姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「え、ちょっと待って」
俺は最初訳が分からなくて。
姉さんにそう返した。
だってさ……
ワケわかんないじゃん。
血を分けた姉に、求婚されるなんて。
大体、俺は本来高校生。
結婚はまだ視野に入らない年齢なわけで。
でも。
姉は、そんな俺に
「動揺するのは分かる。でも、落ち着いて聞いて」
姉さんはそう言って、自分の発言の意味合いを口にしたんだ。
「……今の生活は、見かけは安定しているし、崩壊する兆しもないわ。このまま、何十年と続きそうな気がするわよね」
うん。
だからこそ俺は、この状況を受け入れたんだけど。
俺はそう、姉の言葉を黙って聞いた。
だけど
「……でもね。それは人類の存続としては悪手なのよ」
そんなことを言いだした。
人類……?
姉は続けた。
神妙な顔で。
「……もし、このまま生き残りの人類に出会えなくて。何十年も経ち。その後何かの切欠で別の人類に出会ったとする」
うんうん。
俺は頷く。
姉はその話に、こう続けたんだ。
「……そのとき、私たちがただの老人だったら。その遭遇した人類は、私たちを助けても何の成果も得られないってことになるわ」
……え?
何の成果も得られない?
俺は混乱した。
姉は説明してくれる
「……ようは、助けても子供を作ることに何の貢献もできない。究極、生物の存在する目的は子供を作ること……そこに何も役に立てない。そんな存在になってしまうの」
あまりにも残酷な言葉。
でも、真理だと思った。
人間の存在理由はそこだけじゃないけど。
生物としては、間違いなくそこだろと納得は出来たんだ。
このままでは、俺たちはただ老いさばらえて。
生き残り人類チームがもしあったとして、彼らが俺たちを見つけたとき。
それが、ただのぬか喜びになってしまうかもしれない。
そこに、俺は気づかされてしまったんだ。
でも……
「そんな……俺たち、実の姉弟だろ……? 子供なんて作ったら……」
「一世代だけなら、そんなに遺伝子にはダメージは無いはずよ」
即座に。
姉さんからのそんな言葉。
……姉さんは覚悟を決めている。
それがその言葉で、俺は理解できた。
「……ごめんね。でも、これは私たちがここに存在できている理由。そこを考慮するなら、無視してはいけないと思うんだ……」
姉さんのそんな言葉。
姉さんは真面目な女性で。
義務を果たすことに、敏感だ。
他人任せにすることを、嫌がるんだ。
だから……
この姉さんの提案は、ある意味、必然だったのかもしれない。
俺は……だから
「……姉さんの言うことは正しいと思うよ」
そう言うしかなかったんだ。