姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
宝箱の罠を解除して。
中身を確認した。
入っていたのは……
待望の黒装束。
そして軟膏。
あと宝石と
大量のゴッドの貨幣。
「この黒装束は忍装束……着用者の立てる物音を小さくする効果がある着物です」
紗耶香による鑑定で安全性が確認される。
良かった……
これでようやく、捨てていい適当な服で汚れ対策をするという手を使わなくて良くなるんだ。
これが俺の迷宮での衣装……!
「じゃあこれは山本旦那氏のものね」
「そうだな」
川上さんからの許可。
ありがたい……
早速身に着ける。
頭巾の無い忍者みたいな格好になる俺。
「かっこいいですよ」
紗耶香の言葉。
嬉しいね。
そして、軟膏だけど。
これは、鑑定した紗耶香がちょっと顔を赤らめて
「これは……母乳の軟膏ですね」
女性のおっぱいに塗ると6時間くらい母乳が出るようになるらしい。
……プレイ用のアイテムか。
紗耶香はまだ出るから、今は要らないな。
でももうそろそろ、明日香が飲まなくなってきてるから、そのうち止まるんだろうけど。
……勿体ないよね。
美味しいのに。
特に自分の愛妻の母乳って考えるとさ。
「これはアタシが貰う!」
由宇が嬉々として受け取ろうとして、実際に紗耶香が彼女に手渡す。
順当か。
宝石は、忍具の材料になるのがあるんだよね。
主に遁術なんだけど。
例えば火遁の術のための火霊石は、ガーネットから作る。
赤い宝石だ。
なので、該当宝石があったら欲しい。
その辺を説明すると
「コスト掛かるねぇ」
由宇がそんな一言。
まぁ、俺もそう思う。
ガーネット以外で、他に欲しいのは……
ターコイズ、アキシナイト、ペリドット、トパーズ。
この4つ。
特にトパーズが使い勝手がいい金遁の術のための忍具の、金霊石の素材になる。
あるならあるだけ欲しい。
金遁の術は金属を操作する忍術。
手裏剣や銃と併用すると面白いことになるんだ。
……具体的に言うと、投げた手裏剣や撃った銃弾の軌道を曲げられるんだよね。
その辺説明すると
「……今、何個持ってるわけ?」
由宇にそう訊かれたので
「……3つかな」
そう答えた。
タマミさんの店にも商品ストックがそんなに無かったんだよね。
そしてマッピングをしながら。
迷宮探索を続けていると
『地下5階への階段はこちら』
壁に、こんな表示を見つけた。
「……怪しいけど……どうする?」
俺がそう皆に訊くと
「行かないわけにもいかないと思います」
紗耶香はそう言い
「私も同意見」
由宇。
「警戒しつつ行こう」
修司さんも同意。
……だよねぇ。
罠があるのかもしれないけど、本当にあるのかもしれないし。
確認はしないわけにはいかないから。
なので盗賊である由宇を先頭に、警戒しながら進んだんだ。
すると
だいぶ長い一本道に出て。
奥に装飾品のついた立派な扉が見えた。
「……本当なの?」
由宇がそう洩らす。
俺も驚きだ。
ここまで、罠らしい罠が無かったからだ。
まさかただの事実とは。
……迷宮なのに。
そう思い、足を踏み出そうとして
……俺の足が動かないことに気づいた。
んん?
理解できなくて、足を見下ろす。
……そしてギョッとした。
なんと、床から人間の手が生えて、俺の足を掴んでいたからだ。