姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
「紗耶香、辛いだろうが覚悟してくれ」
家に帰って。
子供たちに食事させて風呂に入らせて寝させた後。
夫婦の寝室で俺は紗耶香に向き合い。
そして言った。
言われた紗耶香は
「……避けられませんものね」
少しだけ、揉めるかと思ったけど。
紗耶香はひとりで結論を出していた。
真顔で「やる」って言ったんだ。
……大人だ。
大人の女だ。
俺にしか晒さないはずの、女としての顔と、本能の顔。
それを他人に見られる。
恥ずかしいってもんじゃない。
……でも、そうしないと先に行けないし。
拒否すれば「創造神になる気なし」と扱われ、資格を剥奪される。
……だったら、やるしかないよな。
資格を剥奪されるということは、俺たちが姉弟相姦の日常を持ったまま元の世界に返されて破滅するということ。
……でも今は。
問題はそれだけじゃない。
愛する息子・来斗と娘・明日香の誕生も「無かったこと」になることだ。
今となってはこっちの方が重要だ。
……俺と紗耶香の愛の結晶……
それが無かったことになるなんて。
絶対に受け入れられない。
そのためだったら、他人にセックスを見せるくらい何だ!
俺の出した結論はそれで。
紗耶香も、同じ結論を出してくれた。
……俺はそれが嬉しくて……
思わず、彼女を硬く抱きしめて。
涙を流してしまった。
「……紗耶香。ありがとう……決断してくれて」
半魚人の前で裸にされることを本気で拒否した彼女。
そんな彼女のこの決断……
とても重いと思うし……
心底、尊敬した。
ますます、好きになる。
母になってから、子供のために自分を抑えている場面を何度も目撃した。
俺たちの子供は体調不良にほとんどならないんだけど
一度、娘が鼻水で苦しそうにしているときがあった。
俺は「どうやって鼻をかませればいいんだ?」と悩んでいたんだけど。
紗耶香は違ったね。
……自分の口で娘の鼻水を吸い取って、綺麗にしてあげたんだ。
俺にはそんな発想がなくて。
感激して、震えてしまったんだよな。
「紗耶香は凄いよ……こんな女性が俺の奥さんだなんて……信じられない気持ちだ」
腕の中の彼女にそう正直な気持ちを吐露する。
彼女は俺の言葉に小さく笑い
「……拓斗さんだって、すごいじゃないですか。来斗が産まれるとき、私から逃げませんでしたよね。精一杯、お産の手伝いをしようとしてくれた」
その後も、すぐに男の子から父親になってくれた。
そこで私はあなたに惚れ直したんです。
……元々、大好きでしたけど。
そんなことを、優しい声で言ってくれたんだ。
俺はもう、たまらなかった。
衝動のままに彼女に口づけをして、激しく求めあった。
彼女との唾液が混ざり、味わい慣れた味を感じる。
そして互いの愛情を交換しあった後。
少し上気した顔で、紗耶香はこう言ったんだ。
「拓斗さん……どうせなら、全力で行きましょう」
クラスを盗賊にして、私をあそこで他人の目を忘れるくらい、メロメロにしてください。
にっこりと微笑んで。
そんなことを……
俺はその彼女の提案に
重々しく頷いた。