※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第60話 これが忍術

 由宇の罠チェックを済ませて。

 宝箱部屋のドアを蹴破るように開け、雪崩れ込む。

 

 10メートル四方の部屋の中には、黒いタキシードを着用した青白い肌の紳士と、ミイラ男、そして大量の昔の中国人風の衣装を着た青白い肌の男たちがいた。

 

 それを素早く、紗耶香がサブでつけている学者の能力で識別してくれる。

 

「タキシード紳士はヴァンパイア! ミイラ男はマミー! そして中華風は僵尸(きょうし)ですよ!」

 

 まず名前を言って、続けてその能力を説明してくれる。

 助かる。

 

 俺は奥さんに感謝し、同時に彼女の夫が自分であることに誇らしさを感じた。

 

 

 

 修司さんはマミーを担当。由宇はヴァンパイア。そして俺は大量の僵尸(きょうし)を担当することになった。

 

 僵尸(きょうし)は後で紗耶香に聞いたところ、中国産のゾンビ、いやグールのことらしい。

 その衣装はいかにも中国。

 くすんだ色の作務衣みたいな服に、頭のてっぺんで髪を結って布で包んだ髪型。

 

 昔の中国の……一般庶民の衣装だ。

 

「オ、オンナァァァァッ!」

 

 なのに何故か日本語の叫びをあげ、紗耶香に殺到してくる。

 

 割り当てを決めたとき、由宇に「奥さんをしっかり守るんだよ。山本旦那氏」

 そう言われたな。

 

 ……言われるまでもないぜ!

 

 

 

 こいつらはランクが高くなると超能力を身に着け、動きがスムーズになるらしい。

 

 俺の見たところ、動きはだいぶ滑らか。

 僵尸(きょうし)としてはかなり強かったのかもしれない。

 

「ジャマヲスルナ!」

 

 だからなんで日本語なんだよ。

 そう思いながら同時に3体襲ってきた僵尸《きょうし》たちを処理する。

 爪の攻撃を躱し、カウンターで手刀、貫手、鉈の鋭さを持つ振り蹴りを繰り出す。

 

 俺の打撃は刃物の鋭さを持っている。

 

 僵尸(きょうし)たちの首が宙を舞い、その胴体が蹴りの一撃で両断。

 首を失い、そして上半身下半身が泣き別れになり、分断。倒れたり、地面に落ちる前に塵になり、後に大量のゴッドを残して消滅する。

 

「あなた! ステキ! 惚れ直してしまいます!」

 

 ……そんな俺に、背後から愛妻の声援。

 こんなのダメだろ。

 愛しい女にこんなこと言われちゃあさぁ……

 

 俺のテンションは爆上がりし、戦闘力が明らかに数倍は跳ね上がる。

 

 ……もう、やるしかねぇな。

 

 そこで俺は、この階に突入前に妻に作って貰っていた忍具を取り出した。

 

 人型に切り抜いた紙数枚と、真っ赤な色のピンポン玉大の球。

 

 仲間3体が一瞬で倒されたので、警戒している僵尸《きょうし》たち。

 俺はそいつらに向けて、その真っ赤な色の小さい球を投げた。

 

 同時に俺は、残った左手で印を結び。

 

「爆裂!」

 

 一声。

 

 同時に球を中心に、爆炎が巻き起こり僵尸(きょうし)を飲み込んだ。

 

 ……これが「火遁の術」

 忍具・火霊石を使用して、爆炎を発生させる忍術。

 

 俺はその結果を確認し、口角を上げ、人型の紙を周囲に撒く。

 

 そして火遁の術を喰らって悶え苦しんでいる僵尸(きょうし)たちの首を手刀で刎ねていった。

 

「グオオオオオ!」

 

 だがしかし、一部は術を逃れ、この隙に紗耶香を襲おうと地を蹴った。

 そのまま妻の方に向いていく。

 

 ……そうはさせない!

 

 俺は印を結び、一声。

 

「分身!」

 

 その一声と同時に、紗耶香の周囲に複数の俺が出現する。

 

 これが「分身の術」

 

 忍具・紙人を使用して、紙人を自分自身に変化させる忍術。

 この分身は全てが本物であり、偽物である。

 

 ……というより、発動と同時にどれか1つを自由に本物の俺にできるんだ。

 それが強み。

 

「シネエエエエ!」

 

 僵尸(きょうし)の爪が俺の1人を襲うが、同時にそれは紙切れに変化する。

 

 こんな感じでデコイにも出来るし。

 

 俺はそいつのすぐ後ろにいる俺を本物に指定し、そいつのがら空きの背中に貫手を突き刺し、僵尸(きょうし)の心臓を貫いた。

 

 ……こんな感じで、ワープにも使える。

 非常に強力な忍術。

 

 ぶっちゃけ、これだけでもいいくらいだ。

 

 そして俺が次々と僵尸(きょうし)を葬っていき、最後の1体を倒したとき。

 修司さんと由宇も受け持ちを倒していて。

 

 戦いが終わった。

 

「あなた! すごかった! かっこいいです! ステキ!」

 

 そんなことを言いながら、喜び俺に抱き着いてくる大切な嫁。

 俺は妻の賞賛に無上の喜びを感じて、彼女を強く抱きしめた。

 

 ……全部お前のお陰だ。

 愛しているよ。

 

 嬉しいいいいい……!

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