼ぶときのセックスで出来てしまったみたいで。
産まれて来た子供は双子。
男女の双子だった。
だから4人目と5人目。
……二卵性か。
「ちょうどよかったじゃ無いですか。あなた」
この世界に動植物が欲しいと思っていたところですし。
そう、双子の赤ちゃんにふたつのおっぱいで同時に授乳しながら、紗耶香。
優しい笑みを浮かべつつ。
……まあ、奥さんの言うことはその通りなんだけどさ。
動物の神と植物の神。
この二柱は絶対に必要だよ。
奇しくも双子……男の子の方は
神としての名前もつけないとな。
だから
「明斗、お前は動物の神ビストアだ」
「光香、あなたは植物の女神プランティスよ」
神の名前を子供たちが得たとき。
世界に鹿や猪、狼や熊。
動物たちが出現し。
世界に緑が満ち溢れ、世界が美しく、輝きを得たんだ。
……こうして。
こんな世界を歩き、観察し、追求し、味わう存在。
……知的生物を作る環境が整ったんだ。