※この作品はR-18です。

姉と世界に2人だけ取り残されたので、姉をお嫁さんにした弟が、神様を目指すために神のダンジョンに挑む物語   作:XX(旧山川海のすけ)

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第78話 淫魔の王冠

「糞便の数十倍酷い悪臭。それがベルゼブブの体臭です」

 

 マスタファの言葉に、俺たちは戦慄する。

 

 ……それは……息が出来ないんじゃないのか?

 

 戦えないだろ。

 

 鼻栓で対応できるんだろうか……?

 

 いやでも、確か俺が一時期ハマってたアニメで、酷い臭いも耐えれば慣れるとかなんとか……

 

 でも、慣れるまではそれが隙になるのは間違いないし。

 それがこの階層の番人となると……

 

 ……

 

 いやいやいや。

 

 そういうことじゃない。

 

 このマスタファはおそらく対抗手段を知ってる。

 そしてそれを交換条件を提示して、こっちに引き渡そうとしてるんだ。

 

 ……それは一体何なんだ?

 

 だから俺は

 

「何か対抗手段あるなら教えて欲しいんだが」

 

 そう、訊ねる。

 すると

 

「ありますよ。天国の消臭剤(ヘブンリーズ)」

 

 そんなことを言いつつ、液体の入った瓶を示してきた。

 緑色の液が入ったガラス瓶だ。

 

 ……ほらね。

 

 あると思った。

 

 何を引き換えにするのかは分からんけど。

 

 だから

 

「……それを貰うには何を差し出さないといけないんだ?」

 

 そう、ツッコんだことを訊く。

 そしたらやっぱり

 

「淫魔の王冠が欲しいです」

 

 ……マスタファに提示された。

 交換条件を。

 

 

 

 淫魔の王冠。

 

 それは淫魔たちの隠し持つ宝で。

 秘宝。

 それを被って眠った者に、極上の快楽を与えるアイテムだそうで。

 

 手に入れるには2組の夫婦が協力しなきゃいけないらしい。

 どう協力するのかは教えてもらえなかったが。

 

 そして俺たちはマスタファの教えてくれた淫魔の隠れ家にやってきていた。

 

 ピンク色の扉。

 

 この先だ。

 

「開けますよ」

 

 一言そう言い、俺は扉を開けた。

 

 中は……

 

 ピンク色の部屋で。

 

 左右の壁に、2つの台。

 

 正面の壁に、文字盤。

 

 そして文字盤の下に、小さな扉。

 

 目がチカチカするな。

 そんなことを呟きながら、修司さんが

 

「……ここで何をしたら良いんだ?」

 

 部屋を見回しつつ、そう言った。

 俺は

 

「向こうの文字盤を読んでみましょう」

 

 そう、促す。

 

 俺たちは近寄って、注目した。

 文字盤に。

 

 そこにはこう書かれていた。

 

 

 ここでは夫が鍵であり、妻は鍵穴である。

 

 鍵穴を務めし妻はパンツを脱いで台座に覆い被され。

 

 2組の夫婦の妻が鍵穴の役目に就きしとき、開門の試練がはじまる。

 

 夫は正しい鍵穴を選び、鍵を差し込むべし。2つの鍵穴が正しかった場合のみ、開門が成される。

 

 

 ……鍵? 鍵穴……?

 

 イマイチピンと来なかったが、最後の方に書かれていることで、流石に気が付く。

 

 それは注意書きのような意味合いで、こう書かれていたんだ。

 

 

 ……鍵と鍵穴が違っていた場合、正しい鍵穴は淫魔の鍵で蹂躙される。

 

 

 あ、なるほど。

 

 俺は、ここで何が行われるのかについて大体理解した。

 おそらく。

 

 紗耶香も流石に察したらしい。

 少し、青ざめて震えていた。

 

 なので俺は、彼女を抱き寄せて。

 とても強く抱きしめて。

 

 耳元でこう囁いたんだ。

 

「安心して……必ずお前を選ぶから」

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