姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
一夜明け。
迷宮の地下3階。
問題の試練の扉。
そこは硬く閉ざされた装飾のある扉で。
左右に、宝珠を置く台座がある。
「ここに宝珠を置けばいいのか」
「状況的にそれ以外無いと思うのよ」
俺と由宇。
それぞれのペアの代表者。
手にした宝珠を、それぞれすり鉢状の台座にそっと置いてみた。
すると
ゴゴゴ、という音を立てて、扉が重々しく開いた。
……やっぱり。
「……行こうか」
罠は無いはず。
この状況で騙すのは、この迷宮の趣旨に反する。
だってそうだろ?
受験だって、受験生を引っ掻け問題で騙すのは入試の問題の上だけで。
入試のシステム面で受験生を騙してどうするんだ? って話だし。
俺のそういう判断を、周りの皆は違和感なく受け入れてくれて。
俺を先頭にして4人。
ぞろぞろと試練の扉を潜る。
子供たちは外でしばらくお留守番だ。
……中はちょっと豪華な部屋で。奥にもうひとつ扉があり。
中央部に畳の敷いてあるゾーンがあって
そこに布団が2つ、敷かれていた。
……和風なの? 何で?
布団の傍には、白い布。
ちょっと確認すると、温泉宿の浴衣みたいな衣装で。
色は白。純白だ。
それが2つずつ、畳まれておいてある。
……ナニコレ?
意味が分からず、固まって動けないでいる俺たちに声が降って来た。
『良く来た創造神候補生たちよ。ここは試練の部屋だ』
……スピーカーのようなもの、見た覚えが無いんだけど。
どこでしゃべっているのだろうか?
声は続ける。
『そこに衣装と寝床がある』
ありますねぇ。
で、何?
俺たちは続きを待った。
声は……
『速やかにその衣装へ着替え、それぞれの運命の伴侶との
そんなことを言ってきて。
由宇以外のその場の人間は、凍り付いた。
由宇だけが、言葉の意味が伝わらなかったのか。
俺たちの反応についていけてなくて。
キョロキョロしていた。
「ヤダーッ!」
意味が伝わり。
由宇が真っ青になってそう叫んで、床で多方面から怒られそうなヤダヤダダンスを踊っていた。
……いや、そのダンスはまずい。
絶対嫌なのは分かるけど。
……互いのセックスを見せ合うなんて、俺は嫌だ。
色々見られたく無かったり、見せたくないものはある。
俺と愛し合うときは大胆に振舞う紗耶香だけど。
そういう行為は彼女は嫌がる女だし。
……俺は紗耶香の反応を盗み見る。
彼女は青ざめて、目を泳がせていた。
胸が締め付けられる思いだ。
抱きしめてあげたくなったから、そっと俺は彼女に抱きついた。
でも、掛ける言葉が見つからない。
「拓斗さん……?」
戸惑う彼女に俺は何も言えなかった。
そこに再び声が降って来た。
『そんな多方面に怒られそうな舞を舞ったところで試練の内容は変わらぬ』
……どっかから見てんのかよ。
というか、このダンスが分かるのか黒幕。
声はこう続けた。
『ならばいったん帰るが良い。覚悟が決まってから再び挑むのだ』
その声を聞くと同時に。
意識が途切れ。
……気が付くと俺たちは部屋の外にいて。
その手に、それぞれの宝珠を持っていた。
追い出された……
どうするべきなんだ……?
いや、おそらく選択肢はたった1つしか無いんだろうけど。
俺は他のメンバーの顔を見た。
……全員、動揺し
悩んでいた。
……どうすればいいのか。