※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第20話 俺たちの行動基本方針

 そんで。

 

 今の俺たちなんだけど。

 

 例の駅前地下道が案の定、迷宮の入り口になってて。

 それなりに準備をして挑戦したんだ。

 

 迷宮地下1階は何の変哲もない、よくある石の地下迷宮。

 薄暗くて、ときおり壁に掛かっている「何故か消えない」松明の明かりが無ければ、何も見えなくなっていただろう。

 そんな不思議な空間だった。

 

 そんな場所で、紗耶香曰く「宝箱部屋」

 そこで。

 

 宝箱を守っている、槍を装備した襤褸切れを纏った豚面の獣人……紗耶香曰く、オーク相手に、二刀流で構えた打刀……つまり一般的な日本刀を振るっていた。

 俺はクラスは忍者を選択し、紗耶香は魔術師を選択。

 

 で、クラスのランクが上がらないかなぁ、と期待しつつ戦っている。

 多分、無理なんだろうけど。

 

 ゲームじゃ無いんだ。

 楽勝で勝てる相手を何体屠っても、成長のきっかけになる経験にはなりはしないだろう。

 

 じゃあ何をやってるんだというと……

 

「あなた行きますよッ!」

 

 背後から、紗耶香の声。

 合わせて俺は息を止める。

 

 同時に

 

「スリープエア!」

 

 紗耶香の攻撃系魔法。

 

 魔術師は攻撃系魔法を扱うクラスで。

 スリープエアはそのひとつ。

 

 ランク1……つまり初心者の位階で使える、基礎の魔法だ。

 

 スリープエアは、指定の1点から半径3メートルくらいの空間を、睡眠ガスで満たす魔法。

 息を止めれば回避できるけど、決まれば致命的な被害が出る魔法だ。

 

 他の魔法がハッキリ言ってコスパ悪い、クソみたいなものばっかりなんだけどさ。

 これだけ、ハッキリ言って別格だった。

 

 説明書きによると、位階ごとに魔法は使用回数が決まっていて、最初は1日5回くらい。使い慣れていくと徐々に増え、最大で9回になるそうで。

 それを期待しながら、紗耶香に魔術師の魔法を使い続けてもらっている。

 

 紗耶香のスリープエアが決まり、オークたちがバタバタ倒れる。

 

 そして俺は、素早く倒れた奴らの喉に刀を突き刺して回った。

 即死したオークたちが、そのまま塵になり、後に金貨……この迷宮内で使えるという、通貨ゴッド……に変わる。

 これも後で回収しないとな。

 

 俺たちの今やってること。

 それは装備品集め。

 そしてゴッド稼ぎ。

 あと、俺と紗耶香の戦闘慣れ。

 

「あなた、やりましたね!」

 

 嬉しそうな声をあげて、紗耶香は来斗を乗せたベビーカーに駆け寄って。

 息子を抱っこした。

 

 俺はそれを横目で見ながら

 

「これから宝箱に当たるから、ちょっと部屋から出ててくれ」

 

 そう言って警告した。

 

 ……この地下1階では大したものが宝箱に入ってはいないけど。

 代わりに罠も大したこと無いんだよな。多分。

 

 説明書きであった、一番ショボそうな罠……ボウガンの罠しか無いみたいだし。

 紗耶香への流れ矢さえ気を付ければ、恐れるに足りない。

 

 ……だいぶ慣れて来たなぁ。

 

 初日なんて、包丁や近所の武道具店で調達してきた防具を身に着けて、ガチガチで挑んだのに。

 そしてなんとか1回戦って、勝利して。

 家に帰って風呂に入ったら即俺たちはセックスしたんだよな。

 

 ……戦闘のストレスで、安全な家に帰って来た安堵感で。

 紗耶香と交わらずにいられなかったんだ。紗耶香の方も、俺に抱いてもらいたがった。

 

 ……あのときは2人ともメチャメチャ燃えた。

 紗耶香は「あなたぁ、もっともっと、いっぱいセックスしましょう。いっぱい射精してください」って情熱的でさ。

 俺は俺で、何回彼女に精液を注ぎ込んでも全く萎える気配が無かった。

 終わったとき、紗耶香に「……私の子宮……もうあなたの精液でパンパンになってます」って言われて。

 出し尽くして萎えてたはずなのに。また勃起して困ったもんだ。

 

 この試練で死亡した場合。

 どうなるか、説明書には一言も書いていなかったんだ。

 あと……治癒士で使用できる防御系魔法一覧には、回復魔法はあっても蘇生魔法が無かった。

 ……なので、俺たちは「多分再挑戦は無い。死んだらそれっきりだ」そう、結論づけた。

 

 そのくせ、何故か治癒士の達人位階に「デスブラスト」という、術者が自爆して周囲を巻き込む自己犠牲魔法があったんだよな。

 ……ここから考えるに、退場ですら無いのかもしれない。

 

 本当に死ぬのかも。

 なので俺は「私の予想は悲観的って言われますけど、こういうときはそっちが良いハズです」

 そんな彼女の言葉に従って、そう思って行動している。

 

 つまり……

 

 死んだら終わり。命は1つ。

 そしてきっと、現実にも死ぬんだろうな。

 そこを踏まえて、大胆に。そして慎重に。

 

 ……そういう風に。

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