※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第25話 瞬間決着

 俺はまず、持っていた2振りの打刀を捨てた。

 俺が刀を使っていたのは、二刀流を鍛えるためだ。

 あと、手が汚れないのでこっちの方が良かったというのもある。

 

 俺本来の攻撃力は、おそらく素手の方が高い。

 

 こんなの数値化はできないから、感覚で言う話なんだけどね。

 

 で。

 

 まず最初に、俺はゴブリンロードに飛び掛かった。

 ゴブリンたちは、チビで腹が出てて、およそ筋肉を感じさせない体格なのに。

 このゴブリンロードは筋骨隆々で。

 

 僧帽筋が凄すぎるけど、大胸筋も、腹筋もバキバキだ。

 

 ……だからか。

 こいつがノーガードだってのは。

 

 己の筋肉の鎧の力に、絶対の信頼を置いているから。

 だから防御しない。

 

 ……刀を捨てたのは、こいつのそういう習性を万が一にも覆してもらわないように、という意味もあった。

 刀で斬りかかったら、さすがに「これは無理」といって回避行動をとってくるかもしれないし。

 

 俺は手刀を繰り出した。

 右手を水平に、ゴブリンロードのぶっとい首目掛けて繰り出す。

 

 首は絶対の急所だが、こいつは確実に防御しない。

 

 素手の一撃であれば、何をされてもこのぶっとい首には何の影響もない。

 そんな信仰があるに違いない。

 

 だが……

 忍者の手刀は、鋭利な刃物だ。

 

 それをゴブリンロードは……

 

 身をもって、知ることになった。

 

 俺は、ゴブリンロードの首を刎ねた。

 

 ぶっとぶ首。噴き出す紫色の血液。

 

 そして

 

 ウオオオオオン!

 

 コボルトロードが、俺に脅威を感じたのか、ジャンプして空中で激しい宙返りをはじめた。

 その激しさは、まるで回転ノコギリのようだった。

 ノコギリの刃にあたる部分が、こいつの牙。

 こいつの顔面が、残像で縦に何重にも見えてくる。

 

 ……おそらくこれが「犬・コボルト抜刀牙」

 臭いで追尾してくるらしいな。

 

 それをするということは、発動中はこいつ、視界が利かないのかもしれない。

 まあ、こんだけ激しく縦回転するなら、そうなっても無理ないかもしれないけど。

 

 だけど……俺はこれを待っていた。

 

 俺は、紗耶香を追い回そうとしているオークロード目掛けて走り寄り、注意を引くためと……

 位置取りのため。

 

 その後頭部に踏み込むような蹴りを入れ、そのまま飛び越える形でオークロードの前に立った。

 ……背を向ける形で。

 

 ブヒイイイイイ!

 

 オークロードの鳴き声と、後ろから迫ってくる、オークロードの力任せの一撃。

 俺はギリギリでそれを横っ飛びで躱して

 

 同時に

 

 オークロードの背後から迫って来ていた「犬・コボルト抜刀牙」がオークロードに命中。

 誤爆したその技は、オークロードを頭頂部から股間までを綺麗に両断していた。

 

 その身を左右にぶっ飛ばし、塵になって消えていくオークロード。

 

 ……すっげぇ威力。

 まともに貰ってたらヤバかった。

 

 ありがとう紗耶香……学者を持っててくれて本当にありがとう……!

 

 ウォウ?

 

 コボルトロードが、今確実に何か明らかに違うものを両断したと気づいたのか。

 抜刀牙を中断した。

 

 でもそれは、俺にとってはありがたい瞬間なわけで……

 

 俺は地を蹴り、その背後から心臓の位置に、貫手による突きを放った。

 俺の右手はそのまま、コボルトロードの心臓を貫き。

 その、ロードの胸から生えた俺の右手には、コボルトロードの心臓が握られていて。

 

 ……俺はコボルトロードを仕留めたんだ。

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