姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
ちょっと待て。
魔法で何で治さなかった?
あの2人、最初の2人はヒューマンとして最高の能力を持っていたから。
2人とも魔法は全て習得していたし、その中に病を治す魔法もあったはずだぞ!?
2人同時に発病して、魔法を使う間もなく病死してしまったのか!?
……パズズのやつ、そんな強力な病気を創って、あのヒューマンの島にばら撒いたのか!?
風の邪神パズズは、病気という災害も司る邪神で。
その能力に病気をばら撒くというものがあるんだけど
アイツ、そんなヤバイ病気を……
「おいパズズ!」
俺は宙に向かって呼びかける。
俺たち創造神は、その気になれば他の神々……自らが生んだ神々に呼びかけられる能力を持ってる。
だからこっちから呼びかける場合は出向く必要が無いんだ。
すると
『なんですか創造主?』
パズズからの念話での返事。
俺はパズズに喰ってかかる
「お前ヤバイ病気作って島にばら撒いたのか!? 確かオマエ、抑え込めないような病気は創れない制限がありますって言ってたよな!?」
一応こいつも世界を支える神だからね。
生物を根絶するような危険な病気は創れないんだわ。
そのはずだったんだけど……
『ええと、私はそんなことしてないですが? 言いがかりはやめてくださいよ創造主』
……なんだか、心外だ、みたいな気持ちが乗った声で返してきた。
「私はいつも通り、感染したら体調不良が起きる病気しか創ってませんよ。誰かさんが病気を治す魔法なんて創ってくれたおかげで、私のこの仕事はほぼ意味不明ですよ」
ぐちぐち、恨みがましく。
……パズズが新種の病気を創ったわけじゃない……?
そこで
「ねえ麗香。ちょっといい?」
「何? ママ?」
横で聞いていた紗耶香が娘に確認する。
こんなことを
「……他に病死したヒューマンは何人?」
「創造神様方! よくぞいらしてくださいました!」
麗香が俺たちの家に飛び込んできたのは、彼らヒューマンの王と女王だったアスターとジールの地位を、今後誰が引き継ぐべきか?
そのことについて、創造主の言葉を直接聞きたいから、どうか島に降臨していただけないか?
とのことで。
俺たち夫婦はそれに応じた。
島に降臨すると、たくさんのヒューマンたちが出迎えに現れた。
彼らは笑みを浮かべてしきりに頭を下げ、その多くが土下座していた。
そんな中
「で、候補者はもう決まっているの?」
俺の隣で紗耶香がヒューマンたちに確認をする。
彼らは
「ええ。めぼしい夫婦を数組選定しております!」
卑屈な笑顔を浮かべてそう応える。
「……双神器は?」
「それはアスター陛下とジール陛下の玉体の傍に」
俺たちが彼らに与えた王の証。
それが要は今は手元に無いと。
……ふーん。
「……だったらまず、最初の2人の遺体に会わせてくれるか?」
俺はそう、ヒューマンたちに言い。
彼らはそれに応えてくれた。