※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第62話 蛇人間の除霊士

「きゃああああっ!」

 

「うわああああっ!」

 

 由宇と修司さんの悲鳴。

 その理由は

 

 突如この一本道の空間に、半透明の、無残な姿をした人影が無数に出現したからで。

 それはまるで

 

 その手の怪談話に出てくる地縛霊や、怨霊そのものだった。

 まともなやつが1人もいない。

 

 首が折れていたり。

 頭が半分無かったり。

 

「く、くそっ!」

 

 俺の方も。

 俺を拘束している手を外そうとやっきになる。

 でも、それは叶わなかった。

 

 ……触れないんだ。

 俺の足首を握りしめている手に。

 

 なのに、誰かに足首を握りしめられているのと同じ状態なんだよ。

 

 ……どうすればいいんだ?

 これ?

 

 俺の力でなんとかできるのか……?

 

 そこに

 

「あなた!」

 

 紗耶香が駆け寄って来た。

 俺は

 

「紗耶香! ターンアンデッドを頼む!」

 

 俺が思う、この事態を打開できる案を紗耶香に出し。

 

 彼女は

 

「はい!」

 

 即座に頷いて、目を閉じ意識を集中。

 

 そして

 

「ターンアンデッド!」

 

 杖を握りしめてシャウト。

 同時に放射される聖なる波動。

 

 同時に

 

 ヒャアアアアアア!

 

 この場にいた死霊たちは、その波動に恐れをなし、怯んだ。

 

 地面から生えている手も俺の足首を手放し。

 俺の足の拘束も解ける。

 

 今だ!

 

「撤退しよう!」

 

 そう呼びかけ、紗耶香の手をとって来た方にダッシュする。

 川上兄妹もほぼ間を置かず、この状況から脱出すべく後に続いた。

 

 

 

「あの通路、多分あのままじゃ通れませんね」

 

「あれがあの通路の罠みたいなもんなんだな」

 

 かなり必死で走ったので、紗耶香の息があがってて、苦しそうだったが。

 彼女は正確に状況を分析していた。

 

 俺もそう思う。

 

 多分、あそこはこのままじゃ通れない。

 

 治癒士の熟練者位階の防御魔法にある「ターンアンデッド」

 不死者に対して怯ませる波動を放射し、退散させるか行動不能にする魔法。

 

 多分、それをありったけ使っても足りないと思う。

 もっと、根本的な解決方法で無いと……

 

「……お困りのようですねぇ」

 

 そんなときだ。

 声が響いたのは。

 

 俺たちは一斉にそちらを見た。

 で、ギョッとした。

 

 そこにいたのは……

 

 赤いローブを着用した蛇人間。

 

 蛇は手足が無いわけだから、表現として正しいのか疑問だけど……

 

 首から上は、蛇にしか見えなかったんだよね。

 胴体は人型。

 

 だけど、爬虫類が進化したみたいな人型だった。

 

 ローブの下から覗く素肌は、全て緑色の鱗に覆われていたから。

 異様な怪人……

 

 こっちに敵意は無いみたいだけど。

 

 だから俺は

 

「……アンタ誰だ?」

 

 そう訊ねた。

 

 すると答えてくれたよ。

 

「僕はマスタファと言います。仕事は除霊士をしております」

 

 ……多分、ニコリと微笑みながら。

 蛇の表情なんて分からないから、勘だけどさ。

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