※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第192話 ドラゴンと天龍

 ヒューマンたちに知的生物としての最低限の知識。

 そして最強の生物としてこの世界に君臨するために必要な「魔法」を与えた。

 

 あとはまあ、好きにやってくれ。

 楽しいものはたくさん用意した。

 

 物理法則を研究するもよし。

 修行を重ねて、より強い生命体になるもよし。

 芸術を発明して、娯楽の道を究めるもよし。

 

 楽しいことがこの世界にはいっぱいだ。

 キミらが満たされていると俺たちも嬉しいよ。

 

 

 

「ドラゴンを創るか」

 

「そうですね。ヒューマン居住地域外を遊ばせておくのは勿体ないですし」

 

 ……創造神としてやるべきことが済んだので。

 俺たちは、オマケの仕事に手を付けていたんだ。

 

 ヒューマンはこの世界の主人公であり、最強の生物である。

 これは別に間違いじゃ無いけど。

 

 ……それはまぁ、種として一丸になれば、という前提条件が付くわけで。

 

 単独だと勝つのが難しい生き物は別に居ても良いはずだ。

 それにそういうのがいた方が、俺たちがヒューマンに唯一命じている禁忌(タブー)「この島から出てはいけない」が守られやすくなる。

 

 ……ヒューマンは現在大陸には住んでおらず、俺たちが彼らの居住区として設定している大きめの島に固まって住んでいた。

 俺たちは居住地域の限定……それを彼らに命じたんだ。

 

 理由は、居住地が拡大すると相互理解がしづらくなり、将来的に戦争に発展しそうだ。

 そう思ったからなんだけど。

 

 とはいえ、外に誰も住んでないまっさらな土地がある。

 これはちょっと、誘惑がすごいだろ。

 

 ……だから、居た方が良いと思うんだ。

 大陸へのヒューマンの進出を阻む強大な幻獣種が。

 

「で、ドラゴンと言えば2種類いるわけだけどさ。東洋と西洋で」

 

 どっちにする?

 俺が目で紗耶香に確認をすると

 

 紗耶香は

 

「……両方創りましょう」

 

 ……そんな返答が帰って来た。

 

 

 で。

 

 

 紗耶香の言葉通り両方創った。

 

 皮の翼と鋼の強度を持つ鱗に覆われた、角を有する緑色のオオトカゲ。

 その口から灼熱の火炎を吐き、恐怖を呼び起こす吠え声を出し、魔法を行使する能力も持つ。

 

 これがドラゴン。

 

 そして蛇のように細長い身体に、短い手足。

 翼を用いずに空を飛行し、ドラゴン同様魔法を行使し、口から雷を吐き出す。そして嵐を起こす能力も持つ。

 

 これが天龍(テンリュウ)。

 

 彼らは食事を一切せず、性別が無い。

 なので、生きるために狩りをする必要が無く、飛行能力を持つので災害ともほぼ無縁でいられる。

 そして基本不死であるが、数が減った場合は彼らは単独で卵を産むことができるんだ。

 

 俺たちは彼らに

 

「もし、あの島から出て、大陸に新天地を創ろうとしているヒューマンを見掛けたら、警告して欲しい」

 

 そんな使命を与える。

 大陸の番人。

 それが彼ら……ドラゴンと天龍だ。

 

「ワカリマシタ創造主ヨ……」

 

「マカセテクダサイ……」

 

 彼らはちょっと歪に感じる発音で、俺の与えた使命を受け入れる返答をした。

 

 

 

「……なかなかいい仕事が出来たな……」

 

 俺は天を舞う彼らドラゴンと天龍を見つめて、感慨深げに呟いた。

 

「こういう大陸の守護者の幻獣種、他にも居た方が良いですよね」

 

 紗耶香も満足げだったけど。

 彼女はまだ欲しいと言ってくる。

 

 ……じゃあ他には何を創るかなぁ?

 グリフォン?

 

 

 

 そして年月が流れた。

 世界が完成してから、すでに600年は経っただろうか?

 

 そんなとき

 

「パパ! ママ!」

 

 大陸の片隅に建設した俺たちの家で。

 

 俺たちを呼ぶ女の声がした。

 末の娘の麗香の声だ。

 

 ……この子はヒューマンたちにセックスの仕方を教えたときに紗耶香が身籠った子で。

 現在はヒューマンの守り神にして天使たちの長である神・ルシエルの名を与えて、ヒューマンの見守りをして貰ってる。

 

 ……俺たちの子供はさ。

 普通に成長はするんだけど。

 

 男は俺の外見年齢を超えないし。

 女は紗耶香の外見年齢を超えない。

 

 なので現在、この子は紗耶香同様、20代後半の大人の女性の姿になっていた。

 

 成長した麗香は紗耶香に似た美人になったけど、髪を括ってる紗耶香とは違ってて。

 この子は三つ編みにしている。

 

「どうしたんだよ麗香?」

 

 俺はお茶を飲みながら紗耶香と話をしていたんだけど。

 それを中断して娘の話を聞こうとする。

 

 結構重大な話を持って来たみたいに見えたから。

 血相を変えてやって来たからね。

 

 俺の言葉を受けて末娘は

 

 ……こんなことを言ったんだよ。

 

「アスターとジールが病気になって2人とも死んだ!」

 

 え……?

 

 俺は驚きのあまり手に持っていたお茶のカップを床に落としてしまい。

 割ってしまったんだ……。

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