姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
由宇の罠チェックを済ませて。
宝箱部屋のドアを蹴破るように開け、雪崩れ込む。
10メートル四方の部屋の中には、黒いタキシードを着用した青白い肌の紳士と、ミイラ男、そして大量の昔の中国人風の衣装を着た青白い肌の男たちがいた。
それを素早く、紗耶香がサブでつけている学者の能力で識別してくれる。
「タキシード紳士はヴァンパイア! ミイラ男はマミー! そして中華風は
まず名前を言って、続けてその能力を説明してくれる。
助かる。
俺は奥さんに感謝し、同時に彼女の夫が自分であることに誇らしさを感じた。
修司さんはマミーを担当。由宇はヴァンパイア。そして俺は大量の
その衣装はいかにも中国。
くすんだ色の作務衣みたいな服に、頭のてっぺんで髪を結って布で包んだ髪型。
昔の中国の……一般庶民の衣装だ。
「オ、オンナァァァァッ!」
なのに何故か日本語の叫びをあげ、紗耶香に殺到してくる。
割り当てを決めたとき、由宇に「奥さんをしっかり守るんだよ。山本旦那氏」
そう言われたな。
……言われるまでもないぜ!
こいつらはランクが高くなると超能力を身に着け、動きがスムーズになるらしい。
俺の見たところ、動きはだいぶ滑らか。
「ジャマヲスルナ!」
だからなんで日本語なんだよ。
そう思いながら同時に3体襲ってきた僵尸《きょうし》たちを処理する。
爪の攻撃を躱し、カウンターで手刀、貫手、鉈の鋭さを持つ振り蹴りを繰り出す。
俺の打撃は刃物の鋭さを持っている。
首を失い、そして上半身下半身が泣き別れになり、分断。倒れたり、地面に落ちる前に塵になり、後に大量のゴッドを残して消滅する。
「あなた! ステキ! 惚れ直してしまいます!」
……そんな俺に、背後から愛妻の声援。
こんなのダメだろ。
愛しい女にこんなこと言われちゃあさぁ……
俺のテンションは爆上がりし、戦闘力が明らかに数倍は跳ね上がる。
……もう、やるしかねぇな。
そこで俺は、この階に突入前に妻に作って貰っていた忍具を取り出した。
人型に切り抜いた紙数枚と、真っ赤な色のピンポン玉大の球。
仲間3体が一瞬で倒されたので、警戒している僵尸《きょうし》たち。
俺はそいつらに向けて、その真っ赤な色の小さい球を投げた。
同時に俺は、残った左手で印を結び。
「爆裂!」
一声。
同時に球を中心に、爆炎が巻き起こり
……これが「火遁の術」
忍具・火霊石を使用して、爆炎を発生させる忍術。
俺はその結果を確認し、口角を上げ、人型の紙を周囲に撒く。
そして火遁の術を喰らって悶え苦しんでいる
「グオオオオオ!」
だがしかし、一部は術を逃れ、この隙に紗耶香を襲おうと地を蹴った。
そのまま妻の方に向いていく。
……そうはさせない!
俺は印を結び、一声。
「分身!」
その一声と同時に、紗耶香の周囲に複数の俺が出現する。
これが「分身の術」
忍具・紙人を使用して、紙人を自分自身に変化させる忍術。
この分身は全てが本物であり、偽物である。
……というより、発動と同時にどれか1つを自由に本物の俺にできるんだ。
それが強み。
「シネエエエエ!」
こんな感じでデコイにも出来るし。
俺はそいつのすぐ後ろにいる俺を本物に指定し、そいつのがら空きの背中に貫手を突き刺し、
……こんな感じで、ワープにも使える。
非常に強力な忍術。
ぶっちゃけ、これだけでもいいくらいだ。
そして俺が次々と
修司さんと由宇も受け持ちを倒していて。
戦いが終わった。
「あなた! すごかった! かっこいいです! ステキ!」
そんなことを言いながら、喜び俺に抱き着いてくる大切な嫁。
俺は妻の賞賛に無上の喜びを感じて、彼女を強く抱きしめた。
……全部お前のお陰だ。
愛しているよ。
嬉しいいいいい……!