姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語 作:XX(旧山川海のすけ)
お互いに近親相姦をするに至った理由を告白する。
なかなか凄まじい提案だけど。
俺たちは確かにある意味運命共同体で。この世界でたった二組の夫婦仲間なのだし。
それぐらい、アリなのかもしれない。
「ウチは私からお願いしたんです。この世界にはほとんど人間が存在していないのかもしれないと思ったから」
紗耶香が話してくれた。
自分が決断した理由を。
紗耶香は「人類存続のため」「もし生き残りが他に居て、そんな人たちに数十年後に救助される状況になったときに子なしだと私たちに助ける意味がない」
あのときに話してくれた理由を口にした。
「中学のときに読んだSF小説で、世界中のほとんどの人間が盲目になって世界が滅ぶっていうのがあったんですけど」
その作品で、ヒロインが「これからは一夫多妻制。これは強制よ」って言ったんだそうだ。
自分以外にも、盲目になった女を助けて妊娠させてくれと。
盲目の女は目の見える人間を産むことが出来るから。
……危機的状況なら、一夫一婦制だとか、貞操だとか。
全体のためにそういうものは無視しなきゃいけないんだ。
そういう状況、あり得るんだ。
その小説で紗耶香はそう感じたんだそうだ。
「じゃあ、アンタは自分たちを助ける意味合いを作るために弟に求婚したの?」
そこまで聞いて、由宇が言った。
ちょっとだけ、非難するような響きがあった気がする。
でも
……紗耶香は首を左右に振った。
「危機的状況なら、正直、その場合老いた私たちは見捨てられる恐れがあると思ってましたよ。夫にはそのときは言わなかったですけど」
……そうだったんだ。
俺はただ単に「義務を果たさず権利だけ主張するクズ」になりたくないからああ言っていたんだと思っていたのに。
紗耶香は実は、俺たち夫婦が最悪助けて貰えなくても構わないって思ってたんだ……
それを言うと、紗耶香は俺がやる気をなくすと思っていたのかな。
「だったら何で?」
追ってくる由宇の質問。
紗耶香は
「……私たちの血を引く者が、新しい人類の枠組みに参加出来たら上々でしょ?」
そう答えたんだ。
由宇はその答えを聞き
「……ふぅん……。アンタ、バトンを繋ぐ意味合いで子供を作ったんだね……なるほど、そっか……」
そう言って、最後に
「自分たちの未来を度外視してたんだ。……なんか、カッコいいなぁ。子供を産んだわけでもないのに」
そう。
俺の奥さんはカッコいいんだ。
自分より子供のことを考えられるんだから。
そういうところに気づくたび、俺は紗耶香に惚れていったんだよ。
誇らしい気持ちになる。
そしたら
「だけど、実際に弟を夫にしたら……彼の妻であることの幸せに喜びを感じてしまって……」
紗耶香はそんなことを口にして
俺の顔を両手で掴み、キスしてきた。
ちゅっ、ちゅっと吸い付くようなキス。
そして唇を離し、俺に抱き着いて
「……この人の妻になれて心の底から幸せ。だって、私を大切にしてくれるのは勿論だけど、それ以上に子供たちを大切にしてくれる。……この若さで、立派な父親の態度をとってくれるんだもの……愛してます。あなた」
私はあなたに心底惚れてるんですよ?
そう、紗耶香は俺に囁くんだ。
俺だってたまんないよ。
紗耶香は俺の初めての相手で。
かつての尊敬する姉で。
俺の子供を産んでくれた女だ。
……大切にしないわけがないだろ。
そう、こみ上げる想いがあって。
俺も彼女を抱き返した。
すると
「……メッチャクチャラブラブなのが良いよね。アタシたちもまあ、負ける気は無いけど」
由宇は、そう俺たちの様子に感想を述べてくれた。
そして今度は
自分たちの経緯を語り始めた――