※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第50話 紗耶香が妻で良かった

「紗耶香!」

 

 そう妻の名を呼び、彼女を強く抱きしめる。

 

 衝動のまま、腕の中の妻にこう呼びかけながら

 

「好きだ! 愛してる! 出すぞッ……紗耶香ッ……姉さんッ!」

 

「ハイッ……出してくださいッ……あなたっ……お姉ちゃんを孕ませてェェェッ!」

 

 俺のペニスは彼女の子宮口にぴったりと鈴口がくっついていて。

 彼女の胎内に種付けをするのに万全の状態で。

 

 その状態で、射精を始めた。

 

 どろどろとした、真っ白い女を孕ませる俺の遺伝子の運び手が、彼女の体の中の最奥に流し込まれる。

 

「ああ……大好きな拓斗の赤ちゃん種ッ……熱いッ……大好き……あなたっ!」

 

 俺の膣内射精を心底嬉しそうに受け止める姉。

 紗耶香。

 

 ……そこに興奮と、征服欲と、愛情と。

 

 色々な感情が行き過ぎて、おかしくなる。

 

 ……まぁ、この今の状況は本当は仮想現実だけど。

 このときはそれを少し忘れていた。

 

「紗耶香……お前は最高の女だ……」

 

「私も拓斗さんにここまで愛されて幸せです……」

 

 互いに互いが伴侶であることを喜び合い、対面座位で繋がったまま愛を囁き合っていた。

 

 それが……

 

 俺が、湖の向こうから、1艘のボートが接近していることに気づいたとき。

 

 一瞬で、醒める。

 

「紗耶香ッ! まずい!」

 

 紗耶香の方も状況に気づき、真剣な表情になった。

 

 ……時間は……

 腕時計を確認する。すると……

 

 あと10分!

 

 向こうのボートには、少女が乗っていた。

 白い夏物ワンピースでお団子ヘアーの、中学生くらいの子。

 

 この状況で、夏物は少し早い気がするし。

 何より、顔が……

 

 少女はボートを漕ぎつつ、こっちを見て嗤っていたのだけど。

 

 目が異様に細く。

 口が異様に大きかった。

 

 常人の倍ぐらいの大きさがあったんだ。

 

 ……だから、多分そう。

 あれは死神だ。

 

 あまりにも何も無いから、大好きな紗耶香と、平和な人間社会で一緒にいられたらやりたいことを思わずやってしまった!

 

 この状況になって、俺は自分の迂闊さを自覚したんだ。

 

「紗耶香、掴まれ!」

 

 退けと言えず、そんなことを言ってしまう俺。

 判断ミスだったかもしれない。

 

 そのまま俺はオールを手に取り、必死で漕ぐのだけど。

 

 死神のボートは、じりじりと追いついてくる。

 速い……!

 

 そして

 

 距離が相当縮まったとき。

 

 死神がボートを捨てて、こちらに跳躍してきた。

 不安定なボートを足場にして、見事なジャンプだった。

 

 その手にはナイフが握られていて。

 

 キャハハハハ!

 

 死神の嗤い声。

 

 それを真っ直ぐに、紗耶香の背中に振り下ろしてきて。

 

 まずい!

 俺は咄嗟に彼女を庇おうと強引に身体を入れ替えようとした。

 

 けど

 

 その瞬間、紗耶香は俺に口づけをし。

 ありったけの力で俺を押し倒し。

 

 覆いかぶさって、それを封じたんだ。

 

 死神の刃はそのまま、彼女の上に振り下ろされ……

 

 畜生……!

 絶望。

 そして、彼女の愛の大きさを感じ取っての、感謝。

 

 敗北感。

 

 色々あった。

 

 あったんだけど……

 

 

 

「……あれ?」

 

 ……気が付くと、石畳の、地下迷宮の宝箱部屋で。

 隣には、妻も健在。

 

「あ、大丈夫だったんだ……」

 

 そんなことを呟きながら、周囲を見回す紗耶香。

 そこで大体のカラクリは理解に至る。

 

 ……ようは死神に狙われていたのは俺で。

 

 死神はとっさにギリギリで俺が彼女を庇うことを期待して、ああいう襲撃をしたのか。

 

 実際、俺は彼女が標的だと瞬間的に理解したつもりになって、咄嗟に庇う覚悟決めたもんな。

 危なかった。

 

 でも、彼女の方が。そんな俺より強く俺を想ってくれていたから。

 土壇場でああしてくれて……今回助かったんだ。

 

 死神の鎌の死神は、標的以外殺せないんだよ。

 そういうシステムなんだ。

 

 だから、助かった。

 それは、彼女の献身のお陰。

 

 ……嬉しい。

 

 感謝しかない。

 

 だから俺は

 

「ありがとう。紗耶香……お前が妻で良かった」

 

 ……妻を抱きしめて、感謝を伝えた。

 彼女は

 

「……だって、万に一つもあなたを失うのは嫌だったんだもの」

 

 そんなことを俺に微笑み掛けながら言って。

 俺の背中をポンポンと叩く。

 

「ゴメン、大丈夫だった? 罠の解除、失敗したけど……」

 

「妹が申し訳ない」

 

 ものすごくすまなさそうに、俺たちに詫びてくる由宇と修司さん。

 彼女らのそんな謝罪の意思に反発する心。

 

 ……何故か、俺たちには全くなかったな。

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