※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第75話 川上兄妹の告白

「アタシは元々、オニイが好きだったの」

 

 由宇がまずいきなりそう告白してきた。

 

 アタシが薙刀をはじめたのは、オニイが剣道の達人だから、アタシは薙刀を頑張ればオニイがアタシを気にしてくれるかなって。

 

 その言葉を聞き、だったら剣道やれよ、って思ったが。

 それには

 

「剣道だとオニイがガチ過ぎるから、ひょっとしたら気に掛けてもらえないかもしれないでしょ。オニイの、なかなか頑張るじゃないか、がハイレベル過ぎることになるかもしれないじゃん」

 

 ……確かに。

 

 上のランクの人の普通は、そうでない人の努力の末の最高レベルだったりは普通にあることだ。

 修司さんの注目を浴びるためにする努力。それがいくら努力しても到達できない。

 

 ……それは辛過ぎるよな。

 だから剣道と似てるけど違う、薙刀にしたのか……

 

「でも、そのときは当然、オニイと結婚したいなんて思ってなかったよ」

 

 だってオニイは正真正銘の実のお兄ちゃんだもの。

 いくら好きな相手でも、実の兄妹で結婚なんてできないじゃん。

 

 そんなこと、オニイに言っても困るだけだし。

 

 ……ウチと違って、川上兄妹はこっちに来る前から由宇が兄に特別な感情を持っていたらしい。

 

 その話の中で

 

「戸籍を調べた」

 

「オニイとアタシの顔と両親の顔から判断した」

 

 そんな内容があって、ガチだと感じた。

 DNA鑑定はしたのか、とは思ったけど。

 そんなの別に顔で分かるよな。大半は。

 

 男は大体父親に似るし。

 女は母親に似る確率が高い。

 

 まあ、そういうわけで。

 

 そこから由宇は修司さんとは100%絶対に実兄妹という確信を持ったそうな。

 

 だから

 

「だったら、アタシはオニイの自慢の妹で居れれば幸せ。そう思ってたんだ」

 

 由宇は実兄に最初から特別な感情を持っていたけど、最初から人間社会では存在を許されない恋の成就を望んでいたわけじゃなかった。

 

 それが変わったのは修司さんが大学に進学してから。

 

 高校は男子校に通っていた修司さん。

 真面目に勉強してきて、成績も良かったから、地方とはいえそこそこレベルの高い国立の大学に進学出来て。

 

 そこで初めての彼女が出来た。

 

 ……修司さん、ガタイ良いし。

 顔だって悪くないから、彼女がいない方が不自然。

 

 それに由宇からの慕われよう。

 

 多分性格も悪くないはずだ。

 

 余計、彼女がいない方が不自然。

 

 で、由宇はとうとうオニイに女が出来た。

 そう思って、内心ショックを受けたけど。

 

 彼女を作るのは普通のこと。

 オニイが好きなら、その仲が上手くいってラブラブ夫婦になってくれるのを祈るのが肉親の在り方だろ。

 自分の道ならない恋なんて、封印するべきだ。

 

 そう思い、自分を切り替え応援をしたらしい。

 

 だけど……

 

「あのアバズレ、オニイというものがありながら、別の男とキスしてやがったんだ!」

 

 それを偶然目撃してしまったそうだ。

 

 激怒した由宇は、その女に喰ってかかった。

 

 お前どういうつもりなんだ! って。

 

 そしたらその女、最初はしらばっくれていたけど

 

「私ほどモテる女を彼女にしておいて、彼はアプローチが少なすぎる。繋ぎ止める力があまりに弱い。しっかり捕まえておけないあの人が悪いわ」

 

 そんなことを観念して白状したそうな。

 で、修司さんのことは好きなのは変わらないからまだ別れるつもりは無い、とも言った。

 

 そこで由宇はキレてしまった。

 

「ふざけんなボケエエエエ!! 股ゆるゆるのカス女がああああ!!」

 

 言いながら思い出したのか、キレ芸を披露する由宇。

 ……よっぽど腹が立ったんだな。当時。

 

 ……そこで意識改革が起きたんだな。

 容易に想像できる。

 

 血の繋がりが無いというだけで、不誠実なクソ女には修司さんと結婚できるチャンスがあるのに。

 修司さんの幸せを真剣に願っている自分には、その権利が無い。

 この理不尽に、激昂して。

 

 一線を飛び越えたのか。

 

「数日に1回、オニイがオナニーしてるの知ってたから、そのときにアタシが襲ったんだよね」

 

 好き好き言って、自分は処女だとか、抱いて欲しいを連呼しながら、精一杯誘惑した。

 で

 

 ついでにあのときのクソ女の告白。

 一部をボイスレコーダーで録音していたので、それを聞かせた。

 

(なんでそんなものを持っていたのかと訊いたら、高校の苦手科目の授業内容を録音して、家で復習する際に活用するのが常態化していたから、らしい。……部活だけでなく、勉強も頑張る女子だったんだな。由宇は)

 

 そしたら色々あって、修司さんもその気になってしまった。

 

「……あのとき、まともに俺を愛してくれる女は俺の人生では由宇しかいないんじゃないかと思ったんだ」

 

 ここで修司さんの言葉。

 

 なるほどね……

 

 このふたりの馴れ初めはそんな感じなんだ。

 ……道理で、由宇の方が修司さんより力関係は下に思えるはずだなぁ。

 

 だってより惚れてるのは由宇の方で、求婚したのも由宇の方だし。

 そりゃ立場が下になるだろ。

 

 ……まあ無論、今は相思相愛には違いないんだとは思うけどさ。

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