姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「さて、アスターとジールにヒューマンの数を一定数頑張って増やして貰ってる間に」
紗耶香はそう言いつつ、んー、と伸びをする。
全裸で。
おっぱいが前に突き出される格好で、また俺は紗耶香を抱きたくなったけど。
紗耶香の方に何かやることがある。
そんな様子を感じたので
服を着る彼女の後姿を黙って見守る。
彼女は服を着た後、クルクル腕を回して。
ノートと筆記用具を創って、座って書き物をはじめた。
「……何をしてんの?」
訊ねる。
すると
「魔法語を創るんです」
……魔法語?
作業をしながら説明をしてくれる。
「魔法を使うことに何の制限も無いと危なくてしょうがないでしょう? 突発的な衝動でブッパだと、余計な悲劇が起きます。それだとヒューマンたちに魔法を下げ渡すことはできません」
……なるほど。
一理あるというか、わりに同意だ。
魔法を使うときに専用の特殊な言語を使うようにすれば、その過程で力の行使が本当に適切か考える余裕が出来る。
言わば
……まぁ、それもあるんだろうけどさ。
紗耶香の本音は、カッコイイ魔法の呪文詠唱をさせたいんだろうね。ヒューマンたちに。
それが一番デカイ気がする。
「ジーオが進むって概念で、ダートルドが凍てつくとか、氷。低温のイメージ……」
ニヤニヤしながら新しい言葉を創ってる紗耶香。
わりとこういうところあるんよな。俺の嫁さんは。
まあ、勝手にやってくれとは夫として言えないし。
「俺も考えるよ」
傍に座って、紗耶香の考案する魔法語のワードに色々意味を考える。
例えば……
「このローミルって単語さ」
「はい」
俺は紗耶香がノートに書いた文字「ローミル:光」を指差しつつ提案。
こんなことを。
「光って意味以外に、価値って意味を追加しないか? 価値あるものは世の中を明るくするって感じの意味合いでさ」
「……ああ、それはなかなか素敵ですね」
紗耶香は俺の提案を受け入れてくれて。
光を意味する魔法語単語「ローミル」のもうひとつの意味に、価値という意味を追加してくれた。
そして。
アスターとジールという、ヒューマンで最初に誕生した夫婦が、その妻のお腹を使ってひとつの種族を産み終わったので。
その特殊能力……自分の子孫では無く、同族を産み落とす能力を終了させ。
俺たちは2人に、魔法語を伝授し、2人に魔法を与えたんだ。
この最初の2人は知力が高く、スルスルと教えたことを習得していった。
教える側としては、本当にやりがいがあったよ……。
そして彼らの魔法の習得が済んだと判断した俺たちは
魔法の試しとして、外で彼らを猛獣たちに襲わせた……
息子の明斗にお願いして。
熊と狼の群れを呼び出したんだ。
そうして、
熊はアスターに。
狼たちはジールに殺到する。
すると
「カーテル デンジ ステル アンチェン!」
アスターが右手に花魁桜を持ちながら、左手で印を結び。
魔法語詠唱を行った。
使用する魔法は……麻痺の空気。
指定の1点から半径数メートルの空気を、吸い込んだ生物を麻痺させる麻酔ガスに変質させ、無抵抗にする魔法。
アスターの唱えた魔法の効果で、アスターの傍で爪を振り上げていた熊が力なく倒れ伏し、動かなくなった。
アスターは倒れた熊の首を花魁桜で一太刀で刎ね、腹を掻っ捌き、その倒した熊を解体して肉にする。
「アレーズ ティング マハル ムドーラ!」
そしてジールは彼女に群がる狼たちを魔法・波動爆裂を使用し、ぶっ飛ばす。
両手を広げ、高らかに唱えた魔法語が世界に干渉し、彼女を中心として半径数メートルの空間を薙ぎ払う衝撃波と化す。
ギャイイイイイン!
狼たちは彼女の魔法を受け、全身の骨を砕かれて死んでいった。
彼女はそれを見て、ニヤリと口元に勝者の笑みを浮かべたんだ。
……強い種族だな……
まぁ、創ったのは俺たちなんだけどさ。
……先が楽しみだわ。